人間‐生活環境系シンポジウム報告集
Online ISSN : 2434-8007
第41回人間-生活環境系シンポジウム報告集
選択された号の論文の79件中51~79を表示しています
  • 中島 みづき , 佐藤 健 , 安岡 広志, 井川 正治
    p. 129-130
    発行日: 2017年
    公開日: 2021/04/23
    会議録・要旨集 フリー
    ネット家電の普及などにより家電機器は日常生活に不可欠になっている。家電機器の事故は火災などの 原因になる。独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE:ナイト)の報告では、事故情報12,799件の製品区分別事 故情報収集件数で最も多いのが家電製品の 46%となっている。事故原因として、表示に問題があったものと誤 使用・不注意を合わせると 50%を超える。つまり、注意・警告を示す図の認知度が万全ではない可能性が考え られた。そこで、本研究は一般学生を中心に家電製品の注意・警告マークの認知度について明らかにすること を目的とした。本研究は 384 名を対象とし、家電製品の説明書に描かれてあるマークの認知度をウェブアンケ ート形式にて 4 択のアンケートで調査した。結果、正解率が 100%のマークは見られず、正解の選択肢の回答 率が全体の 75%を割るマークが複数見られた。よって家電マークの認知度が低いことが明らかになった。本研 究結果より、家電製品の注意・警告マークについて高等教育での学習機会の設置が必要だと考察した。
  • 不破 正貴, 玉城 智之, 久野 覚
    p. 131-134
    発行日: 2017年
    公開日: 2021/04/23
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    本研究では人間の認知反応にギャップが生じた際に発生する積極的快適性について、2016 年秋期から2017年夏 期にわたりモデルハウス内及びその周辺街路において被験者実験を行った。印象変化を SD 法により測定し、アプロー チ差・昼夜間差による積極的快適性を調査することを目的としている。因子分析の結果、安定性と開放性と変化性の三 因子が抽出された。室内空間・半屋外空間・街路空間で安定性の因子得点に差が見られ、それぞれの空間ごとに考察を 行った。室内空間の開放性は11月・12月で大きく、6月に小さくなる傾向が見られた。このことから開放性は、季節に 影響を受ける可能性が示唆された。街路空間では、坂の上りの方が下りよりも開放性が小さくなる傾向が見られ、坂の 傾斜角が開放性に影響を与える可能性が示唆された。半屋外空間は、時間帯による印象変化があまり生じておらず、こ れは住宅の照明の影響を受けるためであると考えられる。
  • 玉城 智之, 不破 正貴, 久野 覚
    p. 135-138
    発行日: 2017年
    公開日: 2021/04/23
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では、愛知県豊田市のモデルハウスにおいて、評価地点への異なるアプローチによる印象変化につい ての調査を、2015、2016 年に日本人、2017 年に中国人を対象として行った。因子分析の結果、変化性、安定性、 開放性の3因子が抽出され、既往研究と同様の因子構造が確認された。各因子の推移については大きな差はみられ なかった。特に変化性、開放性の因子については国に関わらず比較的類似した印象評価を下す結果となったが、中 国人の方が、日本人よりも住宅空間により良い印象評価をする結果となった。安定性の評価については、日本人は の方が月ごとの変化が大きく、中国人に関してはあまり変化しない結果となった。また、家具の存在感が大きな評 価地点においては、中国人の方がその評価地点に対してより良い評価をしていることから、中国人の空間認知にお いては、家具の存在が大きな影響を与える事が示唆された。
  • 三坂 育正, 成田 健一, 石丸 泰, 堀口 恭代
    p. 139-142
    発行日: 2017年
    公開日: 2021/04/23
    会議録・要旨集 フリー
