17,15年生トドマツ植栽本数試験地4ヵ所(表-1)の密度と生長の関係を調べた。その結果 1) 17年生の試験地の1ヵ所(No.1試験地)では5,000本区が11年時に閉鎖を始め,13年時には3,000本区以上が閉鎖状態になり,4,000本区と5,000本区との間で密度の影響が直径に現われた(図-3)(3,000本区は地位の影響があるため除外;図-4参照)。15年時には各区とも完全に閉鎖し,4,000本区と5,000本区の直径差が更に大きくなった。閉鎖の進行状態を樹冠率(表-2・3)で表現して見たところ,17年時の5,000本区は69.2%(下枝の枯れ上り率30.8%)になったので利用最小径級も考慮に入れて,この中に間伐試験区を設定した。2) 17年生試験地のうちもう1ヵ所(No.2試験地)は唯1回の調査であるが,3,000本区以上が閉鎖直前か或いは閉鎖していて(表-2)直径生長にも密度の影響が現われていた(図-3)。樹冠率はやや高かったが5,000本区の中に間伐試験区を設けた。3) 15年生試験地のうち1ヵ所(No.3試験地)では6,000本区が10年時に閉鎖を始め,13年時には4,000本区が閉鎖を開始し,6,000本区は完全に閉鎖した(表-5)。15年現在4,000本,6,000本区が完全に閉鎖し,3,000本区が閉鎖に近づきつつあり,2,000本区は未だ閉鎖していない。密度の直径生長への影響は閉鎖の一番強い6,000本区に現われ始めている(図-5)。4) 15年生のもう1ヵ所(No.4試験地)の試験地は樹冠の巾が非常に広く,15年現在全密度区が閉鎖状態で,その影響が直径に僅かに現われ始めている(図-7)。
 抄録全体を表示