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クエリ検索: "ケイデンス"
958件中 1-20の結果を表示しています
  • *後藤 悠太, 彼末 一之
    日本体育学会大会予稿集
    2016年 67 巻
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/02/24
    会議録・要旨集 フリー

     人の自由走行時のステップ長と

    ケイデンス
    は代謝が最小になるものであると考えられている(Cavanagh et al. 1992)。それらの研究は長距離選手が対象である。長距離選手においては、効率的な動作を獲得した結果、代謝が少ない可能性があり、一般人でも同様かは不明である。そこで、走動作の変化が代謝に及ぼす影響を、
    ケイデンス
    を変化させた際の長距離選手と一般人の代謝を比較することで検討した。対象は長距離選手男性10名と、数分間継続して走行できる体力を有する一般男性10名である。測定は1日目にトレッドミルを用いて運動負荷試験を行い、60% HRreserveになる運動強度を決定した。2日目の測定ではトレッドミルの自由走行に加え、自由走行時の
    ケイデンス
    から± 10%増減させた
    ケイデンス
    をメトロノームで指示して走行させた。解析の結果、一般人では自由走行時に最も少ない代謝を示した。長距離選手では
    ケイデンス
    減少試行において代謝がより高くなる傾向が見られた。以上の事から一般人においても自分が身に付けている走動作では、自由な
    ケイデンス
    が最も代謝が低くなると考えられる。

  • *坂井 智明
    日本体育学会大会予稿集
    2017年 68 巻
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/02/15
    会議録・要旨集 フリー

     本研究は、異なる運動強度下での歩行パラメータの特徴を明らかにし、相互の関連を検証した。対象は、運動習慣を有する大学生54名(平均年齢19.6±0.7歳)であった。対象者には、屋外歩行路を主観的に「楽である(RPE11)」と「ややきつい(RPE13)」と感じる運動強度で、それぞれ15分間歩行させた。対象者には、EPSON社製SF-810Bを手首に装着させ、歩行速度、

    ケイデンス
    、ストライドを測定した。データは1秒間隔で収集し、5~10分のデータを分析した。RPE11の歩行速度は4.48±0.43km/時、
    ケイデンス
    113.0±7.3歩/分、ストライド65.8±6.8cm/分であった。RPE13の歩行速度5.36±0.49km/時、
    ケイデンス
    121.9±8.8歩/分、ストライド73.2±6.8cm/分であった。いずれのパラメータともRPE13の方がRPE11に比べて有意に高値を示した。また、歩行速度を従属変数、
    ケイデンス
    とストライドを独立変数に重回帰分析を施したところ、いずれの条件下でもストライドの標準化係数が
    ケイデンス
    に比べ高値であった。

  • -歩行速度との関係に着目して-
    吉田 高幸, 藤澤 宏幸
    東北理学療法学
    2020年 32 巻 14-21
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/12/16
    ジャーナル フリー

    [目的]

    ケイデンス
    を規定した平地上での膝歩きの運動学的特徴を明らかにすること。

    [対象]健常男性20名。

    [方法] メトロノーム音によって

    ケイデンス
    を40, 60, 80, 100, 120[steps/min]に設定した。各
    ケイデンス
    における歩幅,歩行速度,立脚・遊脚期の所要時間,体重心移動量,各体節角度を三次元動作解析装置にて測定した。

    [結果]

    ケイデンス
    増加に比例して歩行速度は増加傾向を示したが,歩幅には直線的な増加傾向が認められなかった。歩幅に関与する股関節屈曲角は増加傾向を示したが,骨盤回旋角は減少傾向を示した。一方,体重心側方移動量,体幹側屈角,骨盤挙上角,大腿骨外側傾斜角は明らかな減少傾向を示した。また,立脚時間は減少傾向であったのに対し,遊脚時間は増加傾向を示した。

    [結語]

    ケイデンス
    増加に伴う歩幅の制御は歩行と異なるものであり,エネルギー損失を抑制するためと考えられた。一方,左右への身体運動量を減少させることは,速度増加に適した制御であった。