    暑熱環境下における人の熱ストレスを軽減させることを目的として、水を活用した対策技術に着目し、 水冷式のベンチを提案する。水冷ベンチは、座面芯材が空洞を持つアルミニウム仕様ベンチに側面から水を流 すことで、座面を冷やすことが可能なベンチである。水冷時の座面温度の違いによる効果に関する実験を行い、 心理申告との関係から座面温度は29℃程度が適温であると判断した。また、水冷ベンチの暑熱環境緩和効果の 定量的な評価を目的として、人体の熱収支に関して実験を行った。水冷ベンチ着座時においては、伝導熱によ り人体の放熱を促進できることが確認でき、水冷ベンチの暑熱緩和対策としての有効性を示すことができた。
  • 森下 正浩 , 松永 和彦 , 加藤 哲朗 , 松芳 千栄子
    p. 143-146
    発行日: 2017年
    公開日: 2021/04/23
    会議録・要旨集 フリー
    近年、多くの自動車にアイドリングストップシステムが導入されているが、乗員の快適性と燃費の両立に 苦慮している。特に温熱環境が非定常・不均一となる自動車室内においては、定常・均一空間を前提とした建築空 間における快適性評価指標を適応することは困難である。そこで、非定常・不均一な車室内空間を主眼に温熱環境 を評価する手法が ISO 14505-2(国際標準化機構)より標準化されている (佐藤ら, 2016 )。 本報告では、アイドリングストップシステムを搭載した自動車において、そのアイドリングストップ時のエア コンの吹出し空気および車室内温度変化が、人の温熱感覚に及ぼす等価温度の変化から定量的に捉える事が出来 たので、その評価手法を紹介する。
  • - 寝具の素材と使用方法による違い -
    森 郁惠, 都築 和代, 佐古井 智紀
    p. 147-148
    発行日: 2017年
    公開日: 2021/04/23
    会議録・要旨集 フリー
    睡眠は人の健康で快適な生活に不可欠であり、寝室の温熱環境や寝具を含めた寝床内気候を適切に形成する ことが求められる。本研究では、寝具の素材の種類やその使用方法の違いが、熱的性能や寝床内気候にどのような 影響を及ぼすかを検証するため、ウールおよびポリエステル綿の掛・敷布団についてサーマルマネキンを用いた計 測実験を行い、寝具の熱抵抗値について検討を行った。寝具全体の熱抵抗値は、寝具と身体の間に隙間がない場合、 ウールが5.6[clo]、ポリエステルが6.2[clo]で若干の差が見られた。隙間がある場合は、ウールが4.3[clo]、ポ リエステルが4.6[clo]でほぼ同程度であった。
  • 加藤 和雄, 堀越 哲美
    p. 149-152
    発行日: 2017年
    公開日: 2021/04/23
    会議録・要旨集 フリー
    インテリアデザインの思考、展開過程の検討により、インテリア的状況に着眼しその表象性をインテリア感と して定義し26項目のインテリア感として設定した。次に人的要因として行為、身体、精神を定義し、また空間的要因と してモノ、スペース、自然を定義する。20作品を分析対象として選定した。分析対象ごとに人的要因、空間的要因、空 間的形態性の抽出を行い、該当するインテリア感の抽出を行った。本論文はこれらの要素とインテリア感との関係性を 明らかにすることを目的とする 室内において、人的要因の行為、精神や空間的要因のスペース、モノが複合して現れている。a.包まれ感、b.繋がり感、 w.主張×消去等の12項目は室内空間を代表するインテリア感である。また屋外(自然)に面する開口部を有する室内空 間では、人的要因である身体性が強く現われ、g.現象性、i.人間性、k.身体性のインテリア感と関わっていると考えられ る。各作品において複数のインテリア感が関連して現われ、多様なインテリア的状況が形成され、魅惑的なインテリア デザインが創成されていることを明らかにした。
  • 堀越 哲美, 加藤 里実, 加藤 和雄
    p. 153-156
    発行日: 2017年
    公開日: 2021/04/23
    会議録・要旨集 フリー
    伝統的住宅の意匠と風土との関係について、緩衝空間に着目した。その構成要素を提示し、中部地方における事 例を取り上げ、緩衝空間に表出する形態と意匠によって風土性の地域分類を試みることを目的とし分析を行なった。住 宅の縁側、庇、開口、その他(壁など)の出現を調べ、県毎に出現頻度を出現比率として分析データとした。主成分分 析を行い、室内側空間と外部空間のいずれに近いかを示す成分としての第1主成分と外部環境の影響度合いを示す成分 としての第 2 主成分が抽出された。これは緩衝空間の特性を示す指標と考えられる。クラスター分析を行なった結果、 静岡県・愛知県・岐阜県に長野県・新潟県が隣接し、最も反対に富山県・石川県が位置し、その中間に山梨県が位置し ている。これは住宅の緩衝空間の設置による立地地域・環境への配慮が反映されている分類結果と考えられる。地域の 存在感と合致した分類となっている。
