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クエリ検索: "ガムシ"
1,732件中 1-20の結果を表示しています
  • *野田 伸一, 山本 進
    日本衛生動物学会全国大会要旨抄録集
    2007年 59 巻 B10
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/11/15
    会議録・要旨集 フリー
     鹿児島県姶良町枦山の白銀坂(7地点)と布引の滝(4地点)の2ヶ所で,2004年2月からツツ
    ガムシ
    類の定期採集を行っている.主目的はタテツツ
    ガムシ
    の発生状況の長期観察である.この調査地では,ツツ
    ガムシ
    病の患者が発生し,タテツツ
    ガムシ
    から病原体リケッチアが分離されている.また,新種記載をしたDoloisis uchikawaiが採集された場所である.
     これまでに白銀坂では12属20種,布引の滝では8属16種が採集された.3年間で採集された個体数は,白金坂で2,347個体,タテツツ
    ガムシ
    (884)が最も多く,次いでフジツツ
    ガムシ
    (607),イカオタマツツ
    ガムシ
    (232)であった.また,布引の滝では1,246個体が採集され,フジツツ
    ガムシ
    (453)が最も多く,次いでタテツツ
    ガムシ
    (357),キタサトツツ
    ガムシ
    (128)であった.調査地は安定した環境であるが,発生個体数が多いタテツツ
    ガムシやフジツツガムシ
    でも毎年の採集数には大きな差が認められた.新種記載をしたD. uchikawaiは14個体が年間を通じて採集された.
     採集されたイカオタマツツ
    ガムシ
    の胴背毛数に変異が認められたので,その観察を行った.観察した50個体の胴背毛第一列の数は10~17本で,内訳は10本1個体,11本6個体,12本18個体,13本14個体,14本7個体,15本2個体,16本1個体,17本1個体であった.また,20個体の背甲版の計測値はAW=53.0±1.9,PW=66.0±1.4, AP=20.9±1.0, SB=22.2±1.4, SD=29.1±1.0であった.
  • 野田 伸一, 山本 進, 高橋 守
    衛生動物
    2013年 64 巻 2 号 73-78
    発行日: 2013/06/15
    公開日: 2014/01/08
    ジャーナル フリー
    鹿児島県姶良町市の白銀坂(7地点)と布引の滝(4地点)の2ヶ所で,2004年4月から2007年3月までツツ
    ガムシ
    類の定期採集を行った.白銀坂では12属20種,布引の滝では8属16種が採集された.採集された種類は,タテツツ
    ガムシ
    ,クロシオツツ
    ガムシ
    ,ムロトツツ
    ガムシ
    ,キタサトツツ
    ガムシ
    ,ヒミズツツ
    ガムシ
    ,フジツツ
    ガムシ
    ,ミヤジマツツ
    ガムシ
    ,カンサイツツ
    ガムシ
    ,ミタムラツツ
    ガムシ
    ,イチカワツツ
    ガムシ
    ,コウチツツ
    ガムシ
    ,イカオタマツツ
    ガムシ
    ,ウチカワタマツツ
    ガムシ
    ,ミヤガワタマツツ
    ガムシ
    ,トダタマツツ
    ガムシ
    ,シライタマツツ
    ガムシ
    ,ナガサキタマツツ
    ガムシ
    ,コシキワルヒツツ
    ガムシ
    ,オガタワルヒツツ
    ガムシおよびサダスクガーリエップツツガムシ
    の20種であった.多くの種は1月と2月に採集され,6月と7月には7種のみが採集された.タテツツ
    ガムシ
    は最も多くの個体数が採集され,次いでフジツツ
    ガムシ
    であった.両種が本地域の優占種と考えられた. 採集されたイカオタマツツ
    ガムシ
    の背甲板は幅広で,背甲版の計測値PW (66.0±1.4 µm)はAW (53.0±1.9 µm)より広かった.胴背毛数に変異が認められ,胴背毛第1列の数は10~17本で,12本の個体が最も多かった.
