【目的】DMAT活動に対する情熱と職場環境との関連性を明らかにする。【方法】北海道内のDMAT隊員を対象にアンケート調査を行った。調査内容は個人背景、DMAT経歴、パッション尺度日本語版、日本語版TeamSTEPPSの下位項目であるリーダーシップ(上司のリーダーシップ)および相互支援(同僚との相互支援)とした。パッション尺度の下位項目である基準パッションのカットオフ値で2群に分類しあらかじめ設定した共変量を調整したロジスティック回帰分析を行った。【結果】186名の回答者すべてを分析対象とした。多変量解析の結果、上司のリーダーシップがDMAT活動に対する基準パッションと独立した関連因子であった。【考察】DMAT活動に対する情熱は上司のリーダーシップの高さと関連しており、DMAT隊員の活動には職場環境の重要性が示唆された。
【はじめに】原発立地・隣接道府県の防災計画は、類似が多く地域特性が考慮されていない。各原発周辺の地域特性を調査し、類似する内容の防災計画の是非と改善策を検討した。【方法】令和2年国勢調査を用いて各PAZ/UPZ内人口と世代別割合を調べた。また原発周辺地域での過去20年の要配慮者等の変化を検討した。【結果】多くの原発周辺で急激な人口減少と高齢化が進んでいた。要配慮者等の割合もすべてで増え続けていた。【考察】原子力災害では直接的傷害よりも長期避難による社会的な影響が大きい。その場合の要配慮者とは社会的に排除された人達と考える。彼らは社会との接点を失い、容易に切り捨てられてしまうかもしれない。本研究で要配慮者が地域人口の半数に迫ることが示され、自助・共助が難しくなると考える。原子力防災を考えるうえでは、事前対策の段階から彼らを包摂し地域社会のコミュニティ力を高めるような方策が必要である。
【目的】震災後の精神的健康に関する研究として縦断研究は少ない。本研究では、熊本地震5年経過した時点で、被災就労者を対象に精神的健康状態の経時的変化について明らかにする。【方法】震度7を観測した被災地域である益城町に調査依頼した。調査を4回(半年後、1年後、3年後、5年後)実施し、3回以上の回答者111名を対象とした。【結果】熊本地震5年間の就労者の精神的健康状態は、震災3年後においてGHQ28総得点および下位尺度の身体症状とうつ傾向、AIS得点、主観的健康感で最も悪化がみられた。また、PTSD発症者は5年経過しても1割の者にみられた。【考察】震災3年後の精神的影響は、住宅再建の見通しが立たないことや、引っ越しなどによる住環境・近隣との関係性の変化による孤立が影響していると考える。震災前から職場でのコミュニティや相談相手の存在が健康被害の悪化を防ぐ可能性があると示唆を得ることができた。
御嶽山火山噴火災害特別調査委員会報告書
公開日: 2024/03/01 | 29 巻 Supplement 号 p. 1-53
高野 博子, 有村 敏明, 石峯 康浩, 近藤 祐史, 佐藤 栄一, 竹内 和航, 中込 悠, 近藤 久禎
我が国の大規模災害におけるドクターヘリ活動と空路医療搬送の変遷
公開日: 2024/02/29 | 29 巻 1 号 p. 32-38
本村 友一, 久城 正紀, 平林 篤志, 中村 光伸, 藤塚 健次, 町田 浩志, 小谷 聡司
災害拠点病院における地震災害時のサージキャパシティの推定から導かれる病院BCPの課題
公開日: 2024/02/29 | 29 巻 1 号 p. 23-31
武田 和也, 六車 耕平, 牧 紀男, 大鶴 繁, 今中 雄一
「病院行動評価群Ver. 4」による病院の被災状況の評価と対応の標準化
公開日: 2023/10/14 | 28 巻 3 号 p. 85-88
阿南 英明, 近藤 久禎, 山崎 元靖, 高橋 礼子, 小井土 雄一
災害時の多数傷病者受け入れの診療に求められる単位空間に関する調査研究
公開日: 2024/02/21 | 29 巻 1 号 p. 16-22
江川 香奈, 木村 敦
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