  • 佐藤 健, 中島 みづき, 原 優歩, 山田 茂, 井川 正治
    p. 157-158
    発行日: 2017年
    公開日: 2021/04/23
    会議録・要旨集 フリー
    歩行運動は、ロコモティブシンドローム対策として最も有効な手段の一つである。しかし、関節軟骨の 変性による変形性膝関節症などは起立や移動を困難にし、QOLが著しく低下することにつながる。近年、免荷 機能付きのトレッドミルが市販され生活環境におけるフィットネスサービス・開発が盛んになってきた。本研 究では、健常な大学生で空気圧を利用した免荷機能付きトレッドミル(ドリームハンター, LO2-50B, 昭和電機 製)とノルディックウォークとの筋活動を比較した。体重の50%免荷をすることで、下肢筋の活動は減少する 傾向にあった。一方ノルディックウォークでは、上肢の筋活動の顕著な増加が認められ、それぞれの運動動作 の特性が反映された結果となった。身体状況によって選択的に利用することの有効性が見いだせた。
  • 合掌 顕 , 大井 修三, 大橋 明, 吉田 恵史郎
    p. 159-160
    発行日: 2017年
    公開日: 2021/04/23
    会議録・要旨集 フリー
    自宅における観賞魚の飼育が幼稚園児及び家族に与える影響について検討するために、4〜6 週間の自宅での 金魚飼育を依頼し、その間の園児の世話や水槽に関連した行動について記録してもらった。その結果、子どもの水槽 への顕在的な関心は1 週間程度で減少するが餌やりや照明等の世話は継続される傾向があることや、観賞魚の飼育が 子どものみならず「コミュニケーション促進」や「癒し効果」など家族にも影響を与えることが明らかになった。
  • 小松 義典, 和仁 太佑
    p. 161-164
    発行日: 2017年
    公開日: 2021/04/23
    会議録・要旨集 フリー
    コンビニエンスストアのトイレは都市生活に欠かせないものとなっているが,売り場に直結したレイアウトが多 く,店員や他の客からの目線を意識することで「気まずさ」が生じ,トイレを利用しにくくなっている場合がある。そこで, 本研究は利用しやすいトイレの配置を提案することを目的として,トイレの配置が利用時の気まずさに与える影響を店 舗模型を用いた被験者実験により検討した。その結果,男女ともに店員に対する気まずさに加え,客に対する気まず さも感じていることが分かった。また,女性は店員に対しての気まずさを感じやすい傾向があることが分かった。対策 として,レジから遠い配置とすることに加えて,雑誌コーナーや通路からの視線をずらす工夫をすることの有効性が 確認できた。複数ブースを設置する場合の並び順では,入口側から男性専用・男女共用・女性専用の並びが気まず さを感じにくいことも分かった。
  • 〜匂いによる空間及びサイン等の認知に関する基礎的検討について〜
    安部 信行
    p. 165-166
    発行日: 2017年
    公開日: 2021/04/23
    会議録・要旨集 フリー
    現在、視覚障害者は増加傾向にあり、先天性の方が減少傾向に対して中途失明者が増えており、社会 適応訓練の整備が大きな課題である。本研究は白杖歩行訓練に代表する触覚のみの訓練だけではなく、視覚の 残存能力を生かしつつ他の感覚も利用した歩行ができないか検討したものである。実験では、擬似的な通路に おいて、壁に匂いを設置して歩行実験を行った。実験の結果、殆どの被験者が匂いの直近でかぎ分けることが できていた。
  • 吉田 伸治, 持田 灯
    p. 167-170
    発行日: 2017年
    公開日: 2021/04/23
    会議録・要旨集 フリー
    数値流体力学 CFD 解析技術を用いて、再帰性反射フィルム貼付窓の建物外表面への設置が、夏季屋外暑熱 環境形成に与える影響を分析した。本解析では、3mm 厚の普通ガラス窓、遮熱フィルム貼付窓、Low-E ガラス窓、 再帰性反射フィルム貼付窓の4種のガラスを各々建物西向き外表面に設けた場合の屋外温熱環境に与える影響を評 価した。街路空間内の放射熱環境は、窓のもつ強い指向反射特性を分析するために筆者らが開発した放射伝熱解析 技術を用いて分析された。解析の結果、①再帰性反射フィルム貼付窓の設置により、窓で鏡面反射して地表に再入 射する日射量を半減させる効果があること、②再帰性反射フィルム貼付窓の設置は、従来の遮熱フィルム貼付窓、 並びにLow-E ガラス窓設置時に比べ、MRT、SET*、WBGT 等の温熱快適性に関する諸量の低下に寄与するが、3mm 厚の普通ガラス窓の設置時との差は僅かとなり、夏季暑熱環境の改善効果は小さいこと、が明らかとなった。