  • 浦上 弘, 多村 憲
    日本細菌学雑誌
    1996年 51 巻 2 号 497-511
    発行日: 1996/04/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    恙虫病リケッチア Orientia tsutsugamushi とベクターであるツツ
    ガムシ
    との関係について最近の知見を概説した。すなわち (1) O. tsutsugamushi には各種の血清型が存在するが, それぞれの血清型リケッチアを媒介するツツ
    ガムシ
    種は異なり, アカツツ
    ガムシ
    は Kato 型リケッチアを, フトゲツツ
    ガムシ
    は Karp 及び Gilliam 型を, タテツツ
    ガムシ
    は Kawasaki 及び Kuroki 型を媒介する, (2) リケッチアはツツ
    ガムシ
    体内で共生関係にあり, 雌親ムシから卵を介して子孫に垂直伝播される, (3)ツツ
    ガムシ
    の種によってはリケッチアを保有する雌から産まれる子孫は雌ばかりで雄は産生されない, (4) しかし一方でフトゲツツ
    ガムシ
    の場合にはリケッチアを保有する雌から雌と雄の両方が産生され, 両者ともリケッチアを保有するが, 雄中のリケッチアは精包形成の過程で排除されて子孫には伝播せず, 雌中のリケッチアのみ子孫に伝播される, (5) 感染した野鼠にツツ
    ガムシ
    が吸着してリケッチアを吸入してもそのリケッチアは子孫に垂直伝播される確率は極めて低く, 子孫にリケッチアが伝播されるのは本来リケッチアを保持する家系から産まれたツツ
    ガムシ
    に限られる, などについての実験事実を紹介した。
  • *矢野 泰弘, 田原 研司, 板垣 朝夫, 藤田 博己, 角坂 照貴, 川端 寛樹, 高田 伸弘
    日本衛生動物学会全国大会要旨抄録集
    2005年 57 巻 B11
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/10/17
    会議録・要旨集 フリー
     我々は科研調査「アジアにおける節足動物媒介感染症の拡散様式」を進める中で、日本列島-大陸における島道の意義を探査している。昨年11月には島根県隠岐諸島および本土側において調査し、種々の成果を得た。ツツ
    ガムシ
    病に関しては、本県における患者発生の中心は東部中山間地域であったが、2003年には隠岐海士町で初めて患者が確認されるなど、近年発生動向に変化が見られる。これら地域の小哺乳類から3属10種のツツ
    ガムシ
    を回収した。海士町と旧大東町のアカネズミには個体当たり各々平均190および15個体のフトゲツツ
    ガムシ
    を、また他地方の島嶼で記録されていたバーンズツツ
    ガムシ
    を海士町で確認した。タテツツ
    ガムシ
    は調査地全域で認められなかった。そして、野鼠血清の抗O. tsutsugamushi抗体はフトゲツツ
    ガムシ
    親和性のKarp型が優占した。従って、本地域のツツ
    ガムシ病は概ねフトゲツツガムシ
    媒介性と推察される。
  • 野田 伸一, 山本 進, 内川 公人
    衛生動物
    1996年 47 巻 4 号 339-346
    発行日: 1996/12/15
    公開日: 2016/08/23
    ジャーナル フリー
    鹿児島県大隅地区のツツ
    ガムシ
    病流行地に4ケ所の調査定点を選定し, 1994年6月から1995年5月までの1年間にわたって, 毎月1回各地点から土壌サンプルを採取し, 表層土壌内に生息するツツ
    ガムシ
    類をツルグレン法によって調査した。その結果, タテツツ
    ガムシ
    , クロシオツツ
    ガムシ
    , フトゲツツ
    ガムシ
    , キタサトツツ
    ガムシ
    , フジツツ
    ガムシ
    , カンサイツツ
    ガムシ
    , シライタマツツ
    ガムシ
    , オガタワルヒツツ
    ガムシ
    , コシキワルヒツツ
    ガムシ
    , サダスクガーリエップツツ
    ガムシ
    および未同定種(ドロシータマツツ
    ガムシ
    属)の11種が確認された。このうち, タテツツ
    ガムシ
    は10-2月に, フトゲツツ
    ガムシ
    は8-5月にそれぞれ採集された。さらに, 夏期のツツ
    ガムシ
    相を調べる目的で1995年7月と8月に, 調査定点とその周辺の18ケ所で土壌サンプルを採集した。その結果, フトゲツツ
    ガムシ
