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クエリ検索: "オナガザル科"
166件中 1-20の結果を表示しています
  • 中務 真人, 國松 豊
    Anthropological Science (Japanese Series)
    2012年 120 巻 2 号 99-119
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/12/21
    [早期公開] 公開日: 2012/12/06
    ジャーナル フリー
    この総説は,中新世以降のアフリカにおける「ヒト上科」(正確には,広くオナガザル上科以外の狭鼻類:非オナガザル狭鼻類)の衰退には,オナガザル上科との競争が影響したという仮説の検討を行った。化石記録の見直しでは,後期中新世の初頭までは,オナガザル上科の放散も,非オナガザル狭鼻類の衰退も認められない。
    オナガザル科
    の放散と非オナガザル狭鼻類の衰退は,おそらく同じ時期(1000~700万年前:10–7 Ma)に起こったと考えられる。10 Maまでに森林性のコロブス亜科と(おそらく)オナガザル亜科が現れ,未熟果も消費可能な果食者として,非オナガザル狭鼻類の(潜在的)競争者となった可能性も支持される。r戦略をとった
    オナガザル科
    は,後期中新世以降の環境悪化の下では,K戦略者だったと考えられる大型の非オナガザル狭鼻類よりも有利な立場に立ったであろう。しかし,
    オナガザル科
    と非オナガザル狭鼻類が直接の競争により入れ替わったのかどうかについては不明である。10–7 Maの間,東アフリカでは,C3環境からC4環境への移行が起こった。この変化は,非オナガザル狭鼻類の多様性・集団サイズに直接影響を与えたかもしれないし,霊長類コミュニティにおける種間関係に影響したかもしれない。これらを正しく推定するには,10–7 Maの
    オナガザル科
    (とりわけ森林性オナガザル亜科)と非オナガザル狭鼻類の豊富な化石記録が必要である。
  • *菊池 泰弘, 中野 良彦, 中務 真人, 國松 豊, 清水 大輔, 荻原 直道, 辻川 寛, 高野 智, 石田 英實
    霊長類研究 Supplement
    2012年 28 巻 P-08
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/11/01
    会議録・要旨集 フリー
     Nacholapithecus kerioiはケニア北部、ナチョラ村で発見された約1500万年前の化石類人猿である。今回、2001・2002年度に発見された上位~中位の胸椎3標本について報告する。KNM-BG 42763D標本は、その形状から第1~2胸椎と推定された。椎体長に対して椎体高が非常に低く、左上関節突起は丸い形状で頭側に伸びており、テナガザルにやや類似しているように見えた。また、上関節突起の関節面は背外側を向き、椎体の尾側関節面は腹側にやや突出していた。上位胸椎と思われるKNM-BG 48094標本は、椎体の頭側関節面形状はヒヒに類似し、椎弓と棘突起は椎体サイズ比で分厚くしっかりとした作りとなっていた。椎孔の形状においてもヒヒに似ており、横突起は変形のためか若干背尾側に傾いているもののほぼ外側を向いていた。左右の上関節突起は現生の
    オナガザル科
    や大型の新世界ザルに似てお互いがやや離れており、下関節突起の下端は背尾側に伸長していた。KNM-BG 44954B標本はその形状から中位の胸椎と考えられた。椎体の頭側関節面形状は細長いハート型でヒヒやコロブスに似ており、変形の影響から正確な観察は難しいが、横突起は背外側を向いていた。上関節突起は頭側に顕著に突出することはなく現生の
    オナガザル科
    のものに類似し、横突起基部の頭尾長は比較的長かった。頭側と尾側の椎体関節面はどちらも腹側に突出していた。Nacholapithecus上~中位胸椎標本においては、どちらかと言うと現生の