  • 久保 博子, 東 実千代, 佐々 尚美, 磯田 憲生
    p. 171-172
    発行日: 2017年
    公開日: 2021/04/23
    会議録・要旨集 フリー
    夏期および冬期に、高齢者の日常生活時の温熱環境の実態と生活への影響を検討するため、自宅の寝室温熱環境 及び生活行動や睡眠の実態調査をおこなった。対象者は、夏期は奈良市在住の高齢者男女53名(男性27 名、女性 27 名、平均年齢72.7歳)とし、冬期にはその中から21名(男性11 名、女性12名)が調査に参加した。居間およ び寝室の温湿度計測、温冷感・快適感などの評価を行った。睡眠時の冷房は部屋に設置していても使用しないもの が4割程度で、終夜使用するものは1割以下であった。暖房器具についてはエアコンやヒーターなどが挙げられて いるが、暖房機器をまったく使用しない者もおり、室内は住宅温熱環境基準値に比べ著しく夏期は高く冬期は低く なっている者が多かった。しかし、概ね快適な環境であると評価し,容認していることが推察された。
  • 宮本 征一
    p. 173-174
    発行日: 2017年
    公開日: 2021/04/23
    会議録・要旨集 フリー
    南面・西面・北面がガラス面である2 層吹き抜けのアトリウムを利用したプレゼンテーション空間において、 年間を通して床面から 1.5mまでの温度と湿度を測定した。また、春・夏・秋・冬の季節の学生が活動している時 間帯について床上 1.1m の高さで温度分布を測定した。さらに、年末年始に床面からアトリウム上部までの温度分 布を測定した。その結果、学生が活動している8:30 から22:30 までについてPMV が±0.5 以内となる割合が50% 以上である期間は、5 月から9 月までとなり、10 月から4 月までは寒冷な環境であった。等温線図より、出入り口 からの外気流入による温度低下が、原因の一つであることを明らかにした。さらに、暖房により暖められた空気が 天井近傍の上部に溜まっていることも確認することができた。
  • 渡邊 慎一 , 石井 仁
    p. 175-178
    発行日: 2017年
    公開日: 2021/04/23
    会議録・要旨集 フリー
    紫外線を効果的に防御する方策を構築するためには、紫外領域の直達成分および拡散成分の比率を明らかに する必要がある。そこで本研究は、天空率の異なる5地点において、紫外線量UV-AおよびUV-Bの直達成分と拡散成 分を実測した。実測の結果、以下の知見を得た。全天日射量と紫外線量UV-AおよびUV-Bとの間に高い相関が認め られた。晴天指数0.4以上において、紫外領域の拡散成分比率は、日射領域の拡散成分比率よりも大きい。晴天指数 0.7において、UV-Aの拡散成分比率は0.60であり、UV-Bの拡散成分比率は0.71であった。日射領域の拡散成分比率は 0.28であった。言い換えると、晴天指数0.7のときに、直達日射を遮れば72%の日射を遮ることができるが、紫外線に 対しては直達成分を遮ってもUV-Aで40%、UV-Bで29%しか紫外線を遮ることができない。したがって、紫外線の 照射を防ぐためには、直達成分の遮蔽と共に拡散成分の遮蔽が極めて重要である。
  • 島﨑 康弘, 木村 圭大, 笈川 大介, 関根 嘉香
    p. 179-180
    発行日: 2017年
    公開日: 2021/04/23
    会議録・要旨集 フリー
    生体より得られるバイオサンプルは身体状態を知る有益な手段であり,非侵襲なバイオサンプルとして注目 される一つにヒト皮膚表面より放出されるガス(皮膚ガス)がある.本研究では,定常的な暑熱環境中において皮 膚ガス放散フラックスの時間変動を測定し,おかれた温熱環境との関係性について調査した.一例として,既存の 温熱環境評価に用いられる心理申告および人体熱収支と皮膚ガス放散フラックスとを比較することで,温熱快適性 評価における適用性について検討するとともに,今後の研究の方向性を合わせて示した.