    が5ケ所から確認された。したがって, 鹿児島でのツツ
    ガムシ
    病の媒介には秋-冬はタテツツ
    ガムシとフトゲツツガムシ
    , 春-夏はフトゲツツ
    ガムシ
    の関与が推測された。一方, 1995年11月に住宅敷地内, その周辺部, 隣接する林内および耕作地で, 黒布を用いた見取り法とツルグレン法でツツ
    ガムシ
    類を調査した。その結果, いずれの場所からもタテツツ
    ガムシ
    が採取され, 日常生活域にもタテツツ
    ガムシ
    が生息して, ツツ
    ガムシ
    病の伝播の役を担う可能性が考えられた。
  • *野田 伸一, 山本 進
    日本衛生動物学会全国大会要旨抄録集
    2003年 55 巻 C09
    発行日: 2003年
    公開日: 2003/08/01
    会議録・要旨集 フリー
    ツツ
    ガムシ
    調査を続けている鹿児島県姶良町の調査地では,患者発生の報告があり,蛍光抗体法によるタテツツ
    ガムシのツツガムシ
    病リケッチアの保有が確認されている.この調査地では昨年度から公園としての整備が進められている.公園には銘水として知られる“布引の滝”と歴史上重要な街道として歴史国道に指定されている“白銀坂”がある.今後,訪問者が増えることが予想され,ツツ
    ガムシ
    病の患者発生が懸念されることから,公園整備地および周辺地域でタテツツ
    ガムシ
    の分布調査を行った.滝から流れる川と溜池に沿った11地点と白銀坂の9地点で,黒布2枚を用いて5分間の採集を行った.調査した20地点の全てでタテツツ
    ガムシ
    が採集され,採集個体数は11-1,096匹で,14カ所で100匹以上,2カ所で1,000匹以上が採集された.PCR法によるツツ
    ガムシ
    病リケッチアDNA検出結果も報告する.
  • 竹之下 秀雄
    日本農村医学会学術総会抄録集
    2010年 59 巻 P2-E4-4
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/12/01
    会議録・要旨集 フリー
    ツツ
    ガムシ
    病は、ツツ
    ガムシ
    病リケッチア(Orienta Tsutsugamushi:以下OT)を保有するツツ
    ガムシ
    の幼虫の吸着・刺咬によって発症する。福島県はツツ
    ガムシ
    病の好発地域であり、2009年は96例で全国1位となった。また、2009年は30例の患者が当科(福島県南部の白河地方に存在)を受診し、男女比は14:16であり、5月受診が1例、10月受診が14例、11月受診が15例であった。OTには各種の血清型が存在するが、それぞれの血清型リケッチアを媒介するツツ
    ガムシ
    の種類は決まっており、アカツツ
    ガムシ
    はKato型優位のリケッチアを、フトゲツツ
    ガムシ
    (北国に多い)はKarp型またはGilliam型優位のリケッチアを、タテツツ
    ガムシ
    (南国に多い)はKawasaki型またはKuroki型優位のリケッチアを媒介する。30例のうち、5月受診の1例はKarp型優位のリケッチアのためフトゲツツ
    ガムシ
    に刺され、10月受診の2例と11月受診の1例はKuroki型優位のリケッチアで、残り26例はKawasaki型優位のリケッチアであったため秋に受診した例は全てタテツツ
    ガムシ
    に刺されたことが判明した。福島県では、寒さのためタテツツ
    ガムシ
    の幼虫は秋に哺乳動物を刺して血を吸引しなければ越冬できないとされており、疫学的にはフトゲツツ
    ガムシとタテツツガムシは秋のツツガムシ
    病をもたらし、フトゲツツ
    ガムシが春のツツガムシ
    病を発症させていると考えられる。福島県では、1985年に27例のツツ
    ガムシ
    病患者が届けられたが春に多く発症しており、2009年の96例中11例が春で、85例が秋に発症していた。すなわち、1985年はフトゲツツ
    ガムシによるツツガムシ
    病が多く、2009年は、当科の結果を合わせて考えれば、タテツツ
    ガムシによるツツガムシ
    病が多数発症した可能性が高い。このことは近年の温暖化の傾向が福島県においてタテツツ
    ガムシによるツツガムシ
    病をより多く発症させる原因となっているものと考えられた。
  • 田中 研三, 葛西 猛, 伊藤 憲佐, 大橋 正樹, 中井 智子, 伊藤 太一
    日本救急医学会雑誌
    2011年 22 巻 11 号 845-851
    発行日: 2011/11/15
    公開日: 2012/01/25
