わが国における腎疾患患者は年々増加傾向にあり,慢性腎臓病患者(chronic kidney disease:
CKD)は1 , 300 万人を超え,そのうち34 万人を超える患者が透析療法を受けている。CKD は
心血管疾患の重大な危険因子として知られ,その予防対 策は喫緊の課題である。さらに透析患
者の疾病構造は複雑化,重症化しており,特に入院透析患者の治療・ケアに従事する看護師に
は,多岐にわたる対応が求められている。また,透析患者は合併症や重複障害,介護や通院の問
題に加え多様な家族形態や地域コミュニティの脆弱による介護力や互助力の低下から,地域での
生活が困難になる事例が多い。そのため看護師は,透析患者を「地域で生活している人」という
視点で捉え,意思を尊重し,患者の希望(意思)に寄り添い,家族や医療者も納得できる退院を
模索する必要がある。そこにはステージ別の評価,アセスメントが必要不可欠だと考える。そし
て,他施設や多職種と連携し,切れ目ない包括的チームアプローチを展開していく必要がある。
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