臨床例では, 急性肝炎, 閉塞性黄疸, 肝硬変の順に耐糖能は低下し, イン
スリ
ン反応は閉塞性黄疸のみ低下し, 他2者は高かった.実験的には, 末梢静脈血イン
スリ
ン反応は肝障害犬全体に低い傾向にあったが, 門脈血イン
スリ
ン値は, 閉塞性黄疸犬と慢性CCl
4犬で高い時期もあり, 肝のイン
スリ
ン取り込みも亢進していた.劇症肝炎を想定したDMNA犬では門脈血イン
スリ
ンも肝の取り込みも低く, イン
スリ
ン・グルカゴン療法の合理性が裏付けされた.前2者は代償性の肝障害, 後者は非代償性の肝障害であると推定され, 肝障害と門脈血イン
スリン動態および肝のインスリ
ン取り込みとの関連性が示された.
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