    ジャーナル フリー
    【背景】ツツ
    ガムシ病はツツガムシ
    によって媒介されるOrientia Tsutsugamushi(以下O.t.)が感染して発症するリケッチア感染症である。日本でO.t.を媒介するツツ
    ガムシはタテツツガムシ
    ,フトゲツツ
    ガムシ
    ,アカツツ
    ガムシ
    の3種である。千葉県で発生しているツツ
    ガムシ病は主としてタテツツガムシ
    によるものと推定されていたが,重症化しやすいフトゲツツ
    ガムシ
    による感染が存在する可能性も示唆されていた。【目的】今回の研究の目的は当院の医療圏である房総半島南部で発生したツツ
    ガムシ病の血清学的臨床学的疫学調査によってフトゲツツガムシ
    による感染の頻度を明らかにすることである。【方法】2000年1月1日から2009年12月31日の間に当院を受診し,血清学的検査によってツツ
    ガムシ
    病と診断された患者の診療録をもとに,病原体血清型の種類,頻度,発生時期,臨床経過についての疫学調査を行った。確定診断は間接蛍光抗体法によるKarp,Kato,Gilliam型IgMおよびIgG抗体の検出を用い,陽性症例に対してIgMまたはIgG抗体価が最も上昇している型を記録し,同等の上昇を認めた場合は全て記録した。【結果】ツツ
    ガムシ
    病と診断された症例は90例であり,うち43例(47.8%)は入院加療を要した(平均入院日数8.3日)。これらの血清型は,Gilliam型55例,Karp型14例,Kato型17例,2つ以上の型が上昇している例が4例あった。発生は秋から冬に集中していたが,数例春と夏の発症例も認めた。フトゲツツ
    ガムシ
    はGilliam型とKarp型を媒介することが知られているが,Gilliam型はタテツツ
    ガムシ
    が媒介するKawasaki型と交叉反応があり,タテツツ
    ガムシ
    による感染の可能性がある。一方,Karp型14例はフトゲツツ
    ガムシ
    による感染と考えられる。【結論】房総半島南部で発生するツツ
    ガムシ
    病のなかには,フトゲツツ
    ガムシ
    が関与している症例が存在しており,早期から適切な治療を要する。
  • *矢野 泰弘, 高田 伸弘, 岩崎 博道, 藤田 博己, 角坂 照貴, 及川 陽三郎, 田原 研司, 山本 正悟, 本田 俊郎, 平良 勝也, 岡野 祥, 安藤 秀二, 川端 寛樹, 岸本 壽男
    日本衛生動物学会全国大会要旨抄録集
    2009年 61 巻 A01
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/06/19
    会議録・要旨集 フリー
    我々は,東シナ海を縁取る島嶼地域においてダニ類が如何に拡散し,それが媒介する新興再興感染症の病原体も如何に共進化して来たかについて興味を持ち,現在調査を進めている.今回は,昨2007年度の本大会で報告した同地域のツツ
    ガムシ
    分布の知見に,今年度分調査(長崎県五島列島,鹿児島県甑島および沖縄県宮古島)のデータも加え,その分布特性を考察する.ツツ
    ガムシ
    病の有力媒介種であるタテツツ
    ガムシ
    に注目した場合,本種は昨年までに韓国済州島および長崎県五島列島福江島から見出しており,特に済州島においてツツ
    ガムシ
    病の患者確認数が近年著しく増えているのは,本種を含む媒介ツツ
    ガムシ
    群が高密度に分布することによる.今年度は,鹿児島県薩南諸島トカラ列島の口之島のクマネズミにタテツツ
    ガムシ
    を認めた.トカラ列島では媒介種未定ながらツツ
    ガムシ
    病が点々と見出されており,実際,中之島や悪石島ではアジア太平洋地域の有力媒介種デリーツツ
    ガムシ
    も確認していたことも考え合わせれば,媒介種推定の上では示唆的な事実が積み上がりつつあると言ってよい.ただ,いずれも病原体Orientiaの検出には成功していない.そういう中で,先島諸島の宮古島では昨年初夏に,沖縄県土着症例としては初となるツツ
    ガムシ
    病患者が見出されたが,患者血液のPCRで検出されたOrientia遺伝子は台湾由来株と同じクラスターを形成することが判明した.同島へは遅れて秋10月に調査に入ったが,ツツ
    ガムシ
    はまったく確認できず,次回に持ち越しとなった.以上の通り,環東シナ海の島嶼を巡るツツ
    ガムシ
    種と病原体の拡散経路は興味が尽きないところで,今後も継続して調査の予定である.本研究は平成20年度学振科研(No. 19406008)および厚生科研(No. J070000178)の補助によった.