  • *益子 行雄
    エレクトロニクス実装学術講演大会講演論文集
    2008年 22a 巻 18A-01
    発行日: 2008年
    公開日: 2009/10/02
    会議録・要旨集 フリー
  • 野々垣 聡, 長谷川 隆史, 内山 靖
    理学療法学Supplement
    2009年 2008 巻 P1-265
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/25
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】
    歩行速度を増加するには
    ケイデンス
    か歩幅の歩行パラメータを増やす方略があるが、脳性麻痺児(以下、CP児)が歩行速度を増加する際に、
    ケイデンス
    と歩幅をどのように適応させているかの研究は少ない.近年、CP児に対するトレッドミル歩行トレーニングの有効性が報告されているが、最適な歩行プログラムを確立する上でも、これらの特徴を把握することは重要だと考える.演者らの先行研究では、CP児は、健常児に比べて平地歩行の速度が増加しても歩幅が増加しない傾向が観察された.そこで本研究では、CP児においてトレッドミルで段階的に歩行速度を増加した時の
    ケイデンス
    と歩幅の変化を分析し、その関係を明らかにすることを目的とした.
    【方法】
    Aセンターの入所児もしくは外来児8名(平均年齢14歳5ヶ月±2歳6か月、男児4名、女児4名)を対象とした.粗大運動能力分類システム(GMFCS)は、レベルIが3名、レベルIIIが5名であった.
    本研究で使用したトレッドミルは、BIODEX社製Gait Training System 2(BDX-GTM2)であった.トレッドミル速度は、0.5km/hから最大速度(走らないで歩行できる最大の速度)まで、0.5km/h刻みで設定した.各歩行速度において、対象児は手すりにつかまって1分間歩行し、
    ケイデンス
    と歩幅を計測した.その後、各歩行速度における
    ケイデンス
    と歩幅の比(歩幅/
    ケイデンス
    )を算出し、どちらの要素が歩行速度の増加に寄与しているかを分析した.なお、計測の際には、普段使い慣れた補装具を使用した.比較のため、健常児4名(平均年齢11歳5ヶ月±4歳7ヶ月、男児1名、女児3名)においても、同様の計測を行った.
    すべての対象児および保護者において、文書と口頭で研究の説明を十分に行い、同意を得た.
    【結果】
    CP児では、歩行速度の増加に伴い、
    ケイデンス
    は平均41.6歩/分(0.5km/h)から104.9歩/分(最大速度:平均3.4±1.0km/h)に、歩幅は平均19.4cm(0.5km/h)から49.3cm(最大速度)に増加した.また、
    ケイデンス
    と歩幅の比の推移から、歩行速度の増加に対して
    ケイデンス
    で適応する児は1名、歩幅で適応する児は3名、両因子が同程度で適応する児は4名であった.これらの変化とGMFCSレベルとの関連性はみられなかった.なお、健常児では
    ケイデンス
    で適応する児は3名、両因子が同程度で適応する児は1名であった.
    【考察・まとめ】
    本結果から、CP児では粗大運動能力とは関係なく個々で歩行速度の増加に対して
    ケイデンス
    と歩幅を適応させていることが明らかになった.CP児の歩行トレーニングにおいては、GMFCSごとにプログラムが立てられることも多いが、今回の結果から、個々の機能に着目した治療プログラムを立てる必要が示唆された.
  • ―健常者のドアへの歩行から―
    *近藤 和恵, 吉尾 雅春, 石橋 晃仁
    理学療法学Supplement
    2005年 2004 巻 47
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/04/27
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】パーキンソン病患者(以下、PD患者)は物に接近する際にいわゆるすくみ足を起こす場合がある。しかし、その原因は明らかにされておらず、理学療法場面においても難渋する。今回、健常者を対象に、ドアに向かって歩く動作から、すくみ足が生じる原因を検討した。
    【対象・方法】対象は年齢21.9±0.99歳の健常女性20名とした。対象者はドアに向かって10m歩き、丸ノブ付の押し開きドアを左手で開く動作を行った。対象者の
    ケイデンス
    はメトロノームを使用し、約1、2、3(歩/s)の3種類のテンポで規定した。ドア、歩行路からそれぞれ2m離れた床上にビデオカメラを設置し、ドアまでの4mを対象者の左方向から撮影した。画像はScion Imageにて、コマ送り回数、踵接地ごとのドアからの距離、ノブを握ろうと手を始動させたときの距離(以下、始動時距離)を測定し、歩幅、歩行速度、
    ケイデンス
    を算出した。その後、始動時距離と各要素との相関係数を算出した。
    【結果】
    ケイデンス
    (1.22歩/s、2.02歩/s、3.03歩/s)の順に各平均値を次に示す。歩行速度(cm/s)は(72.04、139.44、196.77)、始動時距離(cm)は(93.14、126.79、158.56)であった。歩行速度と始動時距離には相関(r=0.71)があり、
    ケイデンス
    と始動時距離にも相関(r=0.62)があった。歩幅の身長比は(0.37、0.43、0.41)であり、歩幅の身長比と始動時距離とは相関を示さなかった。
    【考察】歩行速度は
    ケイデンス
    と歩幅によって決定される。今回の結果として、
    ケイデンス
    と始動時距離とは相関があり、歩幅と始動時距離とは相関がないことから、歩行速度の認識は
    ケイデンス
    により影響を受けていることが示唆された。次に、物に接近する際に生じるすくみ足の原因を以下のように考えた。丸山らはPD患者において視覚情報の処理には異常がないと報告している。したがって、PD患者は目標物までの距離を健常者と同様に認識しているといえる。また、Sekiyaらは、健常女性の
    ケイデンス
    は1.91(歩/s)、歩幅は71.1(cm)、Miyaiらは、PD患者の
    ケイデンス
    は1.98(歩/s)、歩幅は43.9(cm)と報告している。健常者とPD患者の
    ケイデンス
    はほぼ同じであるから、PD患者は健常時と同じ歩行速度を感じ、移動距離を認識していると考えられる。しかし、病態の進行による歩幅の減少により、進む距離は健常時より短く、ドアに達する前に動作が制御され、すくみ足が生じると考えた。このことより、すくみ足へのアプローチの一つとして、歩幅の拡大を促すことも考慮すべき要素であることが示唆された。
  • 長谷川 隆史, 内山 靖, 野々垣 聡, 鈴木 重行
    理学療法学Supplement
    2009年 2008 巻 P1-261
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/25
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】
    近年,不全脊髄損傷者に対する体重免荷トレッドミルトレーニング(以下BWSTT)の有効性が報告されているが,トレーニングを行う際の歩行速度や体重免荷量についての基準は確立していない.
    BWSTTは転倒の危険がなく,エネルギー消費量が減少するため,最大パフォーマンスを発揮しやすい.不全脊髄損傷者では,最大歩行速度の制限因子は
    ケイデンス
    が主たる要因であるとする報告がある.BWSTTでは,歩行速度と体重免荷量の設定によって
    ケイデンス
    や歩幅が変化することが推測される.
    そこで本研究では,BWSTTの歩行速度と体重免荷量によって
    ケイデンス
    と歩幅がどのように変化するかを明らかにすることを目的とする.
    【方法】
    C病院に入院中の不全脊髄損傷者5名(平均年齢52.6±13.2歳,ASIA impairment scale Cが3名,Dが2名),対照群として健常人5名(平均年齢29.6±3.0歳)を対象とした.
    測定条件は4種類の歩行速度と3種類の体重免荷量による計12パターンを設定した.まず,手すりを掴んだトレッドミル歩行で0%BWSの快適歩行速度を決定し,次に,1分間歩行可能な最大歩行速度を決定した.体重免荷量が0%BWS・体重の25%免荷(以下25%BWS)・体重の50%免荷(以下50%BWS)の状態で,快適歩行速度・最大歩行速度・快適歩行速度と最大歩行速度の中間の速度・最大歩行速度よりも速い速度を組み合わせた.測定順序は12パターンを無作為に設定し,それぞれ1分間歩行した.
    測定は安静時の脈拍に戻った時点で再開した.各パターンの歩行をビデオ撮影し,
    ケイデンス
    ,歩幅を算出した.
    対象者のうち1名については,2日後に同様の測定を行い,再現性を変動係数(以下CV)で示した.また,比較のため,健常人について,免荷量は上記と同様として,歩行速度を2~6km/hのデータを収集した.
    統計処理は二元配置分散分析と多重比較により,有意水準5%で検定を行った.
    研究にあたっては,全ての対象者に文書と口頭にて十分な説明をし,文書による同意を得た.
    【結果】
    再現性は,
    ケイデンス
    のCVが0~6.7%と高い値を示した.また,設定した快適歩行速度と最大歩行速度についてもCVがそれぞれ3.9%と1.2%と高い再現性を示した.
    全ての不全脊髄損傷者で,体重免荷によって最大歩行速度よりも速い速度での歩行が可能となった.
    ケイデンス
    と左右の平均歩幅は,0%BWSでの最大歩行速度よりも有意に高値を示した.さらに,
    ケイデンス
    は50%BWSよりも25%BWSの方が高値を示した.最大歩行速度以下では,歩行速度と体重免荷量の組み合わせと,
    ケイデンス
    と歩幅の変化には一定の傾向はみられなかった.
    また,健常人では3km/h以上の各歩行速度において,
    ケイデンス
    が体重免荷によって有意に増加した.
    【まとめ】
    全ての不全脊髄損傷者で,
    ケイデンス
    が最大値を示した組み合わせは,最大歩行速度よりも速い速度と25%BWSであった.
  • *坂井 智明
    日本体育学会大会予稿集
    2018年 69 巻
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/01/18
    会議録・要旨集 フリー

