本研究では購入型・寄付型クラウドファンディングの提案者の実態とその時間的変化について,2018年と2022年のオンライン調査データから検討した.2022年調査では回答者に占める提案経験者の割合が減少した.一方で2022年調査の提案者は目標金額やその達成率,実施満足度,今後の提案意向が2018年より高かった.コロナ禍の影響を受けたと考えられる2020年以降の提案者では,新型コロナ関連の支援を含む社会貢献的なテーマ全体の提案が多い一方,目標金額が低下した.2つの調査に共通する34変数を用いて,合併したデータを用いてクラスター分析を行い,取り組み傾向が異なる4類型を抽出した.類型分布は時期によって大きく異なり,2022年の回答者,なかでも2020年以降に開始した提案者では〈地域志向型〉が減少した一方で〈社会貢献型〉の割合が顕著に高くなった.