  • 竹之下 秀雄, 小松 貴紀, 圓谷 隆, 山内 隆治
    日本臨床皮膚科医会雑誌
    2007年 24 巻 4 号 310-313
    発行日: 2007/07/15
    公開日: 2009/03/13
    ジャーナル フリー
    (1) 11歳、男児。初診時、37℃台の発熱、躯幹に散在する小指頭大までの淡い紅斑と左膝窩の刺し口のため、ツツ
    ガムシ
    病を疑い、ミノサイクリンの全身投与 (120mg/day) を開始したところ、頭痛を含め全身症状がすみやかに改善した。ツツ
    ガムシ
    病抗体価は、初診の11日後にはIgMがGilliam法で有意に上昇し、本例をツツ
    ガムシ
    病と診断した。
    (2) 30歳、女性。妊娠11週5日。初診時 (第8病日)、発熱、顔面と躯幹の淡い紅斑、左側腹部の刺し口などの臨床症状、肝機能障害、CRP上昇などの検査所見からツツ
    ガムシ
    病を強く疑った。妊娠初期であれば塩酸ミノサイクリンを投与しても胎児に流産や奇形などの障害はほとんどない旨を文献的に確認し、初診日より同剤200mg/日の全身投与 (2週間) を開始したところ、すみやかに軽快し、妊娠40週1日目に無事女児を出産した。ツツ
    ガムシ
    病抗体価は、初診時のIgM (Gilliam法) が320倍と高値で診断が確定した。出産時のIgM抗体価は、母体血で消失し臍帯血で存在しないため、Orientia tsutsugamushiの胎盤感染の有無は不明であった。小児と妊婦のツツ
    ガムシ
    病が少ないのは、ツツ
    ガムシ
    に吸着される機会が少ないからと考えられている。(オンラインのみ掲載)
  • *野田 伸一, 山本 進
    日本衛生動物学会全国大会要旨抄録集
    2005年 57 巻 B12
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/10/17
    会議録・要旨集 フリー
     鹿児島県ではほぼ全域でツツ
    ガムシ
    病患者が発生しているが,火山活動が活発な桜島地区からは患者の発生報告がない.今回は桜島地区のタテツツ
    ガムシ
    幼虫の分布と幼虫に対する火山灰の影響を調べた. 2002年と2003年の11月に,道路に沿った34地点で黒布による採集を行った.対照として桜島に隣接する地点でも採集を行った.対照地では2002年と2003年にタテツツ
    ガムシ
    幼虫がそれぞれ53匹と207匹採集された.桜島地区の34地点では,タテツツ
    ガムシ
    幼虫1匹とフジツツ
    ガムシ
    幼虫1匹が各1地点から採集されたのみで,32地点では全く採集されなかった.火山灰の直接的な影響を調べるため,火山灰の上にタテツツ
    ガムシ
    幼虫を放し,実体顕微鏡下で観察した.赤玉土と鹿沼土でも観察を行った.幼虫が歩行すると,その脚に小粒子が付着し,徐々に自由な行動ができなくなり,火山灰では4時間,赤玉土では90分,鹿沼土では60分でほば動きを止めた.
