21世紀における持続可能な経済社会の創造に向けて
Online ISSN : 2436-7028
1 巻, 4 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 2021 年 1 巻 4 号 p. i
    発行日: 2021年
    公開日: 2023/10/13
    研究報告書・技術報告書 フリー
  • 桑名 義晴
    2021 年 1 巻 4 号 p. 1-9
    発行日: 2021年
    公開日: 2023/10/13
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    企業は持続的な成長・発展を最大の目的にする組織である。しかし、それを長年にわたって実現させるのは容易ではない。企業は絶えず時代や社会の潮流や変化を洞察し、イノベーションに挑戦しつつ進化を遂げなければ持続的な成長・発展を続けることはできない。巨大な多国籍企業といえども例外ではない。このため、多国籍企業も絶えずイノベーションに挑戦してきている。

    多国籍企業のイノベーションは、最初は本国の親会社を中心にして行われていたが、その後海外子会社でも行われ、そしてまた他企業との提携、さらに近年では世界の多様な組織ともコラボレートするビジネス・エコシステムを構築して行われるようになってきている。本稿では、このような多国籍企業の持続的な成長・発展のために不可欠なイノベーションについて、企業の進化の視点から、どのように進展してきたのかについて論述する。

  • ─技の文化的価値に着目して─
    後藤 和子, 高島 知佐子
    2021 年 1 巻 4 号 p. 11-20
    発行日: 2021年
    公開日: 2023/10/13
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    本稿は、文化経済学の視点から伝統工芸をクリエイティブ産業と捉え、刃物産業を事例に持続可能な経済と文化の関係を考察したものである。播州三木打刃物、播州刃物、越前打刃物の3つの産地の事例から、(1)事業所・職人を超えた後継者育成がなされ、産地内の横のつながりが働きやすさや新しい活動につながっていること、(2)海外展開が職人の技の価値に気づく機会になっていることが明らかとなった。これにより、後継者育成、海外展開の双方における、技という無形のコンテンツ、技の文化的価値の重要性を示した。一部の産地では、過去の技の研究や再現といった技の文化的価値を追求する活動も生まれており、このような取り組みが新しい製品を生み出す創造の源泉となり、商標等と結びついて経済的価値を生み、観光等の新たなサービスを生み出す可能性をもつことを提示した。

  • 西澤 信善
    2021 年 1 巻 4 号 p. 21-27
    発行日: 2021年
    公開日: 2023/10/13
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    本稿は本学会が主たる研究対象としているアジア経済についてその持続可能性について検討したものである。アジア経済が持続的な発展を遂げるためには、何よりもまず平和で安定的な国内・国際環境を必須とする。しかしながら、アジアでは中国におけるウイグル自治区、香港、台湾などをめぐる内政問題、東・南シナ海への海洋進出、北朝鮮の度重なるミサイル発射、ミャンマーの軍事クーデターさらにアフガニスタンにおけるタリバンによる政権奪取などが生じており、同地域をきわめて不安定化させている。これらの問題は展開次第ではアジア経済の持続性を損なう可能性がある。

    経済についてみよう。中国経済が改革開放に転じて以来ほぼ30年にわたって高度成長を持続させた。2010年にはGDPで日本を追い抜いて世界第2位の経済大国になり、そしてアジア経済の中心に躍りでた。また、アジアでは経済面の統合も進んだことにより各国経済は緊密に結びついている。その結果中国経済の動向がアジア全体に大きな影響を及ぼすようになっている。その中国が格差是正のためにとった政策による不況や少子高齢化などにより成長力が落ちてきている。

    本稿はこれらの二つの要因につきアジア経済の持続可能性を検討したものである。

  • 前田 章
    2021 年 1 巻 4 号 p. 29-35
    発行日: 2021年
    公開日: 2023/10/13
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    本稿では持続可能な経済社会の創造という脈絡で、気候変動政策問題に焦点を当て、そうした問題に対して経済理論と分析手法がいかに重要な役割を果し得るか、そして実際に果たしているか論証したい。気候変動は、それ自体は地球物理という自然科学の領域であり、これまで経済学と組み合わせるということがまったくなされなかった領域である。また、その経済への影響は経済学的には環境外部性であり、その点では従来の経済理論の範囲に収まるものである。しかしながら気候変動の空間的・時間的スケールに鑑みれば、この問題は従来の経済学の分析方法ではまったく手に負えない課題となっている。そうしたなかで、新古典派最適経済成長モデルに自然科学の知見に基づく気候モデルを組み合わせて、汎用性の高い形の経済モデルを提示した研究がある。それは2018年ノーベル経済学賞となったノードハウス博士のDICEモデルであり、これを起点とした統合評価モデルである。本稿ではこうした研究の事例を通して、経済モデル分析の意義と役割について考察する。

  • 2021 年 1 巻 4 号 p. App1
    発行日: 2021年
    公開日: 2023/10/13
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  • 2021 年 1 巻 4 号 p. ii
    発行日: 2021年
    公開日: 2023/10/13
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