近年, 摂食障害は小児期発症から中年期発症までみられるようになり, ますます多様化している.他方, 児童精神医学の分野では
アスペルガー障害
が注目を集めている.このような中で
アスペルガー障害
をもともと有していたと思われる神経性無食欲症(AN)患者を経験したので報告した.2例ともANで受診したことにより, 初めて
アスペルガー障害
の存在も明らかになった.2例ともDSM-IVの診断基準に基づいてAN,
アスペルガー障害
と診断され, また
アスペルガー障害
の特徴はANの発症に関与していた.
アスペルガー障害
では, 相互的人間関係, 言語的・非言語的コミュニケーション能力, 限定された行動・興味・活動が問題になるが, ANの治療過程において, これらの問題, 特徴を意識した対応が必要であった.今後,
アスペルガー障害
を伴った摂食障害の増加も予想され, 新たな視点も必要になってきている.
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