本稿の課題は,観光客を主な対象としたレンタカー利用を通じてクリーンエネルギーの地産地消の推進の可能性について,バイオエタノール使用車を事例に観光客による評価分析から検討することにある。レンタカーの選択実験を実施し,ランダムパラメータ・ロジットモデルによる観光客評価の定量的な分析を試みた結果,以下の3点が明らかとなった。
第1に,バイオエタノール使用車および比較対象とした電気自動車は,ガソリン車と比べても肯定的に評価されていることが示された。第2に,沖縄県産さとうきびから生産されたバイオエタノール,沖縄県内の風力発電で得られた電力を使用することによって,バイオエタノール使用車および電気自動車の評価はさらに高まることが示された。第3に,特定層に偏らず観光客の広い層で県内産のクリーンエネルギーの「地産地消」について理解が得られる可能性があることが示唆された。
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