薬局薬学
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外用液タイプの爪白癬治療薬「エフィナコナゾール爪外用液」適正使用における薬局薬剤師の役割
篠原 祐樹田中 直哉近藤 澄子加藤 誠一豊田 彬寺戸 靖大塚 祥貴青木 一恭矢島 毅彦
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2019 年 11 巻 1 号 p. 44-52

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抄録

要旨:服薬率は治療効果に影響を及ぼす.爪白癬治療において,エフィナコナゾール爪外用液が発売され,内服薬の長期服用,副作用,薬物相互作用の問題点が解消され,アドヒアランス低下を回避できると思われた.しかし,エフィナコナゾール単独群の初回脱落率は45.3%であり,内服薬の併用群5.9%に比べて有意に高かった(p=0.002).また,爪白癬治療指導せんを用いた群では初回脱落率は15.4%であり,用いなかった群119 名中55 名(46.2%)に比べて有意に低かった(p=0.004).爪と皮膚の境界まで塗布できている群(80.6%)と1 回塗布量が多い群(91.7%)では縮小傾向を示した割合が高く,塗布方法により治療効果に差が出ることが示された.エフィナコナゾールは,治験の対象外であった重症患者(罹患範囲50%以上)に対しても有用性を示した(79.4%).エフィナコナゾールによる爪白癬治療において,薬剤師は特製の指導せんを用いることにより,患者アドヒアランスの向上に寄与できることが示された.

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© 2019 一般社団法人 日本薬局学会
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