2013年のブレスト・インプラント (シリコンゲル充填人工乳房, 以下SBI) 保険適用の前後一年間について, 乳癌手術とその再建術および, その周辺手術について件数を比較した。全乳房切除術 (Bt) は529件から600件へ有意に増加し, 部分切除術 (Bp) は514件から399件へ有意に減少した。乳房一次再建におけるティシューエキスパンダー (以下TE) 挿入術は, 201件から340件に増加した。再建率は, 初回手術における Bt に対して50.2%であった。一次二期再建における SBI 挿入術は133件から223件に増加した。二次再建全体では36件から73件に倍増し, 二次 TE 挿入術も6件から43件となった。一方で自家組織再建は一次二次合計35件から14件へ減少した。対側
タッチアップ
は豊胸, 吊り上げともに減少した。SBI の保険適用は, 整容性を保てない Bp よりも Bt と再建を選択することを促したと考えられた。一方で, 混合診療となることから, 減少した対側
タッチアップ
手術の扱いが今後の課題と考えられた。
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