RIAによる血中PGF群測定を広く応用することを目的とし,VANORDENらの方法に準拠して血漿からのPGF
2α-
3Hの抽出•分離法を検討し,さらにウシおよびヤギの性周期における末梢血中PGF群濃度の測定を試みた。<BRPGF
2αの抽出に用いた酢酸エチルの量,振盈時間,および抽出回数は5m
l,10分間,2回で,92%の回収率が得られ,かつ再現性は高かった。
PGの抽出•分離過程を通した回収率は,分離に用いたカラムのケイ酸層の高さが3~6cmの間では,約90%と一定していた。また,このクロマトグラフィーにおけるPGF群の溶出は,SIV添加後集中して起こり,7~8m
lの溶出液中に全PGF
2αが溶出した。
ウシおよびヤギにおける末梢血中PGF群濃度を1性周期にわたって測定したが,血漿1m
lの濃度はいずれも約50pg/m
lないしそれ以下と低く,有意な変動はみられなかった。このことは,ウシ,ヤギにおいても末梢血中PGF群濃度が必ずしも局所濃度の変化を反映しないものであることを示唆した。
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