(1) 重症減圧症の治癒が遷延し, 陳旧化した症例では脊髄損傷の病態像を示す。脊髄は他の組織に比べ蓄積して気泡化した窒素の排泄が遅いから長期間症状が残存する。
(2) 東洋医学でいう八味丸証の中に小腹不仁, 脚気上入, 小便不利等があるが, これらは脊髄機能低下と多くの類似点がある。
(3) 治癒が遷延して陳旧化した3症例の潜水病患者に八味地黄丸料エキスを服用させながら高圧酸素治療を行ったところ, 従来の同程度の症例と比較し症状の軽快が早く, 短期間で治療できた。
(4) 八味丸証の他に人参湯証が併存している症例があり, 両者合方で治療した症例が1例あった。
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