土木学会論文集B2(海岸工学)
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75 巻, 1 号
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和文論文
  • 瀬尾 直樹, 原田 賢治, 金原 剛, 風間 聡
    2019 年 75 巻 1 号 p. 1-9
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/03/20
    ジャーナル フリー
     東日本大震災では,津波からの避難において,盛土への避難者が被災から免れたことから,盛土式津波避難施設が注目されている.このような観点を踏まえ,静岡県袋井市の検討実績から瀬尾ら1)は,盛土式構造の津波避難施設の設計手法を提案している.その設計手法においては盛土式津波避難施設の天端高や構造物の安定検討において,津波シミュレーション結果に基づく浸水深を使用している.津波シミュレーションにおいては周辺の家屋等を地形として取扱うことが可能となる解像度の高い解析を行っている.その場合,流路阻害となる盛土式津波避難施設と周辺家屋等との位置関係から盛土式津波避難施設において水位上昇が発生することが考えられる.本論文では盛土式津波避難施設と周辺家屋等との離隔距離についての検討を実施したものである.
  • 桑江 朝比呂, 吉田 吾郎, 堀 正和, 渡辺 謙太, 棚谷 灯子, 岡田 知也, 梅澤 有, 佐々木 淳
    2019 年 75 巻 1 号 p. 10-20
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/06/20
    ジャーナル フリー

     浅海生態系における気候変動の緩和機能(大気中二酸化炭素(CO2)の吸収機能や生態系内への炭素貯留機能)が注目され始めているものの,その全国推計例はない.そこで本研究では,気候変動に関する政府間パネル(IPCC)のガイドラインに倣い,生態系内の炭素貯留量の増加量を大気中CO2の吸収量と定義し,国内外の既往文献をベースにデータ解析した.そして,我が国の浅海生態系(海草藻場,海藻藻場,マングローブ,干潟)における年間CO2吸収量の全国推計を試みた.その結果,現状におけるCO2吸収量の平均値は132万トンCO2/年,上限値は404万トンCO2/年と見積もられた.このような現状値あるいは将来値の推計を進めていくことは,地球温暖化対策計画における吸収源対策に浅海生態系を新たに定める検討や,浅海生態系の価値評価において有用であると考えられる.

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