熊本県理科・化学教育懇談会の設立の経緯, 会員数, 活動状況などを説明するとともに, 本懇談会の特徴的活動を紹介した。本年度, 熊本県の緊縮財政のあおりで九州地区高等学校化学クラブ研究発表会への補助金が削減され同発表会の開催が危ぶまれた。本懇談会幹事会で善後策を検討した結果, 開催の見通しが得られたが, この経験に基づいて日本化学会は高校における化学
教育関連
事業への補助金を増額する必要があることを提言した。また, 高校においては生徒のみならず教師も化学実験を体験する機会が減少している状況を憂慮し, 本懇談会では高校の化学担当教諭を対象とした化学実験講習会を平成12年度より開始した。年に2回(6月下旬と2月上旬)開催し, すでに3回実施した。実習テーマが高校側と大学側の双方から提案されるので, 参加者は最新の大型装置を用いた実験から特殊な装置・器具を用いない実験まで体験できる。毎回, 熊本県全域から30名前後の参加者があるなど, 参加者の評価も高い。
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