農産加工技術研究會誌
Print ISSN : 0369-5174
2 巻, 4 号
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  • 炭酸石灰による精製について
    市川 昭三, 山崎 茂
    1955 年 2 巻 4 号 p. 141-146
    発行日: 1955/09/20
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    1) りんご清澄果汁沈澱防止を目的として金属塩による精製につき実験し,炭酸石灰を用いて製造試験を行つた。
    2) 清澄果汁の溷濁および沈澱を生成する膠質物は,金属イオンにより特に2, 3価イオンのAl, Ca, Mg, Mn, Cu, Zn, Pb, Fe等によつて凝析を容易に生成する。
    3) 炭酸石灰では0.3%量用い,加熱し,熱時濾過する事により膠質を有効に除去できた。この場合炭酸石灰添加後短時間にて膠質の除去処理する場合,濾液はなお幾分溷濁するが,長時間(12~24時間)になるに従い,この溷濁は減少する。実際においてこの溷濁は脱Ca後加熱する事により容易に凝析するので,添加後間もなく(1時間位)加熱により膠質を除去してよい。
    4) 過剰のCa (Ca処理による膠質除去)は蓚酸により蓚酸石灰として除かれる。除去する限度は原果汁のpHを目標とする。炭酸石灰が0.3%加えられた場合,蓚酸は約0.25%で大部分除去される。
    5) Ca除去不足等によつて酸を添加する場合,容易に溷濁を生ずるので,添加後一旦加熱冷却後濾過して壜詰するのがよい。この壜詰温度は前者より低く行うがよい。酸として,クエン酸,酒石酸は石灰塩として析出するので,コハク酸が適当であるう。
    6) 本法により得られた果汁は色沢において,普通果汁と変りなく,また処理による加熱臭も附さない。食味は処理による異味が附さないが幾分旨味が減じている様である。処理による栄養成分の減少は稀釈される事の外大なる変化がない様である。
  • (第1報) 蚕豆蛋白のcurd製造に就て
    松本 照代, 鈴木 裕
    1955 年 2 巻 4 号 p. 147-151
    発行日: 1955/09/20
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    1) 完熟蚕豆中30%含まれている蛋白質を抽出し塩類で凝固させ大豆の豆腐に似たカードを製造してみた。
    2) 蚕豆中の含窒素物は水で82%, 0.2% NaOHで95%抽出される。抽出された蛋白質を凝固させるには90℃以上にする事が不可欠の条件である。尚凝固剤を加える時の温度は50℃以上であれば凝固するが,外観上の組織は70℃前後の時加えた物が豆腐に一番よく似ている。
    3) 加える凝固剤はMgCl2, MgSO4, CaCl2, CaSO4を用いたがMgSO4が小量で凝固を起させたが出来た凝固物のなめらかな点ではCaSO4が一番良かつた。4) 抽出された含窒素物は凝固剤CaCl2で80%凝固し,凝固剤の濃度が増しても窒素の割合に変化がなかつた。
    5) 出来たカードと上澄液の成分を調べた。カード中の含窒素量に蛋白質算出窒素係数6.25をかけると100 %を越すので蛋白質の窒素含有量が16%より多いのではないかと思われた。カード中の脂肪は非常に少量であつた。
  • 服部 達彦
    1955 年 2 巻 4 号 p. 151-155
    発行日: 1955/09/20
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    柑橘類の生長に伴う果実成分の変化については既に欧米に於て多数発表きれており1)2)15),吾が国に於ても夏柑については小松氏等3)4)5)の生化学的研究,最近では果汁の製造を目的とした野村氏6)7)8)の報告がある。尚温州及び夏柑について主に農学方面での研究が既に行われておる13)が詳細な報告は未だ見ていない。果実の生長は産地,気候,風土,肥培条件の他に一本の樹について見ても結果の位置及び状態によつて皆夫々異つて来るので限られた試料の分析結果を以つてそのまま全体を判断することは避けなければならない。併し乍ら和歌山県内,特に日高郡の夏柑にその主原料を求めている当社に於ては,此の地域内の夏柑について調査することは品質管理の面にも大いに参考になると考えられる。
    そこで当研究室では,1952年11月より1953年6月迄,8ヶ月間にわたつて近傍の柑橘園の夏柑樹3本を選定し,諸成分の測定を行い,生長に伴う変化と樹別による差違を観察し,今迄に発表された実験結果との比較を行つたので報告する。
  • 中村 延生蔵
    1955 年 2 巻 4 号 p. 156-158
    発行日: 1955/09/20
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    栃木県における干瓢の耕作面積は2500~3000町,その生産量は70~80万貫に達し,生産農家戸数は1万数千軒,年間総収金額は10億円余に及んでいる。しかしながら干瓢はよく水分を吸収し,変色し,或は黴が生えたりして,良い製品でも保管が悪いと害虫に侵害され,非常に品いたみし易い。殊に小売店頭に長い間きらされると褐色になつたり黒変したりして商品的価値が著しく損われる場合が少くない。干瓢の生産者価格と消費者価格とに大きな相違のあるのもこうした事によると言われている。干瓢のこうした変質し易い性質を防止し,しかも食味その他品質を低下せしめることなく,保存性を強化することが出来れば,干瓢の価格も安定し,もつと大衆的な食品となることと思われる。
    近年干瓢の品質を高め,品いたみを防止し保存性を強化することを目的として硫黄燻蒸による漂白が行われている。併し硫黄燻蒸によつて,干瓢中に相当量の亜硫酸が残存することが予想される。食品中の亜硫酸については食品衛生法によつて許容量が限定され,規定量以上含有するものは販売禁止されている。乾杏の1kg中1gを除いて一般食品は,1kg中30mg以下でなければならない。硫黄燻蒸した干瓢は許容量以上に含有しているから,硫黄燻蒸は保存性の強化に役立つとしても,その加工処理については充分考慮されなければならない筈である。そこでいろいろ試験したが今回の試験によつて硫黄燻蒸時の硫黄の使用量と含水量の漂白効果に及ぼす影響並びに多量の亜硫酸を含有する干瓢でも,浸水し水洗することによつて完全に亜硫酸が除去されることが確認され,硫黄燻蒸による漂白をしても実害のないことが実証されたので,茲に報告する次第である。硫黄燻蒸して漂白した干瓢の食味については,必要量の数倍量の硫黄を使用して漂白したものでも,殆んど差異も劣化も認められないことが,多くの人によつて確認されたことを附言する。
  • 重山 俊男
    1955 年 2 巻 4 号 p. 159-160
    発行日: 1955/09/20
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
  • 栗原 勇, 古田 守夫
    1955 年 2 巻 4 号 p. 160
    発行日: 1955/09/20
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
  • 中村 延生蔵, 岡川 正雄
    1955 年 2 巻 4 号 p. 161
    発行日: 1955/09/20
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
  • 古田 守夫
    1955 年 2 巻 4 号 p. 162-167
    発行日: 1955/09/20
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
  • 食品加工の領域に於ける
    中野 政弘
    1955 年 2 巻 4 号 p. 167-177
    発行日: 1955/09/20
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
  • 1955 年 2 巻 4 号 p. 178-184
    発行日: 1955/09/20
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
  • 1955 年 2 巻 4 号 p. 185-187
    発行日: 1955/09/20
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
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