【目的】下肢装具の処方からフォローアップにおける課題が指摘され続けているが、未だに解決に至っているとは言い難い現状がある。本研究は、それらの諸課題を惹起する要因、またはその解決を阻害する因子について理学療法士の視点から質的に明らかにする。
【方法】急性期・回復期病院、訪問リハビリテーション事業所、介護老人保健施設、行政機関で勤務する理学療法士9名に対し、半構造化面接を行った。分析はグラウンデッド・セオリー・アプローチの継続的比較分析を援用した。
【結果】中核カテゴリ「ユーザーを難民化させる」を構成する4つの主要カテゴリ、16のカテゴリ、58のサブカテゴリが抽出された。
【結論】卒前から卒後における系統的教育体制が整っていないことや、フォローアップを中心的にマネジメントする職種が不明確なこと、心身機能や経済状況等のユーザー側の課題など、多岐にわたる課題が抽出された。
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