     本研究は、歩行条件の違いが中高齢者の歩行パラメータにおよぼす影響を検討することとした。対象は、運動習慣を有する運動障害を有しない中高齢者47名(男性22名、女性25名、平均年齢70.9±1.9歳)であった。対象者は、上り坂、下り坂(距離400m、最高点285.7m、最低点271.0m、中間点281.2m)、平坦地にて自由歩行をおこなった。対象者には、EPSON社製Writable GPS SF-810Bを左手首に装着させ、歩行速度、

    ケイデンス
    、ストライド、脈拍数を計測した。下り坂歩行と平坦地歩行の比較では、男女ともどの変数においても有意差は認められなかったが、上り坂歩行と平坦地歩行の比較では歩行速度とストライドに有意な差が認められた。下り坂歩行と上り坂歩行を比較すると、男性では歩行速度と
    ケイデンス
    に、女性では歩行速度のみ有意差が認められた。歩行速度を従属変数、
    ケイデンス
    とストライドを独立変数にステップワイズ法による重回帰分析を施したところ、いずれの条件下でもストライドの標準化係数が
    ケイデンス
    に比べ高値であり、歩行速度に対する影響が大きいことが分かった。

  • 村上 明香理, 岩田 晃
    理学療法学Supplement
    2017年 2016 巻 P-NV-13-2
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/04/24
    会議録・要旨集 フリー

    【はじめに,目的】

    歩行速度は実用歩行獲得のための重要な要素の1つで,歩幅と歩行率の積によって決定される。我々は,昨年度の本学会にて,座位で体幹を素早く動かす運動が片麻痺患者の歩行速度の向上に有効な手段であることを報告した。しかし,歩幅の延長,もしくは歩行率の増加のいずれによって歩行速度が向上したかについては明らかにできていない。先行研究では,片麻痺患者の通常歩行速度は,歩行率ではなく,歩幅の影響を受けることが報告されている。そこで,体幹を素早く動かす運動が,片麻痺患者の歩幅あるいは歩行率に与える影響を検証することを,本研究の目的とした。

    【方法】

    当センター回復期病棟に入院中で,脳梗塞または脳出血により片麻痺を呈し,杖歩行または独歩が監視以上で可能である10名(男性8名,女性2名,年齢64.8±10.9歳,発症日数55.4±36.2日,下肢BRSはIIIが1名,Vが5名,VIが4名,Fugl-Meyerは下肢機能29.4±5.6点,総合計204.3±16.0点)を対象とした。

    すべての対象者に,体幹を側方に素早く動かすmodified Seated Side Tapping(以下mSST)運動を実施し,運動実施前後の歩行速度を測定した。

    mSST運動は,背もたれのない台に両上肢を組んで座った状態を開始肢位とし,上腕中央外側から10cm離して左右に設置した台までを目安に,左右交互に10回,出来るだけ速く体幹を動かすこととした。運動方法は口頭説明に加え,検者が動作を提示した。15秒間の休憩を挟み3施行行った。歩行速度は,通常速度で8m歩行路の中央5mの歩行に要した時間から算出した。また歩幅を,歩行の様子を側方よりデジタルビデオカメラにて撮影し,ビデオ画面の中央4歩に要した距離から,画像解析ソフトImageJを用いて計測した。また歩行率を,ビデオ映像より算出した。

    統計処理は歩行速度,歩幅,歩行率について,介入前後の比較を,対応のあるt検定を用いて行った。

    【結果】

    mSST運動実施前の歩行速度は0.88±0.21m/sec,実施後は0.97±0.19m/secであった(p=0.003)。また歩幅は,実施前は49.1±7.8cm,実施後は51.6±6.9cmで,mSST運動実施前後での歩幅の差は2.5±2.3cmであり,有意な改善がみられた(p=0.007)。歩行率は,実施前103.1±17.4steps/min,実施後109.6±21.9steps/minで有意な変化がみられた(p=0.012)。

    【結論】

    mSST運動前後で,歩幅の延長だけではなく,歩行率の増加もみられた。先行研究の報告とは異なり,本研究では歩幅と歩行率に変化がみられたことから,体幹を素早く動かす運動は,歩幅に加えて歩行率にも影響を与える可能性が示された。また歩行速度での臨床的意義のある最小変化量(MCID)は0.08m/sec以上とされており,本研究では0.09m/secの向上が認められたことから,本研究での歩行速度の変化は有意であると考えられる。

