デジタル教科書はその上でハイライトやメモの付与等のアノテーションや,動画・シミュレーション等のデジタルコンテンツを利用した多様な学習活動が展開されることが特徴であり,それらの学習履歴をどう蓄積し活用するかが課題となっている。本研究は学習履歴の状態変化の側面である状態履歴の機能に注目し,その活用による価値と可能性を探る。状態履歴機能の最新動向を探るために,デジタル教科書に類似点がある電子書籍・Webブラウザ・ワードプロセッサの3種類6ソフトウェアの機能を調べ,ユーザーエクスペリエンスデザインの研究法であるKA法を応用して3つの観点による9つの価値を抽出した。その観点に基づき2021年に使用されている主要なデジタル教科書ビューア4種類の機能を分析した。その結果からデジタル教科書利用に期待される価値を抽出し,価値実現に向けた課題と新たな可能性について考察した。
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