近年の情報技術の進歩による端末やコンテンツの進化と多様化,無償のデジタル財の普及などに伴い,従来のような目的志向の購買前情報探索行動だけでなく,継続的な情報探索行動が活発に行われつつある.本研究では現代のデジタル環境下における情報探索行動に焦点を当て,その背後にある探索意図の特定と,探索意図に関する理論の更新を目指す.本研究の意義は,以下のとおりである.1点目は,デジタル環境における消費者の情報探索行動の一部でありながら,先行研究で十分に検討されてこなかった継続的探索を研究対象としていること,2点目は,既存の情報探索意図の再類型化を行い,目的志向ではないコンサマトリな情報探索意図の重要性を指摘していること,3点目は,従来研究の多くが単一製品の情報探索行動を対象としているのに対して,本研究では複数の製品・サービスを研究対象とし,カテゴリの異質性を検討していること,である.
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