    オナガザル科
    に似た特徴が随所にみられることが示唆された。本研究は科学研究費補助金(#20247033)の助成で遂行され。
  • *松田 一希, 張 鵬, Swedell Larissa, 森 梅代, Tuuga Augustine, Bernard Henry, Sueur Cedric
    霊長類研究 Supplement
    2012年 28 巻 A-21
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/11/01
    会議録・要旨集 フリー
     
    オナガザル科
    に属するいくつかの霊長類種では、重層的な社会を形成する。これは、複数の群れが集まりさらに高次の社会を形成するというものである。重層社会を形成する
    オナガザル科
    のサルに共通するのは、群れの基本単位が、単雄複雌の群であるという点である。重層社会の種間比較研究の多くは、単雄複雌の群れ間の関係性に着目して進められてきた。ところが、単雄複雌の群れ内の個体間の関係性に着目し、それを定量的に種間比較した研究例は今までにない。霊長類の重層社会を理解する上で、その根幹をなす最少ユニットである単雄複雌の群れ内の個体間関係を比較することも、群れ間の関係性を比較する研究と同様に重要である。本研究では、重層社会を形成することが報告されているコロブス亜科2種(テングザル、キンシコウ)と、オナガザル亜科2種(マントヒヒ、ゲダヒヒ)の単雄複雌の群れ内の個体間の社会交渉を、ソーシャルネットワーク分析を用いて比較・検討した。これら4種において、群れ内の個体間で観察された社会交渉をもとに、オスとメスの中心性を比較したところ、コロブス亜科とオナガザル亜科で明確な違いが見られた。コロブス亜科2種では、社会交渉の中心はメスであるのに対して、オナガザル亜科2種ではオスが、その中心となっていることがわかった。これらの違いは、オナガザル亜科に比べてより頻繁に報告されている、コロブス亜科のメス間でよく見られる、アロマザリング行動が影響している可能性が示唆された。この他にも、クラスター指数やクラスター解析の結果から、それぞれの種における個体間の社会交渉の傾向が、各種の性分散様式とどのように関係しているのかも考察する。
  • 石川 雅章, 舩山 研司
    小児歯科学雑誌
    1994年 32 巻 3 号 444-453
    発行日: 1994/06/25
    公開日: 2013/01/18
    ジャーナル フリー
    ヒト咬合の多様性や顎・顔面頭蓋形態変異が広い原因を系統発生学的に考察する目的で,ニホンザルとヒトとの比較研究を行った.資料はニホンザル20頭,ヒト20名の経年的側貌頭部X線規格写真である.資料間隔(0,1,2歳と4,6,8歳)は歯牙年齢により対応させた.両者の顎・顔面頭蓋各部の線分析と角度分析,また各計測点の座標値の成長量について因子分析を行い,以下の結論を得た.
    線分析から,サルでは全ての項目に両観察期間とも顕著な有意差が観察されたが,ヒトでは鼻上顎複合体の成長が先行し,特に下顎骨の高さが遅れた.角度分析から,サルでは両観察期間にわたる鼻上顎複合体と下顎骨前方部の旺盛な成長が観察されたが,ヒトでは両観察期間とも有意差は認められず,顎・顔面頭蓋はその枠組みをほぼ安定して保ちながら成長していた.因子分析の主な差異は,(1)前脳頭蓋底の成長の独立性と鼻上顎複合体の成長への関与,(2)鼻上顎複合体と下顎骨の前下方への一体となった成長,(3)下顎骨の独立した形態形成,に関する因子の認められる時期と数,大きさにみられた.以上から,ヒトの咬合や顎・顔面頭蓋形態に変異が広い一因は,乳歯列期の鼻上顎複合体と下顎骨が協調して発育する様式から,混合歯列期における鼻上顎複合体の前方成長が前脳頭蓋底の成長に規制され自由度が低く,下顎骨の形態形成に自由度が高い発育様式に変化していくことにあるのではないかと推察された.
