日本養豚研究会誌
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養豚飼料の粒度が消化率とふんの性状に及ぼす影響
古橋 圭介梅本 栄一小山 昇菅原 幸
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1976 年 13 巻 2 号 p. 107-113

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抄録

養豚飼料の粒度が, 消化率やふんの諸性状に及ぼす影響について調査するため, 同一配合内容で, 粒度だけが粗粒 (成鶏配合用篩通過), 中粒 (通称, 神奈川豚検4号), 微粒 (人工乳後期用篩通過) と明らかに異なる3種類の配合と, この粗粒飼料にイエローグリース (YG) 5.2%を添加した高エネルギー飼料の4種を試作して, 消化試験をはじめ, 諸調査を行ない次の結果を得た。
1. 排ふん量は, 粒度が粗くなるにつれて増量し, 摂取量に対する排ふん率でも粗粒化するほど高い値を示した。飲水量, 排尿量は個体差が大きく, 粒度による差は認められなかったが, 両者の相関は極めて高かった。(r=0.974)
2. 消化率は, 各成分とも粒度によってかなりの差が認められ, いずれも粒度が小さくなるにつれて消化率が向上する傾向を示したが, 特に粗せんいでその差が明瞭であった。
また, 微粒と中粒の差より, 中粒と粗粒の消化率の差の方が大きく, 粗粒区の粒度は消化利用性からみて過大であることが推察された。
3. ふんの肉眼的性状では, 微粒, 中粒区のふんは表面が滑らかで固く, 輸郭鮮明な塊状を保っていたが, 粗粒区では粗大なとうもろこし穀皮が表面に目立ち, 外圧に対して脆く崩れ易かった。また, 粗粒にYGを添加した区の性状も粗粒区と同様で, 市販の油脂添加飼料の場合と非常に異なったが, これは基礎飼料の粒度の差によるものと考えられる。
4. ふんの水中における経時的性状変化でも, 微粒と中粒ではほとんど差がなく, 2~4時間後でもかなりよく形を保っていたが, 粗粒区およびYG添加区では, 30分後の攪拌でほとんど崩解した。
5. ふん中にある未消化固形物の粒度分布と篩別分離率については, 飼料粒度に比例してふん中未消化物の粒度も粗くなり, 篩別分離率も高まる傾向がみられた。特に粗粒区ではとうもろこしの穀皮がほとんどそのまま排泄され, これが粗粒区の形状, 性状に大きく影響していることが推察された。

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