  • 200mタイムトライアルについて
    *中村 妃智, 山口 雄大, 西山 哲成
    日本体育・スポーツ・健康学会予稿集
    2023年 73 巻 3a302-06-04
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/01
    会議録・要旨集 フリー

    目的:自転車走行における走行速度はクランクトルクと回転速度の積で決定される。トラック競技では最大パワーを発揮する機械的条件として使用するギア比があり、最大パワーが発揮できる至適ギア比は選手の体力特性等により異なると考えられる。競技現場でのギア比選択は経験的試行によることが多く、ギア比決定に関する客観的方法は確立されていない。本研究では自転車エルゴメーターを用いて測定した最大パワーおよび最大パワー発揮時の

    ケイデンス
    を用いて、自転車競技トラック種目の200mタイムトライアルにおける最大パフォーマンス(走行タイム)を得るためのギア比を推定する方法を開発することを目的とした。方法:大学自転車競技選手男女6名を対象にエルゴメーターで全力ペダリング運動を実施させた。
    ケイデンス
    ―パワーカーブより求めた最大パワー発現時の
    ケイデンスを至適ケイデンス
    とした(Dorel et al.2005)。空気抵抗等を考慮して走行速度を求め(di Prampero, 1991)、実走で最大速度が発現するギア比(GOPT)を推定した。トラックでの実走測定は周長250mの木製走路で実施し、以下の4種類のギア比: GOPT、およびこれより重いギア比GOPT+1、軽いギア比Gopt-1、そして各選手が通常使用しているギア比(GUSE)を用いて100mタイムトライアルを実施した。結果:最大パワーは1203±180w、至適
    ケイデンス
    は126 ±9.52rpmであった。GOPTは4.15±0.35、Guseは 4.10±0.17であり100m走タイムはGopt-1、GOPT、GOPT+1、GUSEの順に5.84±0.21、5.63±0.24、5.63±0.21、5.78±0.20秒であった。考察:本研究で用いた200mタイムトライアルにおける最大パフォーマンス(走行タイム)を得るためのギア比推定方法はある程度は妥当であると考えられた。