  • アフリカの霊長類 I
    河合 雅雄
    アフリカ研究
    1979年 1979 巻 18 号 84-94
    発行日: 1979/03/30
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
  • 中務 真人
    Anthropological Science (Japanese Series)
    2009年 117 巻 2 号 111-117
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/12/25
    ジャーナル フリー
  • ―食性との関係について―
    鈴木 一憲, 永井 廣, 稲垣 晴久, 玉手 英夫
    哺乳動物学雑誌: The Journal of the Mammalogical Society of Japan
    1986年 11 巻 1-2 号 45-55
    発行日: 1986/05/10
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    27種の霊長類の胃粘膜について組織学的に比較した。胃粘膜を構成する噴門腺, 胃底腺, 幽門腺の分布は種により異なっていたが, 噴門腺の分布から大きく三型に分類した。I型は噴門腺粘膜が噴門部に狭く分布しているもの, II型は胃底部まで分布しているもの, III型は嚢状部と管状部からなる前胃に広く分布しているものとした。III型の噴門腺粘膜には他種の噴門腺粘膜には見られない絨毛状の突起が観察された。1型の胃を持つものはおもに果実食性や食虫性, II型は植物食性の強い雑食性, III型は葉食性であることが知られており, この三型の分類は食性と関係があると考えられた。また胃底腺粘膜について計測し比較すると, 粘膜の厚さと胃底腺の長さに強い相関がみられた。II型の胃粘膜では1型に比べて胃底腺が長く, 腺の一側あたりの総細胞数と壁細胞数が多く, 発達が良かった。III型は中間的であった。
  • 本田 栄子, 山城 哲也, 平川 輝行, 中原 敏
    九州歯科学会総会抄録プログラム
    1986年 kds46 巻
    発行日: 1986/05/24
    公開日: 2017/11/23
    会議録・要旨集 フリー
  • 清水 義之, 峯崎 恵, 杉本 忠雄, 福山 宏, 上野 正康
    九州歯科学会総会抄録プログラム
    1986年 kds46 巻
    発行日: 1986/05/24
    公開日: 2017/11/23
    会議録・要旨集 フリー
  • 小林 繁, 荒井 秋晴, 高田 英幸, 山田 博
    九州歯科学会総会抄録プログラム
    1986年 kds46 巻
    発行日: 1986/05/24
    公開日: 2017/11/23
    会議録・要旨集 フリー
  • 中務 真人
    霊長類研究
    1996年 12 巻 2 号 147-164
    発行日: 1996年
    公開日: 2009/09/07
    ジャーナル フリー
    The morphology of the femur varies among the anthropoid primates reflecting different positional behaviors. Femora of cercopithecids are adaptive for cursorial locomotor patterns (e. g., running, leaping) but less adaptive for climbing or clambering. Femora of colobines are more specialized for leaping and arboreal balance as compared with those of cercopithecines. Femora of medium- and large-sized cebids, chimpanzee, and gibbon display morphological features related to quadrumanous climbing and acrobatic arboreal balance, but they demonstrate no specialized feature for cursorial locomotion and leaping. Outstanding characteristics in each taxon are as follows: projected greater trochanter and anteroposteriorly long distal epiphysis in cercopithecines; thick and more or less acutely angled neck, and symmetrically sized femoral condyles in colobines; low greater trochanter, gracile and highly angled neck, mediolaterally wide distal epiphysis, and expanded medial condyle in apes; gracile and highly angled neck, and mediolaterally wide distal epiphysis in medium- and large-sized cebids.
  • ―京都市動物園における比較認知科学研究―
    田中 正之
    日本心理学会大会発表論文集
    2009年 73 巻 2AM087
    発行日: 2009/08/26
    公開日: 2018/11/02
    会議録・要旨集 フリー
  • ヒトの声門機能の起原
    葉山 杉夫
    霊長類研究
    1996年 12 巻 2 号 179-206
    発行日: 1996年
    公開日: 2009/09/07
    ジャーナル フリー
    The closure of the airway by the larynx has three functional meanings: the first is the prevention of error in deglutition, the second, trapping of the exhaled air flow inside the thoracic cavity; and the third and last, the phonation. These three functions were all present in the mammals in the early Tertiary period, ca.65 million years ago. The second function, air trapping, enables the fixation of the thoracic cage, which is essential for obtaining the supporting points for the shoulder girdle musculatures during movements of the upper extremities. This anatomical innovation is originated in the three-dimensional, discontinuous arboreal habitat of the early mammals, and further elaborated in the tree-dwelling primates as the safety device to prevent falling from the tree. The specificity of the primate larynx is the completely closed anterior glottis during the air trapping. Although the complete closure of the anterior glottis is emphasize in the modern human as the adaptation to the production of primary tones, its functional origin goes back to the three-dimensional locomotor adaptation in the Tertiary arboreal primates.
