日本腎臓リハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2436-8253
Print ISSN : 2436-8180
特集号: 日本腎臓リハビリテーション学会誌
2 巻, 2 号
ADL/QOL
選択された号の論文の15件中1~15を表示しています
  • 井上 茂, 天笠 志保
    2023 年2 巻2 号 p. 139-147
    発行日: 2023/12/08
    公開日: 2024/08/09
    ジャーナル 認証あり
    身体活動質問紙にはIPAQ,GPAQ,特定健康診断質問紙,JPHC 質問紙や,国民健康栄養調 査で用いられている問診票などがある。簡便で万能な質問紙はないので,その選択あるいは作 成に当たっては,調査の対象者,目的を明確にすることが重要である。その際に各種の運動療 法・身体活動ガイドラインをよく理解して,それらで用いられているフレームワークに沿った 評価が行える質問紙を使用することを推奨したい。例えば,よく用いられる身体活動の指標に 中高強度身体活動時間(分/ 週),中高強度身体活動量(METs・時/ 週)がある。中高強度と は3 METs 以上の活動強度であり,これは国際的なコンセンサスである。このフレームワークを 考慮せずに評価することは可能だが,運動指導ではガイドラインを参照しにくい,研究発表に当 たっては査読者の理解が得られにくいといった問題が発生しやすい。身体活動の基礎知識を踏ま えて質問紙を選択,作成する必要がある。
  • 三浦 平寛
    2023 年2 巻2 号 p. 148-156
    発行日: 2023/12/08
    公開日: 2024/08/09
    ジャーナル 認証あり
    身体活動は健康にとって重要であり,活動的になることで死亡を回避できる可能性がある。保 存期慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)患者や透析患者に対する非監視下運動療法で は,身体活動の評価と目標設定が重要であることから歩数計が有用である。身体活動の評価に用 いるデバイスとして,歩数計や加速度計,スマートフォン,ウェアラブルデバイスがあげられ る。いずれのデバイスも身体活動における妥当性について検討されているが,それぞれにメリッ トとデメリットがあるため,デバイスの特徴をよく理解して使用することが重要である。スマー トフォンやウェアラブルデバイスの進歩と普及によって,歩数以外のより詳細な身体活動情報を 得られるようになったことから,身体活動の質も評価できるようになってきた。今後,腎臓リハ ビリテーションの治療用アプリの開発が進むなかで,身体活動に重要性が増していくものと考え られる。
  • 髙田 亜紀
    2023 年2 巻2 号 p. 157-164
    発行日: 2023/12/08
    公開日: 2024/08/09
    ジャーナル 認証あり
    わが国における腎疾患患者は年々増加傾向にあり,慢性腎臓病患者(chronic kidney disease: CKD)は1 , 300 万人を超え,そのうち34 万人を超える患者が透析療法を受けている。CKD は 心血管疾患の重大な危険因子として知られ,その予防対 策は喫緊の課題である。さらに透析患 者の疾病構造は複雑化,重症化しており,特に入院透析患者の治療・ケアに従事する看護師に は,多岐にわたる対応が求められている。また,透析患者は合併症や重複障害,介護や通院の問 題に加え多様な家族形態や地域コミュニティの脆弱による介護力や互助力の低下から,地域での 生活が困難になる事例が多い。そのため看護師は,透析患者を「地域で生活している人」という 視点で捉え,意思を尊重し,患者の希望(意思)に寄り添い,家族や医療者も納得できる退院を 模索する必要がある。そこにはステージ別の評価,アセスメントが必要不可欠だと考える。そし て,他施設や多職種と連携し,切れ目ない包括的チームアプローチを展開していく必要がある。
  • 小林 清香
    2023 年2 巻2 号 p. 165-176
    発行日: 2023/12/08
    公開日: 2024/08/09
    ジャーナル 認証あり
    行動科学は,人がどのように新しい行動習慣を身に着けるのか,どのように行動習慣を新しい 行動習慣へと変えるのかを扱う。慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)においては,腎 不全保存期,腎代替療法を要する時期など,病気と治療のいずれの時点においても生活習慣は疾 患の経過に関与し得る。そのため,患者さん自身による日常の継続的なセルフケア(自己管理行 動)が重要であることはいうまでもない。 本稿では,CKD において求められるさまざまなセルフケア行動とそのアドヒアランスに焦点 を当て,先行研究を行動科学的な観点から概観した。セルフケア行動の良否は,CKD の予後に 関連しており,セルフケア行動(アドヒアランス)の促進に焦点を当てた介入は,集学的で多職 種チームで行われている報告が多くみられた。適切な行動を促す上では,知識の提供だけでな く,実際に行動を達成し,自己効力感を高めていくことのできるような個別性に合わせた支援が 必要と考えられた。
  • 高野 公輔
    2023 年2 巻2 号 p. 177-190
    発行日: 2023/12/08
    公開日: 2024/08/09
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    慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)患者は,保存期から腎代替療法の導入,その後 の長い経過にわたってさまざまな身体的・心理社会的な負担を経験する。CKD 患者では,うつ 病,不安症,睡眠障害などの精神疾患が高頻度に認められることが明らかになっており,腎疾患 の進行や死亡などの身体的アウトカムに関連する。身体疾患を抱えた患者への心理的支援の基本 は,「協力的な治療関係をつくり,そのなかで患者を支えること」であり,丁寧な身体治療とケ アが心理的支援につながる。精神疾患に対する薬物療法では,ポリファーマシー,副作用,薬物 相互作用,薬物動態に関するCKD の複雑な影響,治療が有効ではない可能性を含む複数の要素 を考慮しなければならない。非薬物療法として,認知行動療法を含む心理療法の有効性が確認さ れているが,さらなるエビデンスの蓄積が求められる。CKD 患者の心理学的問題を扱う学問と してサイコネフロロジーが注目されており,今後の発展が期待される。