  • 高橋 典明, 倉山 太一, 田所 祐介, 小宅 一彰, 藤本 修平, 大高 洋平
    関東甲信越ブロック理学療法士学会
    2012年 31 巻 51
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/11/07
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】
    歩行中の力学的エネルギー保存効率の指標である%recovery(%R)は、快適とする速度において最大となるような上凸の二次曲線を描く。これは、エネルギー効率が最大となる速度を快適と規定していると考えられる。我々は先行研究において、膝歩きにも快適速度が存在し、その
    ケイデンス
    が快適歩行と近いことを示した。本研究は、通常歩行で見られるような%Rと歩行速度の関係性が、膝歩きにも存在するか明らかにし、膝歩きの快適速度の決定因子について検討することとした。
    【方法】
    対象は健常成人20名(23.5±1.4歳)であった。課題は、トレッドミル上での歩行および膝歩きとし、それぞれの快適速度を基準として0.5倍、0.75倍、1.0倍、1.25倍、1.5倍の速度でランダムに実施した。重心変位を第三腰椎棘突起上に貼付した光学マーカーから計測し、%Rおよび
    ケイデンス
    を算出した。%Rと
    ケイデンス
    について課題様式(歩行・膝歩き)と速度(5段階)の間で2要因の反復測定分散分析を実施し、下位検定として膝歩きと歩行との間で対応のあるt検定を実施した。有意水準は5%とした。なお、本研究は当院倫理審査委員会の承認を受け参加者に説明と同意を得た上で行った。
    【結果】
    以下、0.5倍速~1.5倍速の順序で結果値を示す。%Rは、歩行:45.9±10.9、59.8±11.2、64.5±8.8、64.8±7.0、59.0±10.0、膝歩き:56.6±10.3、59.5±7.6、56.9±11.2、57.8±7.4、55.0±8.2であった。
    ケイデンス
    は、歩行:91.3±15.0、112.5±18.7、135.0±18.6、144.8±22.6、155.1±25.8、膝歩き:111.1±19.7、115.5±18.4、129.0±17.7、145.3±19.6、155.7±18.6であった。%R、
    ケイデンス
    とも課題様式と速度との間に有意な交互作用をみとめた(p<.001)。%Rは0.5倍速、1倍速、1.25倍速にて、
    ケイデンス
    は0.5倍速において課題間で有意差を認めた(p<.05)。
    【考察】
    歩行の%Rは先行研究に一致し速度と関連したパターンを示し、快適速度の1.25倍速で最大値を示した。一方、膝歩きの%Rは速度によって大きく変化せずほぼ一定値をとり、快適速度との関連が見られないことが明らかとなった。このことから膝歩きにおける快適速度の判断基準はエネルギー効率以外の要素が関連している可能性が示された。なお、今回歩行と膝歩きの
    ケイデンス
    はほぼ等しく、有意差も認められなかったことから、膝歩きの快適速度は、快適歩行の
    ケイデンス
    を参考に規定されている可能性がある。
    【まとめ】
    トレッドミル上にて膝歩きと歩行を実施し、速度と力学的エネルギーの関係を調べた。膝歩きでは速度変化に関係なく%Rはほぼ一定値を示し、快適速度と関連しないことが示された。
  • 大重 努, 井上 純爾, 向井 陵一郎, 淵岡 聡
    理学療法学Supplement
    2014年 2013 巻 1231
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/05/09
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに】自然歩行時の体幹運動において,回旋は,屈曲,側屈に比べて大きな可動域を有する。歩行速度は,
    ケイデンス
    とステップ長により変化し,
    ケイデンス
    を大きくするためには,骨盤の素早い反復回旋運動による下肢の振りだしが必要とされる。また,骨盤の回旋角度の増加がステップ長を大きくする因子となる。歩行と体幹機能については,歩行速度と体幹伸展の可動域や座位での側方タッピング動作との関連が明らかになっているが,体幹回旋運動との関連は明確ではない。そこで本研究では,体幹機能として座位での反復体幹回旋運動,体幹回旋可動域,体幹回旋筋力と,歩行パラメーターとの関連を運動学的分析により明らかにすることを目的とした。【方法】対象は,健常若年女性20人とした。体幹機能として,座位での反復体幹回旋運動10回の実施時間,座位での体幹回旋最大可動域,体幹回旋筋力を測定した。反復体幹運動は,幅1m,奥行き50cm,高さ1.5mのフレーム内に高さ40cmの台上に1.5mの棒を肩甲骨下角部に接するように水平に背負った状態で椅座位となり,可動範囲を30cmに固定(体幹回旋の運動範囲は左右計33.4°)し体幹回旋運動をできるだけ速く行うように指示した。開始肢位は体幹回旋左右中間位からとした。運動は,右回旋から開始し,最大右回旋(16.7°)を経て最大左回旋までを1回とし,できるだけ速く反復体幹回旋運動を10回実施するのに要する時間を計測した(以下T)。体幹回旋可動域は,椅坐位で最大体幹回旋位可動域の左右計を計測した(以下ROM)。体幹回旋筋力は,臥位にて張力計を用いて随意的な筋力を測定した(以下TRP)。歩行パラメーターは5m最速歩行の速度,
    ケイデンス
    ,ステップ長を測定した。座位での反復体幹回旋運動,体幹回旋可動域,歩行パラメーターは,三次元動作解析装置(VICON)により計測した。これらの項目についてPearsonの積率相関係数を算出し,体幹機能と歩行との関連を検討した。なお,解析はSPSS 11.0J for Windowsを使用し,有意確率は5%未満とした。【説明と同意】本研究は,本学研究倫理委員会の承認を得た後,全ての対象者に本研究の内容と目的を口頭ならびに文書を用いて十分に説明し,紙面による任意の同意を得て実施した。【結果】対象の属性の平均値(±SD)は,年齢22.5±3.1歳,身長159.8±4.8cm,体重54.5±5.7kg,BMI21.3±1.7であった。測定結果の平均値(±SD)はT4.65±0.81秒,ROM84.5±12.5°,TRP11.03±2.42kg,歩行速度2.26±0.34m/s,
    ケイデンス
    167.6±24.2step/min,ステップ長0.809±0.045mであった。ROM,TRP,歩行速度,ステップ長との間には,有意な関連は認められなかったが,Tと歩行速度に中等度の相関(r=-0.674,p<0.01),Tと
    ケイデンス
    に中等度の相関(r=-0.57,p<0.05)が認められた。また,歩行速度と
    ケイデンス
    にておいて高い相関(r=0.933,p<0.01)が認められた。【考察】歩行では,両脚支持期が必要となるため,歩行速度を上昇させる際には,両脚支持期が可能な範囲のステップ長までが限界となり,ステップ長が最大となった後は,
    ケイデンス
    に依存し速度を上昇させると考えた。
    ケイデンス
    を高くするためには,骨盤の素早い反復した回旋運動による下肢の振り出しが必要とされる。座位での反復体幹回旋運動を速く行う能力は,歩行時の骨盤の素早い反復回旋運動を行う能力を反映しているものと考えられ,
    ケイデンス
    ,最大歩行速度に関連していると考えられた。TとROM,TRPとの間に有意な関連は,見られておらず,反復体幹回旋運動を素早く行うには,他の要素が必要と考えられた。今後,反復体幹回旋運動を素早く行うための要素について研究していく必要かある。今回,反復体幹回旋運動の速度が歩行速度と関係があることが示され,最大歩行速度においては,速く反復運動を行う能力の重要性が示された。この運動は座位で行えるため,バランスが低下した高齢者や患者にも安全な評価指標,新たな運動療法としての有用性が期待できる。【理学療法学研究としての意義】反復体幹回旋運動と歩行との関連が明らかになり,基底面が広く安全な座位による運動が歩行能力の新たな評価手法や運動療法の開発・考案の一助となる。
  • 長井 勇磨, 白坂 智英, 種村 洋二
    理学療法学Supplement
    2019年 46S1 巻 P-B-11-7
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/20
    会議録・要旨集 フリー

    【はじめに・目的】

    脳血管障害患者の歩容は運動麻痺の程度により異なるため特徴を捉え歩行訓練を行っていくことが重要である。Honda歩行アシストの使用により脳血管障害患者の歩行速度、歩幅の増加などが報告されているが運動麻痺の程度の違いによる報告は少ない。今回、運動麻痺の程度が異なる脳血管障害患者2例に対し3次元動作解析装置を使用し歩行中の運動パターン、10m歩行テスト、

    ケイデンス
    を基に比較を行った。

    【方法】

    対象は入院していた脳血管障害患者で重篤な合併症や認知症、高次脳機能障害を有さず、平地歩行を自立-修正自立レベルで行える2例(軽症例44才男性、SIAS下肢運動項目:股関節屈曲4膝関節伸展4足パット4、重症例69才男性、SIAS下肢運動項目:股関節屈曲3膝関節伸展2足パットテスト1)を対象にHonda歩行アシスト使用前後の比較を行った。Honda歩行アシストの使用は1日20分、2週間の実施を通常理学療法中の歩行訓練の中で実施とした。評価項目は歩行中の運動パターン、10m歩行テスト、

    ケイデンス
    とした。運動パターンの評価には3次元動作解析装置マイオモーション(酒井医療株式会社制製)を使用した。

    【結果】

    軽症例は10m歩行テストが使用前使用後ともに7秒14歩であった。

    ケイデンス
    が使用前104歩/分、使用後103歩/分であった。運動パターンにおいて遊脚期股関節屈曲が使用前非麻痺側21麻痺側31.1、使用後非麻痺側54.1麻痺側36.1、遊脚期膝関節屈曲が使用前非麻痺側27.6麻痺側31.1使用後非麻痺側53麻痺側62であった。重度例は10m歩行テストが使用前16秒24歩、使用後12秒19歩であった。
    ケイデンス
    が使用前81歩/分、使用後は89歩/分であった。運動パターンが遊脚期股関節屈曲使用前非麻痺側24.7麻痺側18、使用後非麻痺側18.8麻痺側14.4、遊脚期膝関節屈曲が使用前非麻痺側55.9麻痺側25.9、使用後非麻痺側55.7麻痺側21.4であった。

