Journal of Intelligence Science in Local Research
Online ISSN : 2759-1158
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論文
  • Implementation and Assessment in a BYOD Environment
    白濵 成希
    原稿種別: 研究論文
    2024 年 1 巻 2 号 p. 1-19
    発行日: 2025/03/31
    公開日: 2025/04/02
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    本研究では、データサイエンス教育において、PythonとR言語を並行して学ぶ教育手法の有効性を検証し、Windows Subsystem for Linux (WSL) とJupyter Notebookを活用したBYOD環境での実践的学習環境の構築を目指す。さらに、ビジネスとヘルスケアの専門科目に対する本手法の教育効果についても測定・分析する。研究方法として、1年次の「DSプログラミング入門」において両言語を並行して学ぶカリキュラムを実施し、言語理解度テスト、課題解決能力テスト、学生の言語選好アンケートなどを用いて効果を測定する。また、WSLとJupyter Notebookを用いたBYOD環境の有効性を評価し、専門分野別のプログラミング教育手法の最適化を図る。本研究の成果は、データサイエンス教育の新たなベストプラクティスとして、高度なスキルを持つデータサイエンティスト人材の育成に貢献することが期待される。

  • 「データの分析」に関するテスト問題の誤答分析を通して
    佐々木 淳
    原稿種別: 研究論文
    2024 年 1 巻 2 号 p. 20-39
    発行日: 2025/03/31
    公開日: 2025/04/02
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     本研究では、大学・高専生及び社会人に対して数理・データサイエンス・AI教育を効果的に行うことを目的として、それらの教育の必要となる「記述統計」の基礎事項の理解度とつまずき箇所の考察を、文系大学生に行った基礎力テストを用いて分析を行った。 分析の結果、問題で具体的な数値を与えた場合、平均・中央値・最頻値を求める方法については良好な正答率であった。しかし、具体的に数値を与えなかった場合は平均についても求めることができない学生が散見され、具体的な数値を与えた場合と比較して有意な差が認められた。分散については、具体的な数値を与えた場合も正答率は低く、具体的な数値を与えなかった場合は正答率が更に下がった。そのため、分散の教育は具体的な計算から指導する必要があると考える。四分位数については定義が曖昧な学生が散見されたため、教育を実施する際は定義の説明のみならず意味や実用性を含める必要がある。

  • 野津 隆臣
    原稿種別: 研究論文
    2024 年 1 巻 2 号 p. 40-47
    発行日: 2025/03/31
    公開日: 2025/04/02
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    In a tourist destination, the government which expects the increase of tourists might need to develop abilities to accommodate them. Considering local economy where upper-midscale hotels whose capacities are small relative to a market compete in prices for acquiring customers in an oligopolistic market, we investigate tourism policy such that the government would attract a new hotel. The government would like to make a “feasible” policy in the sense that the attraction never leave the customers or the industry worse off. Focusing on the market where hotels including an entrant are symmetric, we show that there exists a legitimate range of hotels' capacities within which the attraction is feasible. We also explicitly find the range of hotels' capacities. Our result suggests that the government does not necessarily attract a high-class hotel such as a five star hotel (an upscale or luxury hotel) for a positive impact of the attraction. Instead, the government might still enjoy the positive impact by introducing an entrant which is similar to incumbents in terms of capacity size and brand equity without incurring vast amount costs of the attraction of a larger hotel or a high-class hotel.

  • Perspectives for Enhanced Support
    藤田 紋佳, 濵田 裕子, 森口 晴美, 相星 香
    2024 年 1 巻 2 号 p. 48-60
    発行日: 2025/03/31
    公開日: 2025/04/02
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    Aim: This study explores mothers' perceptions of grief support groups following child loss and provide implications for future support. Methods: Mothers attending grief support meetings since 2017 completed online surveys after each meeting from 2020. Survey completion indicated consent. Content analysis identified from the 6th to 13th meetings to identify codes and categories from open-ended comments. Results: Thirty-seven (64.9%) out of 58 participants responded. Eight categories emerged from 106 codes: "space to talk about the deceased child," "listening and being listened to," "empathy and shared experiences," "expressing suppressed emotions," "realizing they are not alone," "emotional relief," "a place to remember the deceased child," and "facing grief." Conclusions: Mothers reported benefits from support groups, while persistent nature of grief emphasizes the need for ongoing, individualized support.