  • 德田 勝哉
    2023 年2 巻2 号 p. 191-199
    発行日: 2023/12/08
    公開日: 2024/08/09
    ジャーナル 認証あり
    慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)医療において高齢化は切り離せない要素である。 わが国の特殊出生率や乳幼児死亡率を理論的に考慮すると65 歳以上の高齢者の割合は,約40% 台になるといえる。これは,21 世紀型の人口分布だと考えるべきである。このような状況での CKD 医療において社会的支援は重要であり,特に臨床において充実させていく必要がある。そ れには,社会的支援をより具体化し臨床に落とし込まなければならない。社会的支援は,感情的 支援,情報的支援,実務的支援,評価的支援,地域的支援の5 つに大別される。これらの役割を 臨床で認識して介入しなければならない。そして,栄養,活動,休息,疾患・治療と生活目標・ 人生目標のバランスを重視したアプローチが必須である。臨床でのバランスの取れた社会的支援 はCKD 患者を前向きにし,医療従事者をより積極的にする。患者の生活目標や人生目標を共有 し,支援することがCKD 患者に対する社会的支援につながる。
  • 音部 雄平
    2023 年2 巻2 号 p. 201-215
    発行日: 2023/12/08
    公開日: 2024/08/09
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    慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)は認知機能障害や認知症の危険因子であること が知られており,患者の高齢化に伴い,認知症を合併した患者の数も増加の一途を辿っている。 認知症を合併している患者においては,治療管理の困難さや意思決定の困難さを引き起こすのみ ならず,生命予後の悪化も引き起こされることが報告されており,その対策は喫緊の課題となっ ている。本稿では,CKD 患者の認知機能障害・認知症の疫学やその要因やメカニズム,および 弊害について先行研究を交え述べたのち,運動療法を中心とする腎臓リハビリテーションが認知 機能に与える効果について概説する。
  • 小坂 志保
    2023 年2 巻2 号 p. 216-224
    発行日: 2023/12/08
    公開日: 2024/08/09
    ジャーナル 認証あり
    慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)患者は慢性炎症状態や,免疫機能の低下,唾液 分泌機能低下による口喝が起こり,自浄作用の低下によってう歯や歯周病のリスクも高まること からもCKD 患者の口腔に着目することは重要である。CKD 患者は身体的フレイルに陥るリス クも一般人口よりも高いことがわかっているが,身体的フレイルに至る前のオーラルフレイルの 観点からもCKD 患者は注意をしていくことが必要である。そのため,日常的かつ定期的な口腔 評価や適切な口腔衛生介入が必要になる。しかしながら,近年まで腎疾患患者の口腔機能には着 目されてこなかったこともあり,十分な観察や介入が行われているとはいい難いのが現状である。 そこで,本稿ではCKD 患者の口腔機能とオーラルフレイルの関連について先行研究をもとに 解説し,今後のCKD 患者に対する口腔健康への対策を検討していきたい。
  • 原田 大樹, 杉谷 篤
    2023 年2 巻2 号 p. 226-234
    発行日: 2023/12/08
    公開日: 2024/08/09
    ジャーナル 認証あり
    背景:近年,高齢者やハイリスクな腎移植が増加しており,生着率と生存率を向上させるに は,運動習慣により身体活動を高める必要がある。 目的:腎移植維持期における運動習慣の関連因子を調べる。運動習慣を獲得させる方法を検討 する。 方法:腎移植後180 日以上経過した患者の運動習慣の有無を調査した。対象者34 名を運動習 慣あり群15 名となし群19 名に分類し,移植腎機能や身体活動関連因子を含む調査項目を比較し た。運動習慣なし群の運動しない理由を質問紙調査した。 結果:運動習慣あり群は運動習慣なし群と比較して,女性が少なく,移植後経過日数が短く, CS- 30 や6 分間歩行距離の身体活動能力が高く,身体活動量が多かった。運動習慣なし群は 「時間がない,仕事で疲れている,面倒である」の理由で運動していなかった。 結論:腎移植維持期における運動習慣の関連因子は,性別,移植後経過日数,起立や歩行の身 体活動能力,身体活動量であることが示唆された。
  • 大内 慧
    2023 年2 巻2 号 p. 236-237
    発行日: 2023/12/08
    公開日: 2024/08/09
    ジャーナル 認証あり
  • 田畑 吾樹
    2023 年2 巻2 号 p. 238-239
    発行日: 2023/12/08
    公開日: 2024/08/09
    ジャーナル 認証あり
  • 臼井 直人
    2023 年2 巻2 号 p. 240-241
    発行日: 2023/12/08
    公開日: 2024/08/09
    ジャーナル 認証あり
  • 今村 慶吾
    2023 年2 巻2 号 p. 242-243
    発行日: 2023/12/08
    公開日: 2024/08/09
    ジャーナル 認証あり
  • 瀧田 翔
    2023 年2 巻2 号 p. 244-245
    発行日: 2023/12/08
    公開日: 2024/08/09
    ジャーナル 認証あり
  • 今井 裕人
    2023 年2 巻2 号 p. 246-247
    発行日: 2023/12/08
    公開日: 2024/08/09
    ジャーナル 認証あり
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