体力研究
Online ISSN : 2424-2322
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最新号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • 川上 諒子, 藤井 悠也, 北濃 成樹, 和田 彩, 甲斐 裕子, 荒尾 孝
    2023 年 121 巻 p. 1-10
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/09/08
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
  • 野田 隆行, 渡邊 裕也, 兵頭 和樹, 川上 諒子, 山口 大輔, 西田 純世, 甲斐 裕子, 荒尾 孝
    2023 年 121 巻 p. 11-17
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/09/08
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
  • 兵頭 和樹, 城所 哲宏, 山口 大輔, 飯田 倫崇, 渡邊 裕也, 上野 愛子, 野田 隆行, 西田 純世, 河原 賢二, 甲斐 裕子, ...
    2023 年 121 巻 p. 18-28
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/09/08
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    背景:新型コロナウイルス感染症の流行により,高齢者の社会的交流や身体活動の機会が減少しており,健康への悪影響が危惧されている。その解決策として,ビデオ会議プラットフォームを通じたオンラインの集団型運動教室が有用であると考えられる。そこで,高齢者が自宅で簡単に,安全に,楽しく実践できる運動プログラムとして,短時間で低強度のエアロビックダンス運動プログラムを開発した。この運動プログラムの有効性を検討する前に,高齢者を対象に,プログラムの実行可能性,安全性,楽しさ,オンライン運動教室配信システムのユーザビリティなどを調べる必要がある。 目的:本研究は,高齢者を対象としたオンラインのエアロビックダンス運動プログラムの実行可能性,安全性,楽しさ,およびビデオ会議プラットフォームを用いた運動教室配信システムのユーザビリティを検証することを目的とした。 方法:本研究は,単群のパイロット試験として実施した。16名の高齢者が,8週間,平日毎朝午前8時30分から20分間,ビデオ会議プラットフォームを通じて配信されるエアロビックダンス運動プログラムに自宅から参加した。プログラムの実行可能性について,継続率および遵守率を測定した。安全性については,心拍数から算出される運動強度の指標である心拍予備率と,運動中の有害事象の発生件数で評価した。運動プログラムの楽しさは,1週目,3週目,6週目,8週目の教室終了後に電話インタビューで取得した,0(全く楽しくない)から10(非常に楽しい)までの11段階のリッカート尺度によって評価した。システムの使いやすさについては,ビデオ会議プラットフォームを使って運動教室に入るまでのシステムの使いやすさを,8週間の介入後の電話インタビューで聞き取り評価した。 結果:高血圧の女性参加者1名が,1週目から運動教室参加前に非常に高い収縮期血圧(180 mmHg以上)を継続して報告したため,2週目に実験から辞退した。そのため,継続率は93.8%(15/16名)であった。残った15名の参加者では,全体の遵守率の中央値(IQR)は97.4%(94.7-100)であった。安全性については,エアロビックダンス運動中の平均(SD)心拍予備値は29.8(6.8)%であり,運動は超低強度から低強度の比較的安全な強度で行われたことが示された。また,運動中の有害事象はなかった。教室の楽しさのスコア(0~10点)に関しては,第1週(6.7 [1.7])に比べて第6週(8.2 [1.3])と第8週(8.5 [1.3])で有意に増加した。ユーザビリティについては,11名が介入当初はタッチパネルの基本操作や不慣れなアプリケーションの使用などに困難さを感じていたが,介入期間中に全員が慣れ,最後は困難を感じなかったことを報告した。 結論:本研究では,高齢者を対象としたオンラインのエアロビックダンス運動プログラムの高い実行可能性(継続率や遵守率),楽しさ,安全性が示された。また,運動教室配信システムには,大きな問題はないものの,いくつかの改善点が見つかった。本研究で開発したオンライン運動教室プログラムは,高齢者の身体的・社会的活動の増加に貢献する可能性がある。
  • 北濃 成樹, 甲斐 裕子, 神藤 隆志, 藤井 悠也, 角田 憲治, 荒尾 孝
    2023 年 121 巻 p. 29-48
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/09/08
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    目的:先行研究から,身体活動(physical activity: PA)や座位行動(sedentary behavior: SB)と健康アウトカムの関連性はその行動が仕事中のものかどうかによって逆転することが報告されている。しかし,これまでに1日の時間利用における相互依存性を考慮したうえで,オフィスワーカーのドメイン別身体行動と心血管代謝系の健康の関連性を検討した研究はない。そこで我々は,加速度計で測定したドメイン別(勤務時間,勤務日の非勤務時間,非勤務日)のPAおよびSBとオフィスワーカーの心血管代謝系の健康指標の関連について,組成データ解析を用いて検討した。 方法:この横断研究は1258人の日本人オフィスワーカーを対象とした。SB,低強度PA(light-intensity PA: LPA),中高強度 PA(moderate- to vigorous-intensity PA: MVPA)の時間を加速度計により評価した。心血管代謝系の健康指標には定期健康診断のデータを用いた。 結果:組成データ解析による重回帰分析の結果,勤務時間中や非勤務日の行動ではなく,平日の非勤務時間中のPAやSBが心血管代謝系の健康と有意に関連した。特に,非勤務時間中の SB を減らして,代わりにLPAやMVPAの時間を増やすことは,それぞれcardiometabolic risk score や脂質代謝指標の好ましい変化と関連した。一方,LPA時間と拡張期血圧の関連性において,非勤務時間中は良好に関連し(β = 1.61; 95%信頼区間[CI] = 0.02, 3.19),仕事中は有害的に関連する(β = -2.48; 95% CI = -4.87, -0.09)という相反する結果が得られた。 結論:我々の結果は,オフィスワーカーの心血管代謝系の健康管理には,平日の非勤務時間におけるSBの軽減とPAの増加が有効である可能性を示唆するものであった。今後,組成データ分析を用いた縦断的研究により,我々の結果を確認することが必要である。
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