本研究の目的は,韓国の算数において①デジタル教科書の中で児童がどの機能を活用しているのかを明らかにすること,②デジタル教科書の中で教師はどのような機能を有用性が高いと感じているのかを明らかにすること,③一斉授業及び個別学習における算数のデジタル教科書の有用性について検討することである.算数のデジタル教科書の利用者である韓国の小学校教師39 名(有効回答35 名)に対し,質問紙による調査を実施した.算数のデジタル教科書で活用が多くみられる機能は,「答え合わせ」,「考え方のヒントなど」,「アニメーション」,「ネットワーク」,「ノート」,「保存」であり,有用性が高いと考えられている機能は,「ネットワーク」,「答え合わせ」,「アニメーション」であった.算数のデジタル教科書の活用に関して,一斉授業においては77.1%の教師が肯定的な評価をしており,個別学習においては82.9%の教師が肯定的な評価をしていることがわかった.
3,5歳の幼児にタブレットから映し出される絵本(デジタル絵本)を視聴させた。その際,タブレットから流れる機械音声と,実験者が読み聞かせる肉声の2条件を設けた。絵本視聴後,お話の内容を問うエピソード記憶課題,お話の順番どおりにカードを並べる並べ替え課題の順で課題が実施された。その結果,エピソード記憶課題については,5歳児は2条件間に成績差は無かったが,3歳児の成績は機械音声よりも肉声の方が良かった。一方,並べ替え課題では, 3,5歳児ともに,条件間で成績差は見られなかった。この結果から,発達段階を考慮した新たなデジタルデバイスの使用方法を提案した。
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