本研究は,精神科作業療法(精神科OT)における対象者の行動特性や能力障害を評価する活動特性尺度(Activity Profile Scale for Patients with Psychiatric Disorders:APS)を開発し,その因子構造,内的整合性,信頼性を検証することを目的とした.APSは,「意欲」,「理解力」,「集中力」,「作業力」,「交流」,「協調性」の6項目を5段階で評価する尺度として構成された.活動特性尺度は,精神科OTに従事する専門家よる内容妥当性を満たし,因子分析にて1因子構造を有することが確認された.また,統合失調症,うつ病,双極性障害を有する161名の患者を対象として尺度の内的整合性と信頼性を検討した結果,Cronbachのα係数は0.84であり,intraclass correlation coefficient(ICC)は0.85だった.以上の結果より,APSは十分な内的整合性および信頼性を有することが示唆された.本研究において開発したAPSは,様々な疾患を有する患者に対する精神科OTの効果判定に貢献できる可能性があると考えられた.