有限領域に閉じ込められた2次元点渦系には負温度状態が現れることがOnsagerによって指摘された。負温度状態とは,統計力学的に定義された温度1/T=∂S/∂Eが負となる状態であり,(熱)力学的に定義された温度が負となるわけではない。しかし,2次元的流れに多く見られる大規模構造の形成現象などは,ボルツマン因子exp(-βE)のβを負と考えたほうが,高エネルギーな大規模構造を実現しやすいため,理解しやすくなる。
そこで,本研究では,負温度状態に表れる(熱)力学的特徴を理解することを第1目標とした。講演では負温度状態の紹介から始め,シミュレーションで得られた結果について報告を行いたい。なお,分子動力学専用計算機についても簡単に触れる予定である。
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