国立病院看護研究学会誌
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最新号
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総説
  • 原口 昌宏, 岸 達也, 浦中 桂一, 佐藤 琴美
    2025 年21 巻1 号 p. 1-9
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/09/24
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    目的:国内外の造血幹細胞移植ドナーに着目し,文献検討から先行研究を概観し,ドナーに関する身体的及び心理・社会的な問題を明らかにし,支援のあり方を考察する.

    方法:1998年から2024年までに登録されているPubMed(Web版),医学中央雑誌(Web版)を用いて,国内外15件の論文を分析対象とした.

    結果: 多くのドナーは,造血幹細胞採取時に疼痛を経験する等,身体的問題が明らかになった.また骨髄提供前後でドナーの自尊心や幸福感が上昇する等,肯定的な心理面がある一方で,健康面に対する影響を不安視する否定的なドナーの存在が明らかとなった.さらに幹細胞提供行為が社会的な影響を強く受けているという報告も見られた.

    考察:看護師は,造血幹細胞移植ドナーを支援の対象であると再認識し,具体的な支援につなげていくとともに,得られた知見をドナー登録の普及活動に反映した方策を検討していく必要がある.

原著
  • 川添 由紀子, 林 祐子, 今井 多樹子
    2025 年21 巻1 号 p. 10-19
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/09/24
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    急性期病院の看護管理者が新人看護師による夜勤業務の遂行を可能と判断する基準を明らかにした.急性期病院に所属する教育担当副看護師長とモデルナース(7名)を対象に半構造化面接を実施し,質的帰納的に分析した.その結果,判断基準は13カテゴリーに収束し,【疾患・病態・治療を踏まえて観察・情報収集ができる】【患者の意識レベル・症状変化から正常・異常・緊急性を判断できる】【臨機応変に誰でも/適切な相手に患者や自分の状況を具体的かつタイムリーに報告・相談できる】【先輩看護師に自分の考えを含めて双方向的なコミュニケーションがとれる】【確かな知識の下で標準的/専門的な診療補助技術が実施できる】などが明らかになった.新人による夜勤業務の遂行可能性は,知識と技術力の質と,医療安全の上での報告・相談,およびコミュニケーションを軸として,日勤業務を適切に対応できる基本的な実践力を前提に判断されることが考えられた.

  • 福田 敦子, 水野 正之, 小澤 三枝子
    2025 年21 巻1 号 p. 20-28
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/09/24
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    目的:高度急性期・急性期病院に勤務する副看護師長が感じる社会的一体感と,病棟内重要他者(看護師長,同僚,医師)の関わりとの関連を明らかにし,看護師長が行う管理的方策を検討する.

    方法:52 病院の病棟・ユニット・手術室の副看護師長993 名に質問紙調査を実施した.

    結果:副看護師長の社会的一体感を従属変数とする重回帰分析の結果,「副看護師長の経験年数(p=.004)」,「看護師長昇任時の施設間異動(p=.003)」,「看護師長は落ち度を認め謝る(p=.006)」,「同僚からの職場サポート(p<.001)」,「医師との十分なコミュニケーション(p<.001)」が有意に関連していた.

    考察:副看護師長の社会的一体感を高めるには,看護師長が真摯な態度を示し,副看護師長が同僚からサポートを受け,医師と十分にコミュニケーションが取れる職場環境を構築していくことが有用である.

  • 高田 麻衣, 小幡 真衣子, 南田 詩織
    2025 年21 巻1 号 p. 29-37
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/09/24
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    本研究はA病院で出産した産婦の分娩満足度と,夫立ち会いができない中での産婦が求める助産師の支援について明らかにすることを目的とした.経膣分娩を経験した褥婦50人を対象とし,無記名自記式質問紙を用いた量的・質的記述的研究を行った.分析の結果,夫立ち会い群と非夫立ち会い群では分娩満足度合計得点において有意差がみられなかった.夫立ち会い群では《痛みのコーピング》が多く抽出された.一方,非夫立ち会い群では《分娩の喜び》といったポジティブな思いが夫立ち会い群と同じコード数で抽出された.また,夫立ち会い群では《助産師のサポートに対する思い》,非夫立ち会い群では《助産師の存在》といった中カテゴリーが抽出され,どちらの群も助産師の支援を求めていることが分かった.このことから夫立ち会いの有無に関わらず助産師が介入することによって産婦の分娩満足度に影響を与える可能性が示唆された.

実践報告
  • 杉山 文乃, 清水 陽一, 長岡 波子, 梅田 亜矢, 藤澤 雄太, 遠藤 晶子, 飯野 京子
    2025 年21 巻1 号 p. 38-43
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/09/24
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    本報告の目的は,新設した科目「成人看護援助論Ⅲ」の概要報告と,教育設計や評価を行うフレームワークであるADDIEモデルを用いて考察することとした.コロナ禍で臨地実習時間が制限される経験から,臨地実習で実施すべき内容と学内演習の精査が期待された.また,新カリキュラム導入により,本学の成人看護学実習が3週間から2週間に短期間化する運びとなった.その中で,3年次の臨地実習の直前に開講される成人看護援助論Ⅲは,臨地実習を想定した学修になるよう,情報収集技能の習得に向けた演習,アクティブラーニングを目指した時間構成,および臨地実習での援助を想定した看護計画作成と模擬患者への援助として展開した.

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