    【考察】

    本研究においてHONDA歩行アシストの使用により軽症例では10m歩行テスト、

    ケイデンス
    の変化は乏しいが運動パターンに改善が得られ、重症例では10m歩行テスト、
    ケイデンス
    は改善傾向だが運動パターンは変化が得られない結果であった。大畑らはHonda歩行アシストにより股関節屈曲トルクを増大させることで慣性により遊脚期の膝関節屈曲が生じるとしている。今回、このことにより軽症例においては運動パターンの改善が得られたと考える。重症例においては麻痺側下肢の筋力低下によりぶん回し歩行や膝のロッキングが残存したことから運動パターンの改善に至らなかったと考える。しかし、重症例であってもHonda歩行アシストの使用により対称的な歩行動作訓練が行えることで
    ケイデンス
    、歩行速度が改善し歩行コストに寄与することができると考える。重症例の運動パターン改善には歩行に必要な下肢筋力向上も加味した治療プログラムを実施する必要性が示唆された。

    【倫理的配慮,説明と同意】

    当院倫理委員会の承認を得て、対象者へは書面にて本研究の目的と方法を説明し、同意が得られた者に行った。

  • 中窪 翔, 牧迫 飛雄馬, 土井 剛彦, 堤本 広大, 堀田 亮, 牧野 圭太郎, 鈴木 隆雄, 島田 裕之
    理学療法学Supplement
    2017年 2016 巻 O-YB-01-4
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/04/24
    会議録・要旨集 フリー

    【はじめに,目的】高齢期における歩行速度の低下は重要な転倒リスクのひとつである。歩行速度は歩幅と歩行率(

    ケイデンス
    )から決定され,この両因子から求める歩行比(歩幅/
    ケイデンス
    )は歩行速度を維持するための戦略を表す個人の歩行パターンと捉えられる。しかし,歩行比と転倒の関連性については十分に検討されていない。本研究の目的は,地域在住高齢者を対象に歩行比と転倒の関連性を横断的に検討することである。

    【方法】National Center for Geriatrics and Gerontology-Study of Geriatric Syndromesに参加した65歳以上の地域在住高齢者10,885名のうち,アルツハイマー病,パーキンソン病,脳卒中の現病および既往のある者,MMSEが18点未満の者,欠損値がある者を除外した9,205名(女性4,987名,平均年齢73.7±5.6歳)を解析対象とした。ANIMA社製ウォークWay MV-1000を用いて通常歩行速度にて歩行評価を実施し,歩行速度,歩幅,

    ケイデンス
    を評価指標とした。歩行比は歩幅を
    ケイデンス
    で除して算出し(m/(step/min)),3分位の値を基に対象者を3群(T1,T2:参照,T3)に群分けした。なお,各歩行指標は,関谷ら(1996年)の報告に準じて身長を用いて補正した。転倒経験は,過去1年間の転倒経験の有無を聴取した。共変量として,基本属性,病歴,服薬数,転倒恐怖感の有無,平均歩行時間(分/日)を聴取し,Body Mass Index,うつ症状(Geriatric Depression Scale),MMSEを評価した。統計解析は,転倒の有無を従属変数,歩行速度低下(1.0m/秒未満)の有無および歩行比を独立変数とした多重ロジスティック回帰分析を実施した。さらに,歩行速度の低下の有無による関係性の違いを検討するために歩行速度1.0m/秒以上および未満で層分けして同様の分析を実施した。有意水準は5%未満とした。

    【結果】全対象者における過去1年間の転倒経験率は17.6%であった。転倒経験に対して,歩行速度低下の有無と歩行比を同時投入した結果,歩行速度低下および歩行比の値が小さいT1群において有意な関係性を示した(歩行速度 OR:1.40,95%CI:1.21-1.62,歩行比 OR:1.18,95%CI:1.03-1.35)。さらに,1.0m/秒未満の群(1,496名)での解析では歩行比は転倒と有意な関連性を認めなかったが,1.0m/秒以上の群(7,709名)ではT1群において転倒と有意な関連性を認めた(OR:1.29,95%CI:1.11-1.50)。

    【結論】本研究より,歩行速度が低下している群では歩行比と過去1年の転倒経験との間に有意な関連性はみられなかったが,歩行速度を維持できている群においては,歩行比が小さいことが転倒経験と関連していることが示唆された。歩行比が小さいことは,歩幅の減少,あるいは

    ケイデンス
    の増加を反映しており,歩行速度の維持のために
    ケイデンス
    を増加させる戦略を選択していると考えられる。今後は,このような歩行戦略の違いが将来の転倒発生と関連するかについて,縦断的な検討する必要である。