  • *矢野 泰弘, 角坂 照貴, 藤田 博己, 及川 陽三郎, 田原 研司, 山本 正悟, 本田 俊郎, 高田 伸弘
    日本衛生動物学会全国大会要旨抄録集
    2008年 60 巻 A32
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/07/01
    会議録・要旨集 フリー
     現在、我々は学振科研および厚生科研による課題、特に東シナ海を取り巻く地域のダニ媒介性新興再興感染症の拡散経路および病原体の進化について調査を進めつつある。今回は、2007年度の秋冬に長崎県と鹿児島県の離島、また朝鮮半島南部と済州島で行った調査のうち、ツツ
    ガムシ
    について報告する。調査の時期と地区は以下の通りである。
     2007年11月23-25日長崎県(五島列島、平戸島、長与町)
     2007年12月05-09日韓国(馬山市、梁山市、済州島)
     2007年12月14-17日鹿児島県(トカラ列島の悪石島、諏訪之瀬島)
     2007年12月14-17日長崎県(五島列島、長与町)、鹿児島県(甑島列島)
     2008年01月11-13日鹿児島県(トカラ列島の口之島、平島)
     各調査地において野鼠類を生捕し、体表に寄生するツツ
    ガムシ
    幼虫を生体観察、それから封入して同定した。結果として、まずトカラ列島の口之島のクマネズミにタテツツ
    ガムシ
    を認めた事実は、昨今、本邦の東シナ海に面する島嶼においてツツ
    ガムシ
    病の散発が確認され出した状況で、媒介種推定の上で示唆に富む知見の一つとなる。一方、韓国南部の梁山市と済州島でもツツ
    ガムシ病有力媒介種と目されるタテおよびフトゲツツガムシ
    がみられ、中でも梁山市のセスジネズミにみた多数のツツ
    ガムシ
    (最低でも一個体当たり128個体)のほとんどはタテおよびフトゲであった。また、済州島のチェジュセスジネズミにも少数ながらタテを確認した。韓国においてはツツ
    ガムシ
    病の公式患者数が2006年には6,420人に上るとの統計が言われるが、今回みたような高密度に生息する媒介性ツツ
    ガムシ
    の存在が患者多発の一要因と言えるかもしれない。
    共同研究者:川端寛樹(国立感染研)・呉 弘植(韓国済州大学)
  • 中嶋 智子, 足立 雅彦, 降井 佐太郎
    日本ダニ学会誌
    1998年 7 巻 1 号 39-45
    発行日: 1998/05/25
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    つつが虫病の発生地域である京都府北部の野田川下流域で,1994年10月から1997年6月までの期間に野鼠に寄生するツツ
    ガムシ
    幼虫の調査を行った.野田川下流域で4種の野鼠(主としてハタネズミ,アカネズミ)から6属12種のツツ
    ガムシ
    が回収された.優占種はフトゲ,アラト,ヒゲの3種で,次いでサダスクであった.野鼠の種類と寄生するツツ
    ガムシ
    種,および寄生数には差が認められ,ツツ
    ガムシ
    幼虫は宿主に対し種嗜好性を持つ可能性が示唆された.野鼠体上におけるフトゲ,アラトなどの季節消長のパターンは宿主種により異なり,越冬後の残存未吸着幼虫では,本来嗜好性が低いと考えられる宿主に対しても寄生数が増加する.このことは,若虫となる機会を増加させ,種の存続を図るため,行動様式が変化するためではないかと考えられた.
  • 杉田 泰之, 松崎 敏子, 中嶋 英子, 中嶋 弘
    日本皮膚科学会雑誌
    1991年 101 巻 7 号 743-
    発行日: 1991年
    公開日: 2014/08/11
    ジャーナル 認証あり
    Polymerase chain reaction(PCR)法を用いてツツ
    ガムシ
    病の病原体であるRickettsia tsutsugamushiに特異的なDNA断片を検出した.この方法を用いてツツ
    ガムシ
    病患者の血液からR. tsutsugamushiのDNAが検出できることを示し,PCR法によるツツ
    ガムシ
    病のDNA診断の可能性を示した.
