日本白内障学会誌
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最新号
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巻頭言
日本白内障学会学術賞(臨床)
  • 初坂 奈津子
    2023 年 35 巻 1 号 p. 7-12
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/07/25
    ジャーナル フリー

    紫外線(UV)関連の眼疾患は角結膜から水晶体に生じ,眼部UV被ばくが多いと翼状片や白内障発症リスクとなる.筆者らはUV強度の異なる地域における疫学調査を続け,地域の比較だけではなく,対象者各々が今まで浴びてきた眼部UV被ばく量をcumulative ocular UV exposure(COUV)として算出し検討してきた.今回,50歳以上の漢民族1,547名(年齢60.4±9.1歳)を対象とし,UV被ばくが主因とされる翼状片眼における白内障リスクの検討を行い,UV被ばくに対する白内障病型別のリスクを間接的に評価した.COUVと翼状片には有意な相関を認め,翼状片が眼部UV被ばく量の指標となる有用な病変であることがわかった.翼状片に合併しやすい白内障病型は,核,retrodots,瞳孔領混濁のない皮質であった.今後の展望として,小児期のUV被ばくと眼疾患の関連について明らかにしていきたい.

総説
《特集 1》 白内障学会シンポジウム「白内障術後満足度向上計画」
《特集 2》 水晶体研究会シンポジウム「水晶体研究推進計画(水晶体研究の魅力)」
《特集 3》 合同シンポジウム「水晶体透明化計画」
原著
  • 河上 帆乃佳, 水戸 毅, 伊井 彩, 清田 優希也, 関 枝里子, 関 祐介, 丸山 美貴, 高山 綾子, 久保 江理, 佐々木 洋
    2023 年 35 巻 1 号 p. 83-87
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/07/25
    ジャーナル フリー

    目的:白内障手術装置Centurion Active SentryのハンドピースINTREPID Hybrid Tipについて破囊軽減効果と核処理効率を検証した.対象および方法:豚眼実験において意図的に破囊させたときのtorsional powerをBalancedTipとHybrid Tipで比較した.また,実際の白内障手術を行った525眼について術中の超音波累積エネルギー(CDE)値と核処理時間に関してHybrid TipとBalanced Tipで後ろ向きに比較検討した.結果:豚眼実験では後囊破損を生じるtorsional powerは,Balanced Tipを使用した場合,ベベルダウン/サイド/アップ条件でそれぞれ41.7±2.4%,40.0±7.1%,28.3±11.8%であったのに対し,Hybrid Tipを使用した場合,98.3±2.4%,96.7±4.7%,95.0±4.1%であり,Hybrid Tipでは有意に破囊は生じにくかった(p<0.01).また,実際の白内障手術においては核硬度が2以下では核処理に要したCDE値と核処理時間には両群間に差はなかった.しかし,核硬度が2.5~3の場合,Hybrid TipではCDE値のみが有意に上昇した.結論:INTREPID Hybrid Tipは破囊リスクを低減させ,白内障手術の安全性に寄与するものと考えられた.

  • 髙松 文乃, 石田 理, 橋村 朋, 喜田 照代
    2023 年 35 巻 1 号 p. 88-91
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/07/25
    ジャーナル フリー

    低加入度数分節眼内レンズ(レンティスコンフォートIOL)挿入後に大回旋した1例を経験し,大回旋の要因を検討した.症例:70歳,男性.両眼に水晶体再建術を施行し,レンティスコンフォートIOLを挿入した.両眼とも術中術後にIOLが大回旋し,左眼ではIOL整復術を施行したが再度大回旋を生じた.その後は視力に影響がないため経過観察としている.考按:IOLの大回旋が生じた理由として水晶体囊の大きさが関与しているのではないかと,当院にて水晶体再建術を施行した40例73眼を対象として水晶体囊径の代替となりうる水平隅角間距離(ATA)を測定し,本例と比較検討を行った.本例はATAが平均値より長く,それがレンティスコンフォートIOL回旋の一因になっていたと考えられた.

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