中小企業会計研究
Online ISSN : 2435-8789
Print ISSN : 2189-650X
2020 巻, 6 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 河﨑 照行
    2020 年2020 巻6 号 p. 1
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/10/05
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  • ―税理士による税務に関する保証業務―
    小川 晃司
    2020 年2020 巻6 号 p. 2-13
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/10/05
    ジャーナル オープンアクセス

     わが国では,書面添付制度が「税理士による税務に関する保証業務」であるという認識が一般化されていない。そこで,本稿では,1956 年に創設された書面添付制度の7 年前,「税務官公署に対し提出する財務諸表等について証明を行うことを業とした税務公証士を資格者として加える」提案がなされていた事実を踏まえ,書面添付制度の「歴史的経緯」を概観し,当該制度が「税理士による税務申告書の信頼性を高める税務に関する保証業務」である,という考察を行った。

     書面添付制度は,税理士が,税理士法第1 条に定める「納税義務の適正な実現を図る」ため,税理士が自らの「資格を賭して」行うものであり,当該業務によって税務申告書の信頼性が高められる。

     保証業務は情報の責任者が,独立した第三者にその情報の信頼性を担保してもらい,情報利用者の信頼を得るために行うものである。

     ①先行研究によれば,書面添付制度は,税務に関する保証業務という点で「世界でわが国だけに存在する画期的な制度」であり,その位置付けは,「一種の証明行為,監査と同類の性格」,「税務申告書に添付された監査証明書」,「税務監査証明業務」とする有力な見解がある。

     ②書面添付制度創設までの経緯において,国税庁が「税理士は税務書類の監査証明業務が出来る」とする試案を大蔵省側と交渉している。

     ③税理士には税理士法によって実質的独立性の堅持が求められる。

     ④情報利用者(税務官公署)が書面添付制度による税務申告書の信頼性に高い評価を与えていることについて,実績データから証明できる。

     ⑤保証業務はその様々な属性から「保証の内容がグラデーションをなして」おり,税務に関する保証業務もその1つと考えられる。

     以上の考察から,書面添付制度は,保証業務の趣旨と合致し,当該制度は「税理士による税務に関する保証業務」であるとの結論を得た。

  • ―株式会社東海合金製作所における経営改革を題材に―
    飛田 努
    2020 年2020 巻6 号 p. 14-30
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/10/05
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     本稿は,従業員数100 名程度の中小企業におけるマネジメント・コントロール・システム (Management Control System:以下,MCS)が系列企業へどのように移転が行われ,定着を進めようとしているのかをサーベイ調査とインタビュー調査を用いて明らかにするものである。これにより,MCS の移転と定着が十分に人的資源に恵まれないと考えられる中小企業においていかに果たされているのか,キーパーソンとなる人物がどのような役割を果たし,それを組織成員はどのように捉えているのかを検討する。

     中小企業におけるMCS の移転・定着において,管理会計システムや目標管理制度に精通した専門的な経営者あるいは経営幹部を育成することの重要性を示唆している。具体的には,MCS(予算と目標管理制度)に基づく目標設定,業績評価の明確化と,MCS を機能させるための基礎としての丁寧なコミュニケーションをとることによって経営改革を推進してきたということである。この点については,Davila(2005)などの一連の先行研究に示されていることが日本の中小企業においても同様に当てはまることを意味している。

  • ―栃木県信用保証協会および有限会社長岡生コンクリートへのインタビュー調査に基づく考察―
    中島 洋行
    2020 年2020 巻6 号 p. 31-44
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/10/05
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     事業規模の拡大および組織の複雑化によって,中小企業においても財務会計だけではなく管理会計を新たに導入したり,既存の管理会計システムを見直したりする必要がある。しかし,日本管理会計学会スタディ・グループが2015 年に実施したアンケート調査の結果によれば,中小企業における管理会計の新規導入あるいは見直しが十分に行われているとは言い難い。中小企業にとって管理会計を新たに導入したり,既存の管理会計システムを見直したりすることは経営上の大きな転換点であり,このような経営改革は何らかのきっかけを契機として行われることが多い。そこで,本研究ではそのきっかけとして事業承継に注目する。事業承継の発生によって経営者が交代する時は,先代経営者の時代と比べて新しいことに取り組もうとする機運が高まる時期でもある。

     本研究では,海外の先行研究レビューに基づき,「中小企業における事業承継の発生は,管理会計の新規導入または見直しを図る契機となりうるのではないか」というリサーチクエスチョン(Research Question:RQ)を設定し,このRQ について検討するために,栃木県信用保証協会および有限会社長岡生コンクリートへのインタビュー調査を通じて,事業承継の発生と管理会計の導入および見直しとの関係について考察する。2 つのインタビュー調査結果より,事業承継の発生時に,管理会計の導入および見直しを促進する要因として,事業承継者が管理会計に関心があること,現経営者も管理会計の重要性を理解して導入を側面からサポートすること,さらに管理会計の導入を事業承継者と共に一緒に進められる人材が社内にいることの3 つの要因があり,これらの要因ができるだけ多く満たされることで,事業承継の発生が管理会計の新規導入または見直しを促進する契機になりうる可能性もより高まることが明らかになった。

  • 堀江 正之
    2020 年2020 巻6 号 p. 45-48
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/10/05
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  • 成川 正晃
    2020 年2020 巻6 号 p. 49-50
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/10/05
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  • 成川 正晃
    2020 年2020 巻6 号 p. 54
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/10/05
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