プリン・ピリミジン代謝
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16 巻, 2 号
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  • 筋ホスホフルクトキナーゼ遺伝子転写産物の組織特異性について
    中島 弘, 河野 典夫, 浜口 朋也, 嶺尾 郁夫, 堀田 紀久子, 桑島 正道, 松沢 佑次
    1992 年 16 巻 2 号 p. 85-91
    発行日: 1992年
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    解糖系律速酵素ホスホフルクトキナーゼ(PFK)のM型欠損症は,筋原性高尿酸血症をきたす代表的疾患である.著者らは同症の分析から,運動筋におけるPFKの活性変動が筋プリン体異化の程度に密接な関係を有することを示してきた.本研究ではPFK-M遺伝子に認める,alternative splicing(type A/B/C,exon skipping)の生理的意義を検討するためその組織特異性につき分析した.ヒト肝,腎,筋,膵,胎盤,胃,網状赤血球の各組織RNAを対象にしたRT-PCR法から骨格筋ではタイプAおよびBが主要に発現し,他の臓器ではすべてタイプCのみであることが判明した.exon skippingは骨格筋ではほとんど認められず,他の組織でこの現象が明らかであった.酵素二次構造の予想結果と総合すると,PFK-Mは酵素レベルのアロステリック調節以外にalternativesplicingを介したmRNA多様性に基く調節機序も重要と考えられた.
  • 橋詰 直孝, 小林 修平, 井上 喜久子, 香川 芳子, 川原 貴, 赤岡 家雄
    1992 年 16 巻 2 号 p. 93-98
    発行日: 1992年
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    血清尿酸値が一過性に上昇する運動性高尿酸が激しい運動を継続すると恒久的な高尿酸血症に進行するか否かを検討する目的で長距離・マラソンランナー11名(男性,年齢20~42才)を対象に,オーバートレーニングに近い月間走り込み大会前(9月30日),直後(11月1日)2週問後(11月15日),4週間後(11月29日)の血清尿酸値を測定した.
    走行距離は大会前の(9月)1日9.4±2.0km,大会中(10月1~31日)1日23.2±2.5kmで大会前の約2.5倍走り込んでいる.大会2週間後1日10.4±1.5km,大会4週間後1日9.1±1.8km である.摂取エネルギーは大会前1日2893±21kcal,大会中では1日3528.1±164.5kcalで,大会前の約1.2倍摂取している.それが大会後も続いている.それにもかかわらず体重の増加は認めなかった.このことは摂取エネルギーと消費エネルギーのバランスがとれているためである.血清尿酸値は大会直前6,1±0.2mg/dl,大会直後5.6±0.2mg/dl,大会2週間後5.4±0.3mg/dl,大会4週間後5.3±0.4mg/dlで大会前値に対して大会直後や大会後は有意に低下していた.
    これらの結果より,運動に見合ったエネルギーを摂取した場合,体重の増加がなく消費エネルギーとのバランスがとれていれば激しい運動を継続的に行っても恒久的な高尿酸血症に進行しないばかりか,かえって尿酸が低下することが考えられた.
  • 東福 要平, 松村 正巳, 紺井 一郎, 竹田 亮祐
    1992 年 16 巻 2 号 p. 99-106
    発行日: 1992年
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
    高齢者における尿酸代謝にっいて,筋肉エネルギー消費との関連性および尿酸の合成あるいは排泄の障害の有無の観点より検討した.
    対象は70歳以上の男性28例,女性50例の,合計78例で,日常活動度によって,次の3群に分類した.第1群は24時間寝たきり状態で,経管栄養を受けている26例,第2群は補助具の使用によって独立歩行が可能な14例,第3群はほぼ通常の日常生活が可能な38例である.
    各々の患者にっいて24時間尿酸クリアランス試験を施行し,同時に上腕周囲径および上腕皮下脂肪厚を測定して筋肉量を算出した.更に,第1群の5例について3日間のイノシン経口負荷試験を実施した.
    高齢者全体の血清尿酸は1.5から6.9mg/dlの間に分布し,高尿酸血症を示したものは1例もなかった.一方,低尿酸血症は5例の女性にみられた.尿酸排泄量は極めて低値で平均値は97.9±115.2mg/dayであった.血清尿酸と筋肉量との間には負の相関傾向が認められ,ほぼ通常の日常生活が可能な第3群では,男女いずれも他の群に比較して,血清尿酸は有意に高値であった.また,筋肉量は年齢と有意な負の相関関係を示した.
    イノシン負荷試験では,全例で負荷後血清および尿中尿酸は有意に増加し,尿酸クリアランスも上昇した.
    これらの成績より,高齢者,特に寝たきり状態では一般に血清尿酸は低値を示し,尿酸排泄量も減少するが,その主要因としては,尿酸の合成過程そのものに異常があるのではなく,加齢とともに筋肉量が低下し,それに加えて日常活動性が減少し,筋肉エネルギー消費の低下の結果,主として筋原性の尿酸合成が減少することが大きく関与していると推定される.
  • 1992 年 16 巻 2 号 p. 107-121
    発行日: 1992年
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
  • 1992 年 16 巻 2 号 p. 122-153
    発行日: 1992年
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
  • 1992 年 16 巻 2 号 p. 154-172
    発行日: 1992年
    公開日: 2012/11/27
    ジャーナル フリー
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