心雑音ありと診断されていた5歳11ヵ月齢、未避妊雌のトイ・プードルが心臓評価のため来院した。心臓超音波検査にて、主肺動脈内に動脈管開存症の短絡血流が認められ、同時に短絡血流とは逆方向に流れる血流も確認された。肺動脈弁に短絡血流がぶつかって折り返している血流の可能性が疑われたが、異常血管構造否定のため、CT検査を実施した。CT検査では血管還流異常は認められず、4.6 mm程度の動脈管のみが認められた。動脈管開存症の治療として開胸手術を実施した。術中に実施した経食道心臓超音波検査にて、動脈管の結紮後、短絡血流の消失および折り返し血流の消失を確認した。第78病日においてもエコー検査上の異常は認められず良好に経過している。以上のことから、動脈管開存症の短絡血流の方向と短絡量によっては、通常とは異なる血流所見が描出される可能性のあることが示された。
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