  • 山根 智
    原稿種別: 総説
    2024 年 1 巻 2 号 p. 61-81
    発行日: 2025/03/31
    公開日: 2025/04/02
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     私たちの世界を動かすプログラムは事実上すべて,人間がPythonやJava,Cなどの高級プログラミング言語で記述し,それをコンパイルして低レベルのコードにまとめて実行する.現代のプログラミング言語のためのコンパイルを行う技術,すなわち,コンパイラの多くは,Alfred V. AhoとJeffrey D. Ullmanの貢献が大きく,それにより2020年度に,コンピュータ科学の最高峰のチューリング賞を受賞した [1].コンパイラでは字句解析,構文解析,コード生成などのための技術やアルゴリズムが重要である. 本解説記事では,コンパイラの構造及び,コンパイラで最重要で最難関な構文解析,特にLR構文解析 [7] について, 類書にない構文解析手法の関係を明確化して, 有効な事例を新規に追加して, 解説を行う.これにより,現在と未来の社会を支えるコンピュータ・ソフトウェアの理解を深めることができる.さらに重要なことは, 構文解析の理論, 技術, 実装は他の多くのソフトウェアの原理となっており, 今後のソフトウェアの作成に大いに有益である. なお,本解説記事はドラゴンブック [2] や優れた教科書 [3,4,5,6] などを参考にしている.

  • 和多田 淳三, 酒井 浩, 松本 義之
    原稿種別: 総説
    2024 年 1 巻 2 号 p. 82-101
    発行日: 2025/03/31
    公開日: 2025/04/02
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     ラフ集合の方法は、決定規則の縮約によく利用されている。ラフ集合を用いた具体的な技術は、決定規則の抽出方法として用いられる。しかし、多くの決定規則を扱う際には、計算負荷が問題になる。すべての最小長の決定規則を計算する問題は、組み合わせ爆発が生じ、NP困難な問題である。この計算の課題を扱うために、本解説では、バイオ・コンピューティング技術を導入する方法を解説する。この手法は、決定規則の縮約に、DNA分子技術を応用したもので、問題の計算処理の複雑さを効果的に軽減できる。1998年にL.M. Adlemanが、生物学的計算パラダイムの概念を開拓して以来、この技術は、既存のアルゴリズムに活用及び実装することで、新しい問題解決アルゴリズムを開発する能力を提供してきた。しかし、経営工学の意思決定問題に対する学際的なDNA分子技術を用いたアルゴリズムは、いまだDNAの利用が限られた分野に限定されており、計算技術としてはそれほど広く用いられているとは言えない。本解説では、DNA分子構造や特性を操作する分子工学のメカニズムとその技術を解説し、一般的な分子アルゴリズムの利用を紹介している。特に、我々が開発したラフ集合の最小ルール探索のための決定ルールを最小化するアルゴリズムを説明している。

  • 日本と韓国の海上物流に着目して
    竹内 裕二, 李 應珍, 禹 賢娥, 郭 芝連, 坂田 理莉
    原稿種別: 資料
    2024 年 1 巻 2 号 p. 102-120
    発行日: 2025/03/31
    公開日: 2025/04/02
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     韓国が世界のコンテナ貨物取扱量で世界第7位であるのに対し、日本は上位クラスに位置していない。本研究目的は、世界の海上コンテナ貨物の状況を把握したうえで日本と韓国における海上コンテナ港湾の関係性を把握し、日本の現況を示すことである。世界の物流評価軸は、海上コンテナ貨物量(TEU)であるが、日本の産業特性から海上コンテナ貨物による輸送ができない石炭・石油・鉄鉱石・穀物などの輸入、乗用車などの輸出が多いため必然的に世界競争力評価に寄与できない。また、船舶の大型化、海上コンテナ貨物の輸送技術の高度化などを視野に入れた港湾整備が世界で進んでいる。しかし、日本の港湾は、世界最大級の海上コンテナ貨物船が水深の関係から寄港できない。そのため、基幹航路船の誘致が難しい。さらには、日本経済が低迷していることからフィーダー輸送を充実させることを優先に考えなければならない現状がある。

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