  • 桒原 浩平, 金内 遥一朗, 大前 裕紀, 濱田 靖弘, 鍋島 美奈子
    p. 181-184
    発行日: 2017年
    公開日: 2021/04/23
    会議録・要旨集 フリー
    発汗による着衣の濡れと日射受熱の影響を考慮した平均皮膚温予測式を提案した。屋外の暑熱環境対策施設 としてミストファンを利用した被験者実験を行い、有色グローブ温度でのミスト環境下での温熱環境を把握すると 共に予測モデルの有効性を検証した。ミスト環境下での環境グローブ温は日向よりも約3℃低下し、日向と日陰の環 境グローブ温はほぼ同じであった。予測モデルから得られる平均皮膚温は実測値と概ね一致し、今回のようなミスト ファン条件において予測モデルが適用可能であることを示した。
  • 深沢 太香子, 高尾 結, 三野 たまき
    p. 185-188
    発行日: 2017年
    公開日: 2021/04/23
    会議録・要旨集 フリー
    若年女性を対象として,下部胸囲圧迫が蒸散と発汗に及ぼす影響について検討した.実験では,下部 胸囲周径を1 %(-1%)と5 %(-5%)縮小させる圧迫を付与し,下部胸囲へ圧迫を付与しない(Control),計 3 圧迫条件を設定した.実験前後の体重減少量には,下部胸囲圧迫による影響は認められなかった.実験中の 全身からの蒸散量にも,圧迫条件による明確な違いは認められなかった.同様に,前額,胸,背,前腕,大腿 の局所蒸散量にも,圧迫条件による差異は認められなかった.他方,局所発汗量には,圧迫条件による差異が 認められた.背と前腕における-1%と-5%の発汗量は,Control のそれよりも有意に低値を示し,発汗の抑制作 用が発現した.前額と胸における-5%の発汗量は,Control のそれよりも有意に高値を示し,修飾的作用が観察 された.他方,-1%の発汗量は Control のそれと同程度の値を示した.このことから,発汗の抑制作用に対す る修飾的作用の発現は,付与される圧迫の影響を受けることが示唆された.
  • 宇野 勇治, 太田 昌宏 , 堀越 哲美, 兼子 朋也 , 宇野 美紀
    p. 189-192
    発行日: 2017年
    公開日: 2021/04/23
    会議録・要旨集 フリー
    住宅などにおける日常生活において、床材の熱的な影響は大きい。特に、座位や裸足で生活する場合には体全 体の温冷感や快適感に影響を及ぼす可能性もある。本研究は、6種類の木質系床材と2種類の畳を用いて床材試 験体を製作し、夏季及び冬季に被験者実験を行った。その結果、畳、スギ、ヒノキなど熱伝導率の低い素材は冬季に おいて温かい側、快適側で評価された。座位時には、床材が体全体の快適感に影響を与えており、熱伝導率の高いフロー リング合板、広葉樹は不快側の評価となった。夏季においてスギ、ヒノキは「べたつかない」側の評価がなされており、 裸足での生活において爽快感が得られやすいものと推察される。
  • 古田土 賢一, 井川 正治, 和田 侑奈, 田村 照子
    p. 193-196
    発行日: 2017年
    公開日: 2021/04/23
    会議録・要旨集 フリー
    掛け寝具に使用されるカバーは、一般には汚れ防止などが主な目的として使用されている。しかし、掛け寝 具にカバーを掛けることで、保温性能や湿度移動特性などに影響があることが経験的に知られている。近年は機能 性を有したものなど、これまでの汚れを防止する目的の他に、保温性能を高めたり、肌沿いの効果を考慮したもの など多くの素材や形状のものが販売されるようになった。しかし、こうしたカバーの性能に関する研究結果はあま り見当たらない。今回、サーマルマネキンによるカバー使用での保温性の効果、及び、被験者による測定において 寝床内環境への影響についての結果を得たので報告する。
  • 小柴 朋子, 伊藤 円香
    p. 197-198
    発行日: 2017年
    公開日: 2021/04/23
