Journal of Clinical Simulation Research
Online ISSN : 2433-054X
6 巻
選択された号の論文の2件中1~2を表示しています
原著
  • 橋本 真由実, 奥寺 敬, 真柴 智, 山崎 早苗, 奈良 かな子
    2016 年 6 巻 p. 3-7
    発行日: 2016年
    公開日: 2023/01/15
    ジャーナル オープンアクセス
     緊急度判定支援システムは,Canadian Triage and Acuity Scale(CTAS)をもとに日本臨床救急医学会,日本救急看護学会,日本救急医学会,日本小児救急医学会の監修を受け,2012年に日本の医療現場に即したJapan Triage and Acuity Scale(以下JTAS)として開発された。同年4月には「院内トリアージ実施料」として全年齢層を対象として診療報酬が新設された。日本臨床救急医学会のデータベースでは,CTAS/JTASプロトタイプ研修として始まった2010年から2014年までに報告されている開催数は143件(2016/5/8現在)である。診療報酬として算定され4年目となる現時点での受講者の意識調査を行った。動機は,仕事上および個人的興味とそれぞれであったが,スキルは研修受講によって獲得されており,JTAS研修の目的は達成されていた。研修後のスキル活用については,職場の理解,医師との連携が必須であると考えていることが明らかとなった。実際の症例で事例検証を行う中で,優先順位決定の質の向上とともに,各部署の理解を得ることが緊急度判定の質の向上にもつながることが示唆された。
  • 木澤 晃代, 奥寺 敬, 若杉 雅浩, 高橋 恵, 橋本 真由美
    2016 年 6 巻 p. 8-12
    発行日: 2016年
    公開日: 2023/01/15
    ジャーナル オープンアクセス
     CTAS(Canadian Triage and Acuity Scale)は,カナダの救急外来トリアージを支援するシステムとして,1990年代より主にカナダ救急医学会により開発きれた。CTAS2008では,成人と小児が統一されたシステムとなり,トリアージナースのための研修コースも同時に開発され,カナダ全土に導入されている。日本臨床救急医学会と日本救急看護学会による合同トリアージナース育成検討委員会による,トリアージナースのあり方の検討作業において,CTAS2008に着目し,2009年にカナダ救急医学会の際に開催されるCTAS会議に代表を送り,日本語への翻訳と修正,日本国内における導入につき正式契約を蹄結した。この頃より人的交流をすすめ,2010年秋には,カナダのCTAS開発拠点であるアルバータ州立大学を訪問し,システム見学,CTASコースおよび指導者コースの受講を行い,日本語版CTASの開発に着手した。以降,日本語版CTASで試行コースを全国開催し,2012年に教材としてJTAS(Japan Triage and Acuity Scale)ガイドブック2012を刊行しコースも内容を刷新しJTASコースとし,現在に至る。現在,JTASを用いた救急外来トリアージは医学管理料「院内トリアージ」として算定可能となっており,全国の主として三次救急医療機関のインセンティブとして囲内に普及している。今後は,わが国間有のJTASのエピデンスの集積や,保健医療情勢に合わせた改訂などが必要となる。
feedback
Top