  • 淵岡 聡, 岩田 晃, 樋口 由美, 小栢 進也
    理学療法学Supplement
    2015年 2014 巻 P3-B-1077
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/04/30
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】歩行は日常生活を送る上で必要不可欠な基本的動作であり,特に高齢者の歩行速度は,ADL能力や転倒発生率,生活自立度,さらに生命予後等との関連が報告されている。一般に歩行速度は
    ケイデンス
    や歩幅によって規定され,下肢の関節可動域や筋力との関連について数多くの研究報告がなされている。一方,筋機能に関する研究では,筋力のような量的指標のみではなく,筋の出力特性を質的に評価する方法の一つとして,筋力発揮の立ち上がりの早さの指標であるRFD(rate of force development:筋力発生率)が用いられる。RFDは最大等尺性筋力をその発生までに要した時間で除した値で示されるが,そもそも最大筋力との相関が高く,質的評価指標として適切でない場合がある。本研究ではRFDの概念を準用した,筋力発揮のごく初期段階の筋力発生率(early RFD)に着目し,高齢者の歩行パラメータとの関連を検討することを目的とした。【方法】地域在住高齢者の健康増進に資することを目的に,我々が毎年開催している身体機能測定会(自分の身体を測定する会)への参加者を対象とした。本研究で使用した測定項目は身体属性として身長,体重,筋機能として膝伸展筋力体重比(角速度60°/secの等速性最大筋力を体重で除した値:ISOK,屈曲90°位での等尺性最大筋力を体重で除した値:ISOM,単位:Nm/kg),等尺性筋力測定時のearly RFDとした。等尺性筋力は「できるだけ早く強く力を入れる」よう指示し,数回の練習の後に測定した。early RFDは等尺性筋力が最大値を示した力-時間曲線を抽出し,筋力発生から50msec後と100msec後の筋力を,体重と時間で除し,1秒あたりの筋力発生率として算出した:RFD50,RFD100(単位:Nm/kg/sec)。なお,筋力発生は5Nm以上の筋力が検出された時点とした。歩行パラメータは,光学式歩行分析装置(OPTOJUMP NEXT,伊MICROGAIT社製)を10m歩行路の中間5mに設置し,通常歩行をそれぞれ2回ずつ計測し,歩行速度(最速値),ストライド長(平均値),
    ケイデンス
    (平均値)を算出した。各項目の関連は,Pearsonの積率相関係数を算出して比較検討した。統計解析にはJMP11を用い,有意確率は5%未満とした。【結果】測定会参加者122名のうち,65歳未満の9名と筋力もしくは歩行の計測を完遂できなかった13名を除いた100名(男29名,女71名)を解析対象とした。測定結果の平均値と標準偏差を以下に示す。対象者属性は,年齢75.0±5.1歳,身長154.4±7.6cm,体重51.4±8.1kg,BMI 21.5±2.8であった。筋機能は,ISOK 1.64±0.37,ISOM 1.80±0.48,RFD50 6.51±3.34,RFD100 5.57±2.70であった。歩行パラメータは,歩行速度1.49±0.19m/s,ストライド長131.18±13.67cm,
    ケイデンス
    129.47±8.73歩/分であった。歩行速度とストライド長は筋力との間に有意な相関を認めた。early RFDと歩行パラメータとの関係は,RFD50
    ケイデンス
    (r=-0.23,p<0.05),ストライド長(r=0.28,p<0.01)に,RFD100とストライド長(r=0.37,p<0.01)にそれぞれ有意な相関が見られた。【考察】高齢者おける歩行と筋力の関連はこれまでの知見と一致する結果であったが,
    ケイデンス
    は筋力との有意な関連が見られなかった。また,early RFDは歩行速度との有意な関連を認めず,ストライド長と正の相関があり,RFD50
    ケイデンス
    と負の相関を示した。
    ケイデンス
    は左右の下肢を交互に振り出す頻度であり,単位時間あたりの左右への重心移動の反復回数とみなすことができる。今回の結果は,歩行速度に関わらず,early RFDが高いほどストライド長が大きく,側方重心動揺頻度が少ないことを示していた。歩行時の側方への重心動揺頻度は歩行の安定性向上に不可欠な要素であり,early RFDの向上により歩行能力を改善できる可能性が示唆された。本研究では側方重心移動幅の計測を行っていないため,今後は歩行時の重心移動に関する様々なパラメータと
    ケイデンス
    の関連についてより詳細な分析を加えることで,early RFDと歩行能力との関連をさらに明確にし,介入方法への応用を念頭に検証を重ねる必要があると考えられた。【理学療法学研究としての意義】高齢者における歩行の安定性向上を目指す場合,筋力発揮の初期段階における筋力発生率(early RFD)に着目することが,効果的な介入手段の開発に繋がる可能性を示した点。
  • *石栗 外希子, 赤塚 清矢, 日下部 明
    理学療法学Supplement
    2006年 2005 巻 1164
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/04/29
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】我々は、2004年より山形県Y市と共同し介護予防に効果的な問題点の解明を図る目的で身体機能計測を実施している。高齢者が自立した生活を送る上で移動手段は必要不可欠であるため歩行能力の加齢変化は重要である。歩行能力について年齢別に比較した報告は多いが、同一者の一年後の変化を比較した報告は少ない。そこで高齢者の基礎的運動能力を代表しうるとされる最大歩行速度を用いて、1年間の最大歩行速度の経過を比較検討した。
    【方法】Y市に住所のある在宅高齢者132名(男性42名、女性90名、平均年齢72.4 ±4.7歳)で、介護認定を受けておらず歩行が自立している者を対象とし、10m最大歩行速度、歩数を計測した。試行は歩行を3回行い、得られたデータより1分あたりの最大歩行速度(m/min)、
    ケイデンス
    (steps/min)、ステップ長(m)を算出した。これらのパラメーターについて2004年と2005年の値を比較した。さらに、年代別に1群(60-64,n=12)、2群(65-74,n=80)、3群(75-84,n=40)の3つの群に分け、同様の比較を行った。統計処理にはt検定を用い、有意水準を5%とした。
    【結果】2004年歩行速度の平均は116.2±20.9m/min,
    ケイデンス
    171.6±33.3steps/min,ステップ長0.68±0.08m,2005年歩行速度の平均は109.3±21.4 m/min,
    ケイデンス
    164.8±22.1steps/min,ステップ長0.66±0.07mであった。2005年のパラメーターは2004年の3つのパラメーターに比べ、有意な低下が認められた(p<0.05)。群別にみると、1群、3群では全項目で有意な差は認められなかったが、2群において歩行速度と
    ケイデンス
    が有意な低下を示した(p<0.05)。また、年齢と歩行速度の関係をみると、2004年に比べ2005年のデータの方がより強い負の相関を示した。そのため、2005年のデータを用いて各年代での最大歩行速度の平均を算出した。歩行速度の平均は、男性では60歳代120.0±27.7,70歳代110.6±27.2,女性では60歳代113.3±18.4,70歳代104.1±15.7,80歳代97.0±32.1となり、宮原らの報告に類似した結果が得られた。
    【考察】在宅高齢者において1年間で歩行速度、
    ケイデンス
    、ステップ長の低下が見られ、年齢とも負の相関が認められたことから、健常であっても加齢による歩行能力の低下が明らかとなった。今回の研究では、特に65~75歳の前期高齢者で最大歩行速度の明らかな低下が認められた。これは退職等によりライフスタイルが変わる時期であることに加え、身体的にも老化が進行し運動量が急速に低下する高齢者も多く含まれていたのではないかと考える。したがって、介護予防として前期高齢者に目を向ける必要があると考える。今後、別の観点からも考察を加えさらに検討を重ねていきたい。
  • 前田 眞一
    サーキットテクノロジ
    1994年 9 巻 5 号 381-385
    発行日: 1994/08/20
    公開日: 2010/03/18
    ジャーナル フリー
  • 前田 眞一
    サーキットテクノロジ
    1993年 8 巻 4 号 290-296
    発行日: 1993/06/20
    公開日: 2010/03/18
    ジャーナル フリー
  • 益子 行雄
    エレクトロニクス実装学会誌
    2001年 4 巻 3 号 176-180
    発行日: 2001/05/01
    公開日: 2010/03/18
    ジャーナル フリー
  • -再置換の術前と術後6ヶ月の縦断的調査-
    田澤 智央, 山田 拓実, 大見 武弘, 島村 亮太, 加藤 淳平, 美﨑 定也, 佐藤 義尚, 信太 奈美, 杉本 和隆
    理学療法学Supplement
    2019年 46S1 巻 1-P-F-2-6
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/20
    会議録・要旨集 フリー