  • 安西 三郎
    西日本皮膚科
    2021年 83 巻 2 号 143-145
    発行日: 2021/04/01
    公開日: 2021/05/10
    ジャーナル 認証あり

    22 歳,男性。シイタケ栽培の作業に従事した後より,下肢を主として強い瘙痒を伴う皮疹が出現した。患者が作業した現場にて黒布見取り法を施行したところ多数のタテツツ

    ガムシ
    が確認され,瘙痒性皮疹の原因虫体と考えられた。九州では秋季に多くツツ
    ガムシ
    病が報告され,その媒介者としてタテツツ
    ガムシ
    ,フトゲツツ
    ガムシ
    が知られている。しかし虫刺症としてのタテツツ
    ガムシ
    刺症についてはあまり周知されておらず,秋季の虫刺症の原因の一つとして留意する必要があると思われた。

  • 北沢 高司
    衛生動物
    1993年 44 巻 4 号 327-334
    発行日: 1993/12/15
    公開日: 2016/08/23
    ジャーナル フリー
    北部九州の若い自然照葉樹林とクロマツ植林地において, ツツ
    ガムシ
    相とその幼虫の季節的消長の調査を, それぞれ3年間以上, 2年間以上にわたって行った。照葉樹林では, 15種のツツ
    ガムシ
    が小哺乳類から採集され, さらに5種が土壌から得られた。多くのツツ
    ガムシ
    幼虫が中秋から現れ始め, 晩春または初夏まで採集されたが, その消長のパタンは種によってやや異なっていた。ミヤイリツツ
    ガムシ
    はピークを見せずに年間を通じて出現し, 他の体色が白い数種のツツ
    ガムシ
    も長期間にわたって出現した。一方, 体色が赤い数種のツツ
    ガムシ
    は短期間のうちに姿を消した。このような事実から, 地中や地下坑道に生息するツツ
    ガムシ
    は, 地表に生息するツツ
    ガムシ
    より幼虫の出現期間が長いことが推測された。クロマツ植林地からは3種のツツ
    ガムシ
    が採集されただけであり, ツツ
    ガムシ
    病の媒介種であるフトゲツツ
    ガムシ
    幼虫は, 10月から4月にかけて冬期にピークを見せて出現した。
  • 中田 圭亮
    衛生動物
    1976年 27 巻 2 号 189-194
    発行日: 1976/04/15
    公開日: 2016/09/05
    ジャーナル フリー
    1. 1973年6月30日より1974年6月29日までの期間, 札幌市北区屯田防風林においておよそ15日間隔で捕鼠を実施し, 野鼠に寄生するツツ
    ガムシ
    類について調査した。2.捕獲した野鼠5種239頭よりツツ
    ガムシ
    科3属4種41,961個体をえた。その中, タミヤツツ
    ガムシ
    Neotrombicula tamiyaiは道央よりの新記録であった。3.アラトツツ
    ガムシ
    の季節消長は一般的に, 春季の大きな発生の山, 盛夏季の下落, 秋季の小規模な山, 冬季の低レベル発生と考えられよう。タミヤツツ
    ガムシ
    の消長は, 根雪中と終雪直後にピークをもつ二山型であって, 本州のそれと山の大きさ, 時期において相違がみられた。4.アラトツツ
    ガムシ
    に関して, エゾヤチネズミとミカドネズミ間でみられた寄生数の相違は両者の生息場所以外の要因に求められるべきである。5.アラトツツ
    ガムシとタミヤツツガムシ
    は耳介内に, サダスク・ガーリェプツツ
    ガムシとヤマトツツガムシ
    は鼠体後半部に寄生する傾向がみられた。6.植生の単純化に伴いツツ
    ガムシ
    種類数の減少と特定種の寄生数の増加の傾向がうかがわれる(表3)。
  • 長谷川 英男, 大鶴 正満, 藤井 保, 當真 弘, 佐藤 良也
    衛生動物
    1990年 41 巻 3 号 235-246
    発行日: 1990/09/15
    公開日: 2016/08/26
    ジャーナル フリー
    台湾と琉球諸島で恙虫病の媒介ツツ
    ガムシ
    について疫学調査を行った。台湾澎湖諸島および台東では齧歯類, 食虫類から得られたLeptotrombidium亜属のツツ
    ガムシ
    は, アジア太平洋地域の恙虫病リケッチアの最有力媒介種デリーツツ
    ガムシ
    L. (L.) delienseだけであった。一方, 阿里山では齧歯類からアサヌマツツ
    ガムシ
