トレーニング指導
Online ISSN : 2434-3307
Print ISSN : 2433-6742
2 巻, 1 号
トレーニング指導第2巻第1号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
原著研究論文
  • 三島 隆章, 渡辺 英次, 関 一誠
    2017 年 2 巻 1 号 p. 4-10
    発行日: 2017年
    公開日: 2020/03/24
    ジャーナル フリー
    本研究では、身長の発育とスピード、アジリティ、瞬発力および敏捷性の発達との関連性について検討することを目的とした。被験者は3歳から22歳までの男子スポーツ選手3,863名あった。体格として身長、スピード、アジリティ、瞬発力および敏捷性として、20 m 走、プロアジリティテスト、立ち幅とび、反復横とび、垂直跳びおよびリバウンドジャンプ指数を測定した。アロメトリー式“y= bxa”を得るために、身長に従って分類した測定値を両対数グラフにプロットした。変移点を算出した結果、いずれの測定種目においても3つの変移点をもつ4相の一次関数で示された。第2変移点から第3変移点までの係数aが1以上であることから、筋力の発達がスピード、アジリティ、瞬発力および敏捷性の発達に寄与していると推測される。また、すべての測定種目において第1変移点までの係数a が1以上の値を示したことから、神経系の改善が第1 変移点までのスピード、アジリティ、瞬発力および敏捷性の発達に寄与していることを示唆している。
  • 砂川 力也, 下嶽 進一郎
    2017 年 2 巻 1 号 p. 18-24
    発行日: 2017年
    公開日: 2020/03/27
    ジャーナル フリー
    本研究は、レジスタンスエクササイズとして代表的なスクワットを用いて等張性筋収縮を行うことで活動後増強(PAP)に与える影響について検討することを目的とした。日頃トレーニング経験を有する健常な男子大学生8名を対象とした。PAP の効果を検証するためにバック・フル・スクワットの各条件(30%1RM×3sets×6reps, 60%1RM× 3sets × 3reps, 90%1RM× 3sets × 2reps)の前後でカウンター・ムーブメント・ジャンプ(CMJ)を行い、跳躍 高、ピークパワー、ピーク速度、平均パワー、平均速度を計測し分析した。その結果、60% および90%1RM 条件後にCMJ の跳躍高(ES=0.68, 0.63)、ピークパワー(ES=0.80, 0.96)、ピーク速度(ES=1.03, 0.60)が有意に高い値を示した。このことから、中・高強度のスクワットを用いて等張性筋収縮を数セット行うことでPAP を誘発し、最大パワーやスピードの向上を強調するトレーニングとして有効な手段となる可能性が示唆された。
原著実践論文
  • 菅野 昌明, 濱田 和樹, 長谷川 裕
    2017 年 2 巻 1 号 p. 11-17
    発行日: 2017年
    公開日: 2020/03/26
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は、国内最高峰のラグビートップリーグに所属するチームの男子ラグビー選手25名を対象に、爆発的な加速能力に重要な役割を果たすと考えられる1-4Step区間のスプリントスタート能力の向上のための、スプリント変数や下肢筋機能との関連性 を明らかにすることであった。その結果、1-4Step区間のスプリント走速度とステップ長、滞空時間、接地時間との間に有意な相関関係が認められたが、ステップ頻度との間には有意な相関関係は認められなかった。下肢筋機能では、20kg、30%1RM、60%1RM、80%1RMに対するジャンプ・スクワット・パワーの体重比、およびリバウンドジャンプ指数との間に有意な相関関係が認められた。また、1-4Step区間のスプリント走速度で区分した上位群と下位群とのスプリント変数と下肢筋機能の違いを比較した結果、スプリント変数ではステップ長、滞空時間が、下肢筋機能では20kg、および60%1RMのジャンプ・スクワット・パワー体重比、リバウンドジャンプ指数において上位群が有意に大きい値を示した。さらに、 接地時間と30%1RMおよび80%1RMに対するジャンプ・スクワット・パワーの体重比において有意ではないが大きな差が示され、上位群が下位群よりも接地時間が短くジャンプ・スクワット・パワーでは高値を示した。これらの結果から、1-4Stepスプリント走速度の向上には、ステップ長を高めつつも、短い接地時間を達成することが重要であると考えられた。また、1-4Stepスプリント走速度を改善するためには、軽負荷から高負荷領域までの下肢伸展パワーを増大することや、ストレッチ・ショートニング・サイクル筋活動で行われる下肢反応筋力能力を改善することが必要であると考えられた。
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