    【はじめに】

     人工膝関節全置換術(TKA)後の異常歩行は再置換術の要因となる人工膝関節のゆるみを惹起するリスクとされている.しかし,TKA後ゆるみが発生した患者に対する歩行解析を行った報告はなく,歩容の特徴や歩容が人工関節のゆるみに与える影響は明らかにされていない.TKA後ゆるみが発生した患者に対する詳細な歩行解析は,その運動学的かつ運動力学的情報を捉えることができる上,臨床的に歩行分析をする上で貴重な情報を提供するものと考える.今回,TKA後ゆるみに対して再置換術を施行された一症例における術前と術後の歩行解析を行った.さらに,本症例の歩行中アウトカムを初回TKA患者群と比較検討した.

    【症例紹介】

     本症例は,60代女性,BMI 28.5kg/m2であり,腰椎すべり症に対する腰椎後方椎体間固定術施行歴があった.末期変形性膝関節症に対して初回右後十字靭帯温存型TKAを他院で施行された.初回TKA後4ヶ月時に他院を外来受診した際,レントゲン画像で脛骨ベースプレート下のルーセントラインが確認された.その後,当院を受診し,右TKA後ゆるみと診断され,初回TKA後7ヶ月時に再置換術を当院で施行された.再置換術で使用されたインプラントは,ローテーティングヒンジ型人工膝関節(RHK)であった.

    【評価とリーズニング】

     アウトカムは,レントゲン画像上大腿脛骨角(FTA),歩行速度,

    ケイデンス
    ,立脚相における膝関節最大屈曲・伸展角度(屈曲角度,伸展角度),最大体重比膝内反モーメント(KAM)とし,再置換の術前と術後6ヶ月に測定した.測定機器は,三次元動作解析装置と床反力計4枚を用いた.得られたデータを筋骨格モデル作成ソフトSIMMにとり込み,KAM,屈曲角度および伸展角度を算出した.初回TKA患者群は,9名(女性8名),平均年齢73.1±4.6歳,BMI 26.0±4.2kg/m2であり,全例が初回後十字靭帯温存型TKAを施行された.また,全例に人工関節のゆるみはなかった.アウトカムは術後6ヶ月時に,本症例と同様の方法で測定した.本症例の術前の結果は,FTA(右/左)186/177°,歩行速度0.53m/sec,
    ケイデンス
    78.0/76.9steps/min,屈曲角度55.8/61.4°,伸展角度-0.3/-4.2°,KAM 0.67Nm/0.59Nm/kgであった.初回TKA患者群は,平均FTA 175.2±3.2°,歩行速度1.07±0.17m/sec,
    ケイデンス
    115.3±8.5steps/min,屈曲角度40.5±4.6°,伸展角度-8.7±6.4°,KAM 0.4±0.1Nm/kgであった.初回TKA患者群と比べて,本症例はFTAが大きく内反し,患側KAMが大きかった.また,歩行速度が遅くなり,
    ケイデンス
    は小さかった.従って,初回TKA患者群と比べて,本症例は異常歩行を呈していたと考えられた.

    【介入と結果】

     介入は,当院のプロトコルに則り,歩行練習および可動域練習,筋力増強練習,バランスエクササイズ,物理療法などから成る標準的理学療法を実施した.当院のプロトコルは,術後翌日より全荷重を開始,術後3週で自宅退院,術後3ヶ月で外来通院を終了と設定している.本症例はプロコル通りにリハビリテーションが進んだ上,介入中の有害事象はなかった.本症例の術後6ヶ月の結果は,FTA 174/177°,歩行速度0.75m/sec,

    ケイデンス
    98.3/99.0steps/min,屈曲角度62.9/66.6°,伸展角度-2.9/-10.6°,KAM 0.36/0.47Nm/kg であった.術前と比べて,術後はFTAが外反し,KAMが小さくなった.また,歩行速度が速くなり,
    ケイデンス
    が大きくなった.さらに,術後はFTA,歩行速度,
    ケイデンス
    ,KAMが初回TKA患者群と同等であった.したがって,術前にみられた本症例の異常歩行は術後に改善されたと考えられた.

    【結論】

     ゆるみのない初回TKA患者と比べて,TKA後ゆるみが発生した患者は異常歩行を呈している可能性がある.術前にみられた本症例の異常歩行は,適切な手術と理学療法によって術後に改善されたと考えられた.今後は症例数を増やして,再検討したい.

    【倫理的配慮,説明と同意】

    対象者には事前に歩行解析の目的,方法,歩行解析への参加の拒否や途中辞退の権利について文書にて説明を行い,同意を得た.また,首都大学東京荒川キャンパス研究安全倫理委員会(承認番号:14107)の承諾を得た.

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