日本食品低温保蔵学会誌
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タマネギの貯蔵中の品質変化と炒めタマネギとしての適性
永井 耕介澤 正樹吉川 年彦岸本 基男山田 正敏中川 裕八郎伊佐 定夫
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1992 年 18 巻 4 号 p. 141-147

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抄録
品質の良いタマネギ加工品の周年安定供給をはかる目的で, 淡路産タマネギの貯蔵中の外観並びに内容成分の変化を調査した。さらに, 淡路産貯蔵タマネギを中心に妙め加工適性を調べた。
1. 淡路産5品種の中では6, 8, 9月にショ糖含量の最も高かった'もみじ3号'において肩落ち球・腐敗球の発生が最も少なかった。
2. タマネギの全糖, ショ糖は収穫後のつり玉及び冷蔵期間中に減少したが, 特にショ糖の減少は著しかった。還元糖は逆に冷蔵中に増加する傾向にあった。還元糖の増加はショ糖から果糖・ブドウ糖への転化が生じたものと考えられる。
3. 炒めタマネギの3回の官能評価の結果, 淡路産の4品種が味・香り・硬さに関して比較的高い評価を得た。
4. 品質の良い炒めタマネギの素材として貯蔵期間を通じて長期間使用するには貯蔵性や加工適性から判断して淡路産の'もみじ3号'が最も適していた。
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