    会議録・要旨集 フリー
    環境温の低下に対し、体温調節反応として代謝量の増加が生ずるが、その反応には個人差がみられる。育成 地、生活習慣の違いが引き起こす個人差は、環境温低下時の代謝量、皮膚温、足指血流量などの生理反応にいかに 影響を及ぼすか、また温冷感・快適感などの心理反応と、寒がり・暑がり・冷え性などの自覚体質との関係につい て明らかにすることを目的として、アンケート調査および被験者実験により検討を行った。被験者は、健康な 20 ~58歳の成人女性20 名で、人工気候室の室温を25℃から5℃ずつ15°まで低下させた。その結果、冷え症群、寒 がり群はBMI値が低く、寒がり群が必ずしも厚着をしているとは限らなかった。環境温度低下に伴う代謝量の増 加は寒冷地育成群のほうが増加を始める環境温度が低い傾向にあった。代謝量と心理評価には、育成地が影響し、 皮膚温低下に対する代謝量の増加にはBMI値により差が見られた。
  • 佐古井 智紀, 持田 徹, 藏澄 美仁, 桒原 浩平, 堀場 洋輔, 澤田 晋一
    p. 199-200
    発行日: 2017年
    公開日: 2021/04/23
    会議録・要旨集 フリー
    自然湿球温度とグローブ温度, 乾球温度の和として表される湿球グローブ温度指標と, 乾性熱交換と湿性熱 交換の影響度合いが同一となる一定皮膚温時の人体熱平衡式のぬれ率を探査し, 0.45 を得た. このぬれ率を与え, 衣 服や気流条件を変えた人体の熱平衡式から得られる計算皮膚温により着衣や気流の違いを評価できるかを検討した. 一般的な通気性の衣服, および非透湿性の防護服の双方において, この評価法により, 中程度の作業強度に従事する 被験者の体温調節の上限を適切に評価できることを確認できた. また, この人体の熱平衡式から, 日射の影響を自然 湿球温度とグローブ温度, 気温の和として評価する場合, 風速が高くなるほど, グローブ温度の重み係数を大きくす べきことも分かった.
  • 垣鍔 直, 竹内 達哉, 石井 仁, 吉永 美香
    p. 201-202
    発行日: 2017年
    公開日: 2021/04/23
    会議録・要旨集 フリー
    本研究は,一定照度下において,6名の若年男性を対象に単純計算作業をさせた時の心理,生理反応の日内変動 を確かめることを目的とした。色温度5000Kに対し,照度を750lxと3000lxの2水準に設定し,朝,昼,夕方の3回実験を行っ た。10分間の計算作業前後の体温を測定し,心電図は連続測定した。その結果,照度間に作業効率の差が見られ, 3000lxの方が有意(p<0.01)に高い結果を得た。また,経時的に低下する傾向も確かめた。心理反応の結果では,3000lx で疲労度が経時的に大きくなることと,集中度では照度条件に関わらず,経時的に低下する傾向を確かめた。生理反応と してLF/HFの値の変化を比較した。750lxでは経時的に値が亢進し,3000lxでは値が低下する傾向を確かめた。以上の結 果から,一定照度下ではストレスの度合いが変化することが示唆された。
  • 美和 千尋, 谷口 和宏 , 杉本 泰世, 脇山 雄多
    p. 203-206
    発行日: 2017年
    公開日: 2021/04/23
    会議録・要旨集 フリー
    日本人の入浴方法は、全身浴が主である。この入浴方法は、入浴初期は快適な入浴であるが、その後さら なる加温効果により体温が上昇し、快適性を損なう。しかし、健康者は長時間の入浴により新陳代謝が促され、 発汗による爽快感を高めることができる。このような入浴中ののぼせを抑制して快適感が増す入浴方法の工夫が 必要と思われる。そこで今回、入浴中の深部温の上昇を抑えることで快適感を損なわない工夫を検討した。方法 として入浴中に顔面を中心とした身体上部に風を当て、入浴中の深部体温と主観的申告を測定した。その結果、 気流あり入浴は、気流がない入浴に比べ、深部体温の上昇を抑えるため、頭部の暑さを感じず、快適性が高かっ た。これらには、入浴時の気流が冷却させること、浴室換気による浴室温と湿度の上昇を抑制することが関与し ていると考えられた。
