本研究は仏教に根差したユニークな活動に取り組む若手僧侶を事例とし、日本において仏教を開かれたものとしていく方策を探るものである。日本において多くの人が日々苦悩を抱えて生きているが、仏教や僧侶がそれに対して果たしている役割はあまりに小さい。長く苦悩に応じてきた仏教が現代社会においてその可能性を発揮すべく、仏教を開かれたものにしていく手がかりを探ることを目的として本稿は執筆された。 <br>　本研究のフィールドはフリーマガジンの発行を主な目的として、超宗派の若手僧侶が集まった組織、「フリースタイルな僧侶たち」である。僧侶である筆者は組織のメンバーの一員として、他のメンバーと共に僧侶との対話イベント「アラサー僧侶とゆるーく話す会」への参与観察を行い、多方面から活動をリサーチした。 <br>　フィールドワークを通して、主催者である若林氏の語りを聞き、イベント開催に到るまでの背景や、今までの展開を文章化した。彼は、「フリースタイルな僧侶たち」の活動に携わる中で、一般人の視点の重要さに気付き、苦悩を抱えて生きる人々に応答するために「アラサー僧侶とゆるーく話す会」の場をつくってきたという。また、筆者が僧侶として活動に参加する中で、イベントの参加者が日常抱えている苦悩を気負うことなく語る場が構築されていること、僧侶として苦悩を抱えた人の前に座る意味や、参加者の苦悩にひたすら耳を傾けることの必要性を描き出した。<br>　 「アラサー僧侶とゆるーく話す会」では苦悩を受容する場が構築されている。参加する僧侶は一般の参加者に近い立場をとりつつ、真摯に苦悩に耳を傾けている。参加者に対しての一方的な語りではなく、双方向的なコミュニケーションを促すことで、僧侶と参加者が共に学びあう関係性が構築されている。一般人の視点に立つという意識のもとに苦悩を聞き入れ、それを僧侶自身の成長の糧とするあり方こそ、仏教を開かれたものにしていく実践になると考察した。

    What is food porn? What does it look like and why is a food image associated with pornography? Does the Japanese boom of "hae" (visually appealing) gourmet food and desserts equivalent to food porn? "Food porn" is a particular mode of representing food in which various techniques, such as contrasting colors, slow motion, close-ups, and framing, are used to exaggerate the food’s aesthetically pleasing aspect and affective impact on viewers. An image (a work or television program) that employs such techniques can also be referred to as food porn. After locating the topic within a larger theoretical framework of mediatization, this article explores the arguments of several well-known food porn research in the US and the UK. The launch of Food Network, a famous television station, in 1993 is considered by previous research as a significant backdrop for the industrialization of food porn. Chan (2003) uses the term "pornography" as a metaphor to describe typical plot lines and characters in food shows that are, in his view, similar to sexual porn. Kaufman (2006) extends Chan’s points by examining the shooting of a Food Network cooking show, audience demography, and the visual grammar of food programs parallel to sexual porn. McDonnell (2016) explains in detail the characteristics of the gaze constructed by, and the scheme of, food porn images. Ibrahim (2015) contextualizes the popularity of user-generated food images on SNS within everyday media practices. I agree with Ray (2007), who is suspicious of the use of sensational terms to critically analyze media representations of food. However, it is noteworthy that Japanese SNS users and cooking magazines employ in their food images the same visual techniques that are framed as food porn by McDonnell. Hypothetically, this might show that the typical way of portraying food in the Food Network shows has been disseminated so widely that it impacted people who do not directly watch their programs.

多くのハードメーカーは高解像度（ハイレゾ）の高速インクジェット輪転機を市場に投入してきた。これはビジネスフォーム印刷の延長としてのダイレクトメール印刷から，商業印刷，出版印刷業界へ本格的に参入していくための布石でもある。更に「如何にしてオフセットコート紙に水性インクで印刷するか」の試みをソリューション提案してきた。その手法は大きく3 つに分かれ，①プライマー処理方式，②一切の前処理のない直描方式， ③中間転写方式，である。

印刷市場はウェブメディアなどに押されて需要が逓減している一方で，「紙の価値」が見直され始めている。 何故なら，紙メディアは「五感に訴える」ことができるからである。このことは北米のカタログ需要の高まりについて取り上げた大手マスメディア（The Wall Street Journal，The New York Times, Harvard Business Review）の記事からも伺い知れ，国内でもダイレクトメールが改めて注目されていることが日本郵便などから報告されている。但し，それらは「必要なときに，必要なところへ，必要なものを，必要なだけ」届けられることが前提である。つまり，デジタル印刷ソリューションのひとつとして求められているわけで，決して版から起こして大量にばらまくようなマスプロの印刷物ではない。多くのマーケッター達は，紙の印刷物の方がウェブマーケティング単独よりもはるかに「顧客に刺さる」ことに漸く気づき始めた。

このような紙の印刷物への回帰を検証するために，我々は実際にリアルコンテンツを利用して，ある社会人のスポーツ大会公式パンフレットのパーソナライズ化を試みた。データで紐付けして，デザイン制作から発送までを関わってみた結果知り得たことを制作工程と併せて紹介する。