英語語形成の1つの特徴として、'zero-derivation' (Marchand, 1969)ないし'conversion' (Kruisinga, 1932)と呼ばれる、かなり生産的な過程が挙げられる。本稿では、nail, skiのように名詞を形態変化なしに動詞として用いる場合を取り上げ、そこに見られる意味的、語用論的特異性を検討する。まず第1節でこの種の動詞を分類した後、第2節では、対応する迂言的構文との関連において、それらの動詞が標準的な動作様態や目的を含意することを観察する。最後に、本論で得られた一般化が語彙化に対する、より包括的な制約に拡大できることを示唆する。
抄録全体を表示