抄録
初心者にとって,別のユーザによって描かれ一般に公開されている線画素材を,自身の漫画の背景に利用す
ることは,効率的な作成上有効な手段である.しかし多くのユーザに使用されることを想定して作成された素材は,汎用性
を重視するため,線画に手描きの特徴をもたせることができない.そのため,このような素材を漫画のなかで用いた場合,
ユーザが描いたオブジェクトに馴染まないケースが頻繁に発生している.そこで本研究では,均一な太さの線分で構成され
たベクタ線画を,手描き風の線画に半自動的に変換する手法を提案する.さらに,提案手法を実装したシステム—LinDA
(Line Drawing Artist)を構築し,作者独自の特徴を反映した線画の作成を目指す.