抄録
モデルベースによる顔画像認識手法として,複数のHMM(Hidden Markov Model)を空間的に配置し,一定方向へ連結するEmbedded HMMと呼ばれる手法が報告されている.Embedded HMMを用いた手法は主成分分析を用いた代表的な認識方法と比べ,顔の向きや位置の変化にロバストな学習・認識が実現できるが,画像平面内で顔が回転した場合などにおいて,顔の構造を十分に表現できない恐れがあった.そこで本稿では,2種類の方向の異なる構造を併せもつEmbedded HMMを提案する.また,眼鏡の有無や部分的な隠れなどの問題に対応するために,認識対象として尤もらしい画像の部分領域のみに着目し評価を行う認識アルゴリズムを提案する.