経営情報学会誌
Online ISSN : 2435-2209
Print ISSN : 0918-7324
30 巻, 1 号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
論文
  • 吉村 喜予子, 木野 泰伸
    2021 年 30 巻 1 号 p. 1-29
    発行日: 2021/06/15
    公開日: 2021/06/30
    ジャーナル フリー

    製薬企業のコールセンターには,薬についての問い合わせが多く寄せられる.その内容は多岐に渡ることから,新製品発売準備に経験値がない場合は対応の困難が想定される.本研究では,発売初期の製品の問い合わせ内容の汎用性に着目し,発売初期の製品問い合わせ内容を入力データとして,テキスト分析することにより,問い合わせ内容の種類を概念として抽出し,構造化し,可視化した.さらに,抽出した概念を用いて同じ製品の期間別のデータと,疾患領域が異なる別製品のデータに対して適用し,汎用性を検証した.その結果,発売初期の製品から抽出した概念は,発売初期以降の期間と疾患領域が異なる製品においても包括的に適用可能であることが確認された.抽出した概念には期間によって増加傾向や減少傾向の特徴を示すものがあり,異なる2製品に増減傾向の共通性と特異性が確認された.このことから,新製品発売準備における実務的な示唆を得られた.

  • 大川 順也, 雲居 玄道, 後藤 正幸
    2021 年 30 巻 1 号 p. 31-46
    発行日: 2021/06/15
    公開日: 2021/06/30
    ジャーナル フリー

    一般的な質問応答システムでは,ユーザから与えられた質問を解析し,情報源となる文書集合から,質問に対する適切な回答を検索するモデル(回答文書検索モデル)を構築することで回答候補を抽出し,回答の自動化を実現している.

    コミュニティQAサイト(cQAサイト)における質問・回答文書に対して,回答文書検索モデルを構築する場合,基本的な手法として質問文書の類似度による手法が考えられる.しかし,cQAサイトで見られるような,質問ごとに存在する回答文書の多様性を的確に掴みながら,適切な内容の回答文書を提示することは困難であると考えられる.そこで本研究では,トピックモデルの代表的な手法であるLatent Dirichlet Allocation(LDA)を用いることで,従来手法では対応できなかった回答文書の多様性を考慮可能な回答文書検索モデルの構築手法を提案する.最後に,提案モデルの有効性を検証するため,実際にcQAサイトに投稿された質問・回答文書を用いた検証実験を行い,検索結果の性能を評価するとともに,得られた結果に基づいて考察を行う.

  • 金澤 真平, 楊 添翔, 後藤 正幸
    2021 年 30 巻 1 号 p. 47-64
    発行日: 2021/06/15
    公開日: 2021/06/30
    ジャーナル フリー

    中古ファッションアイテムの買取・出品・販売を行うECサイトではアイテムのブランドやカテゴリ,コンディションなど,商品情報が非常に多様であるため,出品価格の決定は重要かつ難しい課題の一つである.本研究の提案モデルでは,出品システムによって設定された出品価格を変更した場合の販売結果を観察するため,価格変更テストを設計する.一方,販売価格の予測精度を高めるため,アイテムの特徴と予測精度に関する情報をもとにアイテムのクラスタリングを行い,価格変更テストの結果データをモデルの検証データとして活用することで,高い精度で予測可能なアイテム群を発見する.そして,クラスタリングによって高い精度で予測可能であると特定されたアイテム群を提案モデルに適用可能なアイテム群と捉え,それらのアイテムに関して出品価格を変更した場合の販売価格を予測する.また,その予測結果に基づいてアイテムごとの出品価格と販売価格の関係性を捉え,適切な出品価格設定に関する分析を行う.

feedback
Top