健康・栄養食品研究
Online ISSN : 2189-9266
Print ISSN : 1345-8388
17 巻, 1 号
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原著論文
  • 河原 遼, 山岡 一平, 平石 勝也, 金田 信也
    2020 年 17 巻 1 号 p. 1-17
    発行日: 2020/01/17
    公開日: 2020/01/17
    ジャーナル フリー

    Misatol GLをSD系ラット雌雄に単回及び90日間反復経口投与し,安全性について評価した.単回経口投与において,Misatol GL原液を5, 10及び15 mL/kgの用量で単回経口投与した結果,5 mL/kgでは異常は認められず,10及び15 mL/kgで一過性の水様性下痢が認められた.90日間の反復経口投与において,Misatol GLを1.25, 2.5及び5 mL/kg/dayの用量で投与した結果,雄のMisatol GL 1.25 mL/kg/day投与群及び5 mL/kg/day投与群及び雌のMisatol GL 2.5 mL/kg/day投与群及び5 mL/kg/day投与群において,軽微な摂餌量の低下が,雄のMisatol GL 1.25 mL/kg/day投与群及び5 mL/kg/day投与群において,軽微な前胃の空胞化が認められたが,いずれも毒性学的な意義は低いと考えられた.一般状態,体重,尿検査,眼科学的検査,血液検査,剖検及び器官重量において,Misatol GLに起因する変化は認められなかった.したがって,Misatol GLの安全性は高いと考えられた.

Regular Article
  • 大江 絵美, 矢古宇 智弘, 久世 祥己, 荘厳 哲哉, 中村 信介, 嶋澤 雅光, 原 英彰
    2020 年 17 巻 1 号 p. 18-33
    発行日: 2020/07/01
    公開日: 2020/07/01
    ジャーナル フリー

    角膜は眼球表面に存在し,光をはじめ様々な刺激を常に受けている.我々の目は日常生活において,紫外線やその他の様々な波長の光にさらされている. 380 nmから530 nmの範囲の光は,太陽光,蛍光灯,および発光ダイオード(LED)に存在する光で,エネルギーレベルが高いことから「高エネルギー可視光線」と呼ばれている.本論文では,青色LED光によって誘発される角膜上皮細胞障害に対するビルベリー抽出物とそのアントシアニン成分の影響を調査した.ヒト角膜上皮細胞(HCE-T)をビルベリー抽出物またはその含有アントシアニンとともにプレインキュベートした後,2,000ルクスの青色LED光に曝露した.ビルベリー抽出物またはそのアントシアニン成分(デルフィニジン3-グルコシドおよびシアニジン3-グルコシド)は,細胞死,活性酸素種(ROS)の産生および細胞代謝活性を低下させることが明らかになった.さらに,ビルベリー抽出物は,ミトコンドリア膜電位とカスパーゼ-3/7活性の青色LED光による変化を抑制した.この結果から,ビルベリー抽出物またはその構成アントシアニンは,ROS生成を減少させることにより,青色LED光誘発角膜上皮細胞障害に対する保護効果を有することが示唆された.

原著論文
  • 奥 浩之
    2020 年 17 巻 1 号 p. 34-44
    発行日: 2020/07/21
    公開日: 2020/07/21
    ジャーナル フリー

    コンニャクグルコマンナンのグルコース/マンノース比は1 : 1.6と多くの文献に記載されてきた.現在の標準的な方法では,希硫酸による酸加水分解後にHPLCによる組成分析が行われている.実際に市販のコンニャク精粉4種類(平成28年度産の赤城大玉,みやままさり,特等粉,低臭化コンニャク精粉)について分析を行ったところ1 : 1.46~1 : 1.53となった.酸加水分解では分解後の残渣が多く生成するため,我々はCellulaseによる酵素加水分解と生成物の組成分析を行った.HPLC分析による組成比は1.02 (±0.09)~1.19(±0.02)となった.さらに核磁気共鳴分光法(1H-NMR)によって組成比を求めたところ1 : 1.185 (±0.010)~1 : 1.266(±0.004)となった.本研究により,コンニャク精粉を酵素により加水分解した生成物においてはグルコースの割合が増加(またはマンノースの割合が低下)して測定されることが明らかとなった.

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