紫外線(UV)関連の眼疾患は角結膜から水晶体に生じ,眼部UV被ばくが多いと翼状片や白内障発症リスクとなる.筆者らはUV強度の異なる地域における疫学調査を続け,地域の比較だけではなく,対象者各々が今まで浴びてきた眼部UV被ばく量をcumulative ocular UV exposure(COUV)として算出し検討してきた.今回,50歳以上の漢民族1,547名(年齢60.4±9.1歳)を対象とし,UV被ばくが主因とされる翼状片眼における白内障リスクの検討を行い,UV被ばくに対する白内障病型別のリスクを間接的に評価した.COUVと翼状片には有意な相関を認め,翼状片が眼部UV被ばく量の指標となる有用な病変であることがわかった.翼状片に合併しやすい白内障病型は,核,retrodots,瞳孔領混濁のない皮質であった.今後の展望として,小児期のUV被ばくと眼疾患の関連について明らかにしていきたい.
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