市販調理済カレー23点の脂肪酸組成と,遊離脂肪酸の分析を行った.脂肪酸組成より,使用している原料油脂の推定を行うと共に,9成分を特性として,特性間の相関行列に主成分分析を適用し,カレーの脂肪酸についての特徴を解析した.
1. 脂肪酸組成については,各脂肪酸の平均組成は,ラウリン酸1.4%,ミリスチン酸2.6%,パルミチン酸23.8%,パルミトオンイン酸2.7%,ステアリン酸10.3%,オレイン酸44.4%,リノール酸11.3%,リノレン酸1.4%,未定性酸2.3%であった.使用している原料油脂の推定は,脂肪酸組成より4つの特徴あるグループに大別された.
2. 脂肪酸組成の主成分分析では,第1主成分はラウリン酸の成分として,第2主成分はリノレン酸の成分であることがわかった.
3. 遊離脂肪酸については,各脂肪酸の平均含量は,ラウリン酸8.0mg/100g,ミリスチン酸7.6mg/100g,パルミチン酸25.0mg/100g,パルミトオレイン酸2.0mg/100g,ステアリン酸6.5mg/100g,オレイン酸40.2mg/100g,リノール酸20.2mg/100g,リノレン酸1.8mg/100g,未定性酸1.6mg/100gであった.
4. 脂肪酸組成と遊離脂肪酸組成の割合を比較すると,脂肪酸組成の大きい脂肪酸が多く遊離する傾向がみられた.
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