ITヘルスケア誌
Online ISSN : 1881-4794
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15 巻, 1 号
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巻頭言
原著論文
  • 光山 訓, 松尾 仁司
    2020 年 15 巻 1 号 p. 3-15
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/11/03
    ジャーナル フリー

    尿沈渣検査は尿中の固形成分を分類し、各成分の濃度を計測する検査であり、腎尿路系疾患の診断に利用されている。この検査は検査技師の顕微鏡観察により実施されており、画像処理技術による自動化が期待されている。尿沈査成分は種類により大きさ、形状が多様であり、無色、有色含め様々な色調を呈する。更に同じ種類の成分でも、個人差や検体の状態等に起因する多様性がある。このような多様性が画像処理による自動分類を困難にしている。本研究では、尿沈渣検査の自動化に向け、フロー方式で撮影された尿沈渣画像の自動分類の実現を目的とし、新たな領域分割方法と階層モジュール型ニューラルネットワーク(NN: Neural Network)を提案した。提案した領域分割方法は、濃度値に加え濃度差分値を用いることを特徴とし、無色透明も含めた多様な色調、形状の尿中粒子の正確な領域分割を可能とする。また、階層モジュール型NNは、複数の小規模なNNを階層的に組み合わせることにより、効率的に分類精度を向上する。評価実験を行い、提案した領域分割手法により無染色細胞の領域分割精度が向上すること、階層モジュール型NNにより、相互に似た形状を示す尿中粒子の分類精度が向上することを確認した。提案手法を適用した自動測定結果と、検査技師による用手法の検査結果との相関を評価した結果、93%以上の高い一致率となり、定性検査との併用によりスクリーニング目的の尿沈渣検査の自動化が可能である見通しを得た。

編集後記
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