  • 竹中 修, 河田 いこひ
    霊長類研究
    1987年 3 巻 1 号 83-85
    発行日: 1987年
    公開日: 2009/09/07
    ジャーナル フリー
  • 尾形 学, 小谷 均, 輿水 馨, 曲渕 輝夫
    日本獸醫學雜誌(The Japanese Journal of Veterinary Science)
    1981年 43 巻 4 号 521-529
    発行日: 1981/08/25
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    1973年から1980年にわたり, 3科5属8種におよぶ306頭の外見上健康なサル類, すなわちリスザル9頭, ミドリザル9頭, カニクイザル164頭, アカゲザル10頭, ニホンザル53頭, オランウータン1頭, ゴリラ2頭, チンパージー58頭からウレアプラズマの分離をこころみた. ウレアプラズマは, リスザルの鼻腔, 口腔, ミドリザルの鼻腔, 口腔, 直腸, 包皮, カニクイザルの鼻腔, 口腔, 直腸, 包皮およびチンパンジーの鼻腔から分離されたが, 他のサル類からは分離されなかった. 発育阻止試験および代謝阻止試験により血清学的性状を検討したところ, 供試したサル類由来ウレアプラズマ菌株は抗原的に不均質であり, サル類の動物分類学上の科, すなわちマーモセット科, オマキザル科,
    オナガザル科
    およびオランウータン科にそれぞれ対応する4血清群に分けられた. サル類由来株はウシ, ヤギ, ヒツジ, イヌ, ネコ, トリ由来株とは血清学的類似性は認められなかった. しかし,
    オナガザル科
    に属する血清群とヒト由来のUreaplasma urealyticum間には共通抗原が存在することが判明した.
  • *井上-村山 美穂, 本庄 美穂, 井上 英治, 早坂 郁夫, 伊藤 愼一, 村山 裕一
    霊長類研究 Supplement
    2007年 23 巻 A-19
    発行日: 2007年
    公開日: 2009/05/30
    会議録・要旨集 フリー
    (目的)マカク属では、攻撃性に種間差がみられる。ヒトではモノアミンオキシダーゼA遺伝子(MAOA)プロモーター領域の反復多型と攻撃性との関連が報告されており、本研究ではマカク属におけるこの領域を解析・比較した。
    (方法)マカク属18種、計354個体を用いて、MAOA多型領域をPCR増幅して型判定し、各種のアレル頻度と、攻撃性の指標として優劣関係の寛容性 (Thierry, 2000)との関連性を解析した。さらに、ニホンザル2集団で、個体の優劣関係と遺伝子型との関連性を解析した。また、
    オナガザル科
    の他の10種でも塩基配列を比較した。
    (結果)18bpを反復単位とした4~10回の反復数を持つアレルが確認された。反復領域の前に6bpの挿入/欠失が存在するアレルもあった。バーバリザル10個体では7回反復アレルのみがみられたが、他種では2~5種類の反復数がみられ、種内多型が存在した。反復単位の塩基配列は、マカクで8種類が確認され、同じ反復数のアレルでも、塩基配列に多様性がみられた。アカゲザル等の寛容性の低い(=攻撃性の高い)種は4~7回反復アレルの割合が多い傾向があり、9、10回反復アレルは確認できなかった。ニホンザルでは7、8回反復の2アレルが存在し、低順位オスには7回反復アレルは認められなかった。
    オナガザル科
    の他種では4-10回の反復がみられ、反復単位の塩基配列が新たに7種類確認された。
    (考察)マカク属の種間およびニホンザルの種内比較から、攻撃性とアレルとの関連性が示唆された。アカゲザルでプロモーターの転写活性を比較したところ、6、7回反復アレルの転写活性は、8回反復アレルよりも高いと報告されている。今後は、遺伝子型が個体の行動や社会構造に影響するメカニズムの解明を目指し、他種や他のアレルでも転写活性を解析していく必要がある。
    オナガザル科
    の他種でも攻撃性の解析指標になると思われる。
  • 今泉 吉典
    哺乳動物学雑誌: The Journal of the Mammalogical Society of Japan
    1965年 2 巻 5 号 131-135
    発行日: 1965/09/20
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    The so-called Fissura palatina of Equus, broadly used in the veterinary anatomy, is undoubtedly homologous with the Foramen incisivum of Homo sapiens. The latter seems to be derived from the pared incisive foramina of the lower Primates by reduction of the size of the incisive foramina and reduction of the palatine processes between the foramina and the Fissura palatina of Equus by an enormous development of the processes. Therefore the Fissura palatina of Equus must be strictly called Foramen incisivum. On the other hand, the so-called Foramen incisivum of Equus is a quite different structure and has no concern with the same named foramen of human anatomy. Therefore, the author wants to designate such a foramen between the medial border of the palatal portion of the premaxillaries as Foramen intermaxillare. Such a small foramen is not infrequently found in Mogera, Microtus, Rattus, and etc. An enormous foramen, posterior to Foramen incisivum, found in Ursidae-and some Mustelidae, is also considered to be Foramen intermaxillare, because it is bordered completely by the palatal process of the premaxillaries.
