本稿は独占的な市場において企業が労働節約投資と中間財節約投資の2 種類の投資を行うことで、労働組合の交渉力が増加したときの影響を示したものである。通常は労働組合の交渉力の増加は労働組合の効用に対して正の影響を及ぼす。また労働節約投資に対して負の影響を及ぼすが、本稿ではこれらの結果がどのように変化するか検証したものである。
温室効果ガスの排出削減ため、ハイブリッド自動車(HEV)の普及が重要であることは認知されているものの、家計部門においてHEV がどの様に普及していくかといった点に関しては未だ明確に把握されていない。本研究は、家計についてHEV の普及過程を分析し、世帯属性が車種選択にどの様な影響を与えるかを明らかにした。また、エコカー補助金政策の有効性を評価し、エコカーを更に普及させるためにどの様な施策が有効であるかを論じた。
電力・ガス小売完全自由化において先行している英国を対象に、バンドリングが市場競争に与える効果について実証的な考察を試みた。電気とガスを1 事業者から購入するタイプの契約が主流であるものの、バンドル・ディスカウントはあまり行われていないことが観察された。バンドリング戦略は、利用者のスイッチを妨げる効果がある一方で、ショッピングコストの存在によりディスカウント幅は小さくなるものの競争を促進しているとみることができる。
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