ERPシステムのような情報システムを導入する際に業務プロセスとITシステムとの整合性が重要であると言われている.特に日本のものづくり企業のような現場改善や特殊な顧客対応などの競争優位となる業務プロセス(コア・コンピタンス)とERPパッケージシステムが持つ標準的な機能を考慮したうえでシステム導入を行わなければならない.そのため,本研究では日本のものづくり企業の2社のERPシステムの導入プロジェクトを対象にして探索的な事例研究を実施した.事例研究の結果,ERPシステム導入時にコア・コンピタンスを踏まえた導入を行わない場合,ERPシステム導入のパフォーマンスに負の影響を与えていることがわかった.これらの影響を与えているユーザ企業とSIベンダー企業の要因について今後の分析観点を提示する.
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