日本特別活動学会紀要
Online ISSN : 2436-9233
Print ISSN : 1343-7151
31 巻
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《特集》GIGAスクール構想の実現と特別活動―遠隔・オンライン教育、ICTを活用した特別活動の実践―〈小学校I〉
《特集》GIGAスクール構想の実現と特別活動―遠隔・オンライン教育、ICTを活用した特別活動の実践―〈小学校Ⅱ〉
《特集》GIGAスクール構想の実現と特別活動―遠隔・オンライン教育、ICTを活用した特別活動の実践―〈中学校I〉
《特集》GIGAスクール構想の実現と特別活動―遠隔・オンライン教育、ICTを活用した特別活動の実践―〈中学校Ⅱ〉
《特集》GIGAスクール構想の実現と特別活動―遠隔・オンライン教育、ICTを活用した特別活動の実践―〈教育委員会〉
研究論文
  • —中学校における学級目標の作成プロセスに着目して—
    京免 徹雄
    2023 年 31 巻 p. 29-38
    発行日: 2023/03/31
    公開日: 2023/04/13
    ジャーナル フリー

    本研究の目的は、日仏の中学校における学級目標の作成プロセスを分析し、市民性育成に向けた学級活動の機能を比較することで、日本の国際的特質を明らかにすることである。フランスでは、校則を内面化する活動として学級生活憲章の制定が行われている。生徒の憲章案を分析すると、その内容は社会契約としての性質が強く、大部分が校則と一致していた。つまり、共和国の価値を生徒が活動を通して内面化する「社会化モデル」の市民性教育が展開されている。それに対して日本では、学級目標は生徒個人の多様な価値を編み直した倫理契約である。疑似社会において直接民主主義によって学級文化を創造しており、「文化化モデル」としての特徴をもつ。

  • —カントの多元主義を手がかりに特別活動の理論を検討する試み—
    塚野 慧星
    2023 年 31 巻 p. 39-47
    発行日: 2023/03/31
    公開日: 2023/04/13
    ジャーナル フリー

    本稿では、近代の哲学者であるカントの多元主義を手がかりに、児童生徒が互いのよさや可能性を発揮することのできる集団活動のあり方を実現するため、集団活動を「冷ます」ことの意義を論じている。活動が盛り上がるなかで熱を帯びる集団活動を適度に抑制することを指すこの実践は、児童生徒が自他について冷静に反省を行うための機会を用意し、互いのよさや可能性を発揮しやすい環境を整えるものである。同実践は、特別活動研究一般において目指されているような、児童生徒の相互作用を豊かにするものとは別なる方向において、集団活動のより良いあり方を実現するための第一歩となりうるものである。

  • —学校・家庭要因、運動会での役割発揮を考慮に入れた検討—
    久保田(河本) 愛子
    2023 年 31 巻 p. 49-58
    発行日: 2023/03/31
    公開日: 2023/04/13
    ジャーナル フリー

    本研究では、コロナ禍(2020年度)における小学校の運動会の中止や縮小が次年度(2021年度)の社会参画意識の低さを予測するか検討を行った。小学3-6年生とその保護者を対象にオンライン調査を行った結果、2020年度に運動会で児童の主体性が損なわれていた学校ほど、児童が運動会で役割発揮をしにくく、次年度の社会参画意識が低い傾向にあることがわかった。ただし、コロナ前に運動会に力を入れていた学校の児童ほど、2021年度の社会参画意識が高い傾向にあり、その関連は家庭背景や運動会の縮小状況を考慮しても、なお見られた。ここから、コロナ前の児童の運動会体験の蓄積が、運動会縮小のもたらす負の影響のバッファーとなっている可能性も示唆された。

実践論文
  • 中野 真悟
    2023 年 31 巻 p. 59-68
    発行日: 2023/03/31
    公開日: 2023/04/13
    ジャーナル フリー

    「道徳性に係る成長の様子」の評価の在り方を、道徳科だけでなく特別活動においても検討する必要があると考え、特別活動で実践研究を実施した。そして、特別活動における活動において道徳性を評価し、指導を改善することの可能性について考察した。特別活動における資質・能力を、三つの柱に整理して観点別評価することで、「道徳性に係る成長の様子」に関する評価について考察できた。特別活動の【知識・技能】【思考・判断・表現】【主体的態度】の観点別評価を考察したことで、現場の教員が道徳科でも教科横断的に指導を改善する手立てを検討することができた。

  • ~パターン・ランゲージとその活用に焦点を当てて~
    石黒 友一
    2023 年 31 巻 p. 69-77
    発行日: 2023/03/31
    公開日: 2023/04/13
    ジャーナル フリー

    本研究は、学級活動に創造的な学び(Creative Learning)を実現する方法の一つであるパターン・ランゲージを取り入れた実践である。「学級で気持ち良く過ごすためのコツ」をパターン・ランゲージとして生徒自身が創りだし活用することを通して、学級での生活上の課題を発見し、生徒同士が話し合うことで課題を共有し、改善の具体策を考え行動することで、学級での生活を生徒の主体的・対話的で深い学びを伴いながら改善することができた。これらの活動を通して、学習指導要領が示す資質・能力の育成につなげることができ、パターン・ランゲージを活用した創造的な学び(Creative Learning)の実践が学級活動において有効な手段の一つであることが示唆された。

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