  • -個別空調住宅との比較-
    岩城 朱美, 秋元 孝之, 逸見 憲一, 美寿見 奈穂, 古橋 拓也
    p. 207-210
    発行日: 2017年
    公開日: 2021/04/23
    会議録・要旨集 フリー
    本研究は、空気循環式全館空調システムの温熱快適性に注目し、実際の居住者が生活する 24 時間全館空調 住宅の居住環境が睡眠にどのような影響を与えているかを明らかにすることを目的とする。2016 年度夏期および冬 期の睡眠環境と皮膚への影響、血圧の変化について中年者を対象に調査を行い、2015年度に行った個別空調住宅在 住の居住者の睡眠環境と比較を行う。とくに低湿度になりやすい冬期は加湿機を頭部周囲に使用した睡眠環境につ いても調査する。結果、夏期冬期ともに全館空調住宅では入眠潜時が有意に短かった。全館空調による入眠前の温 度調整の影響が考えられる。主観においては実測値ほどの乾燥感を感じることはなく、全館連続空調住宅の快適性 の高さが伺える結果となった。
  • -空気清浄機への応用-
    岩橋 尊嗣, 光田 恵
    p. 211-212
    発行日: 2017年
    公開日: 2021/04/23
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    現在、スギ林及びヒノキ林から派生する間伐材の有効利用に関する研究を進めている。スギ、ヒノキ、マツ 類から抽出される精油分の活用は古くから知られており1)中でもヒノキ油は殺菌・抗菌作用として、あるいはアロ マセラピーとしての利用が活発である。本報では、材木自身をフィルター状に加工し、空気清浄機用パーツとして の適用を試みた。フィルターの目的は生活空間で発生する不快臭の除去で、実験では悪臭防止法で「特定悪臭物質」 にも指定されているアンモニア、アセトアルデヒド、硫化水素、メチルメルカプタン、トルエンの他、ホルムアル デヒド、酢酸等についての除去能力について検証した。結果は、特にアンモニア、アルデヒド類、酢酸等に対して 優れた徐去能力を有している事、さらにスギ材、ヒノキ材が持つ“かおり”は官能評価的な臭気中和能力にも優れ ている事が確認された。なお、除去試験の効果判定には簡易測定法である検知管法を採用し、臭気中和能力は官能 評価方法としての6段階臭気強度表示法及び9段階快・不快度表示法(臭気質評価)によって判定した。
  • 高田 暁, 濱 貴裕
    p. 213-216
    発行日: 2017年
    公開日: 2021/04/23
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    人が許容する低湿度の下限を求めるための基礎として、被験者実験を行い、乾燥感の評価構造を調べた。具 体的には、気温26℃、相対湿度10%の条件に5 時間にわたり若年男性被験者4 名を曝露し、全身の乾湿感申告値お よび体の8 つの部位それぞれの局所乾湿感申告値を連続して記録し、乾湿感申告値の経時変化を調べた。その結果、 低湿曝露開始後の乾湿感申告値が定常状態に達するデータは得られず、5 時間経過後も申告値は変動を示した。また、 低湿度の室に入室した直後に、強い乾燥側の申告が必ずしも得られるわけではなく、5 分~1 時間かけて乾燥側に変 化する例も見られた。さらに、経時変化の傾向が被験者により異なること、全身の乾湿感申告として乾燥側の申告を しない被験者が存在すること、その被験者も特定の部位については乾燥側の申告を行うこと、乾燥側の申告をする体 の部位が被験者により異なることが示された。
  • p. App10-
    発行日: 2017年
    公開日: 2021/04/23
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