  • 高井 正成, 張 穎奇, 金 昌柱, 河野 礼子, 王 〓
    霊長類研究 Supplement
    2015年 31 巻 B17
    発行日: 2015/06/20
    公開日: 2016/02/02
    会議録・要旨集 フリー
    中国南部広西壮族自治区に広く分布する前期~後期更新世の石灰岩洞窟堆積物からみつかった霊長類化石相、特に旧世界ザル類(
    オナガザル科
    )化石相の構成の変化に関して報告する。最近の中国科学院古脊椎動物古人類研究所や広西民族博物館の発掘調査により、雲南省南西部の崇左および百色地域の複数の洞窟堆積物から、数千にのぼる霊長類の遊離歯化石が見つかった。これらの霊長類化石は現在9属(Homo, Gigantopithecus, Pongo, Nomascus, Procynocephalus, Macaca, Rhinopithecus, Pygathrix, Trachypithecus)に分類されていて、このうちGigantopithecusProcynocephalus以外の7属は現在も東南アジア地域に生息している。本発表では、これらの霊長類化石のうち、特にコロブス亜科3属(Rhinopithecus, Pygathrix, Trachypithecus)とオナガザル亜科2属(Procynocephalus, Macaca)の歯のサイズと形態を詳しく解析し、前期更新世以降の東南アジア地域における旧世界ザル類の進化について考察をおこなった。特にMacaca属に関しては下顎第3大臼歯を中心に種レベルでの分類を予備的に行い、東南アジアにおけるMacaca属の進化史について検討した。
  • *佐藤 杏奈, *香田 啓貴, *南雲 純治, *正高 信男
    霊長類研究 Supplement
    2013年 29 巻 P-203
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/02/14
    会議録・要旨集 フリー
     乳児に特有な物理的特徴(大きな瞳,小さな鼻や口,丸い顔,短い四肢など)は哺乳類と一部の鳥類に普遍的に存在し幼児図式と呼ばれている.これは,養育行動を引き出す鍵刺激になっていると古典的に提唱されているが,ヒト以外の動物を用いた研究は少ない.われわれは先行研究で,視覚対呈示法を用いて,カテゴリーの弁別能力の有無及び乳児画像への選好性について調査した.その結果,
    オナガザル科
    の霊長類 2種(ニホンザルとキャンベルズモンキー)において,乳児-オトナのカテゴリーを弁別し,乳児の画像の方をより長く見ることが明らかになった.しかし,幼児図式におけるどの物理的な要因が選好性につながっているか,個体の性別や年齢がどのような効果をもたらすのか,いまだわからないことは多い.そこで本研究では,乳児選好性に関してより詳細に検討するため,ニホンザルの全身画像と顔画像,また異種の刺激を用いて選好注視法を実施し,実験動物の性別や年齢ごとの群間比較を行った.
     これらの結果から,ヒト以外の動物における乳児画像に対する選好性について議論し,乳児選好性や養育行動の進化的な起源について考察したい.
  • 中務 真人, 國松 豊
    霊長類研究
    2009年 24 巻 3 号 313-327
    発行日: 2009/03/31
    公開日: 2010/06/17
    ジャーナル フリー
    Recent discoveries of new hominoid species from the Late Miocene of Africa provide us various insights for the study of hominoid evolution and human origins. One of them, Nakalipithecus is a large-bodied hominoid from 9.8 my-old Nakali, Kenya. It has a close relationship with the slightly younger Ouranopithecus known from Greece and Turkey and is very likely the sister taxon to the extant African apes and humans among the currently known hominoids. More importantly, Nakalipithecus is accompanied with several other catarrhine taxa, including another large-bodied hominoid, small-bodied non-cercopithecoid catarrhines, and cercopithecid and victoriapithecid monkeys. In this article, we review the phylogeny of Late Miocene hominoids, morphological evidences to connect Nakalipithecus with Ouranopithecus, and paleoenvironments of Nakali and biogeography of Late Miocene hominoids. Also, we propose a scenario of competition in cercopithecoids and non-cercopithecoid catarrhines in the Late Miocene of Africa and its influence on hominoid evolution.
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