    L. (L.) asanumai, カワムラツツ
    ガムシ
    L. (L.) kawamuraiと同定される種が得られ, 恙虫病リケッチアの保有動物が台湾山地に存在することが示唆された。沖縄本島では齧歯類, 食虫類からツツ
    ガムシ
    幼虫は得られなかった。
  • *高橋 守
    日本衛生動物学会全国大会要旨抄録集
    2008年 60 巻 WP
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/07/01
    会議録・要旨集 フリー
    病原体の伝播機構:つつが虫病感染野鼠に非感染幼虫を吸着させると、幼虫への病原体移行は、ツツ
    ガムシ
    の種類に関係なく、数%程度は認められた。しかし、この二次的な獲得病原体は次世代には伝播されなかった。病原体の共生的な維持機構を証明するため、野外で自然感染しているフトゲツツ
    ガムシ
    のコロニ-化を試みて成功した。ツツ
    ガムシ
    発育環において、病原体は各発育期でも維持され、卵を介して次世代に伝播(経卵感染)されることを明らかにした。しかし、その感染率は変動し、かつ感染雄の精子を介する伝播はないことも実証した。さらに別種の感染コロニ-は雌だけから成り立つことなどから、病原体が性をコントロ-ルしていることも明らかにした。 つつが虫病媒介種の生活史と感染幼虫の野外分布パターン:日本のつつが虫病の主要媒介3種を野外飼育し、幼虫を含む各発育期の全容を明らかにした。特にタテツツ
    ガムシ
    にみた形態発育休眠は世界初の知見である。また患者発生地で、感染幼虫は特定の場所に集積して病原体の「微小浸淫地点」を作ること、さらにこの地点は年変動して新たな地点が生まれることも証明した。 ツツ
    ガムシ
    の分類:日本産ツツ
    ガムシ
    は116種にのぼっている。特に海洋性鳥類やコウモリ類および爬虫類寄生種には新種が多くて未開拓な分野であるため、その記載を進めるとともに、日本産ツツ
    ガムシ
    全体を分類学的に完全な種名として整理することを通じて有効な検索表を作成した。
  • *及川 陽三郎, 池田 照明, 矢野 泰弘, 高田 伸弘
    日本衛生動物学会全国大会要旨抄録集
    2006年 58 巻 B28
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/06/07
    会議録・要旨集 フリー
     石川県では、毎年のように数例のツツ
    ガムシ
    病が散発的に発生している。2004年、我々が経験した症例は、能登半島鹿西町(現、中能登町)のもので、現地調査により、能登半島で初めて、タテツツ
    ガムシ
    を確認した。このツツ
    ガムシ
    は、患者の血清検査より推定した感染リケッチア(Kawasaki型)の主要な媒介種であることから、今後も患者の発生が懸念される。然るに、石川県(特に能登半島)におけるツツ
    ガムシ
    病に関する基礎調査は、ほとんど行われておらず、至急、その実態を調査する必要がある。一方、マダニ媒介性疾患については、近年、ライム病や紅斑熱の患者が近隣の県で認められたことから、石川県にも今後、発生する可能性が考えられる。マダニ刺症例は、我々の経験だけでも、年に数例におよんでおり、その実態調査および媒介種の把握などが必要である。そこで、これらの地域において、関係の病原体調査に向けて、植生上からツツ
    ガムシ
    やマダニ類を採集し、また病原の保有者となる野鼠を得てそれに寄生するダニ類の状況を調べるとともに、それらが保有する病原体について血清抗体の検出を試みた。
     2005年4月27日から12月1日の間に、延べ23ヶ所で生捕トラップを仕掛け、23匹の野鼠を得た。このうちアカネズミ16匹中5匹に脾腫を認め、7匹にバベシア様の赤血球内寄生原虫を認めた。ツツ
    ガムシ
    病患者発生地域付近(現、中能登町)で捕獲したアカネズミからは、吊り下げ法で多数のツツ
    ガムシ
    が回収された。また、患者宅の裏山では、10月19日より12月1日まで、見取り法でタテツツ
    ガムシ
    が採集された。一方、マダニ類に関して、4月にタネガタマダニ刺症例を1例認めた。また、今回の吊り下げ法でマダニが分離できたアカネズミは5匹で、チマダニ類の幼若虫が多かった。旗振り法では、キチマダニが多く採集された。なお、血清抗体については、現在検討中であり、あわせて報告する。
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