手術予定患者の不安を取り除くため,入院時より抗不安剤
トフィソパム
を約1週間投与し,その臨床的意義について考察した.抗不安剤の有用性は,21名の対象を任意に
トフィソパム
投与群とコントロール群の2群に分類し,入院時と手術当日の2回の心理テストState-Trait-Anxiety-Inventory (STAI)の特性不安と状態不安の変動より判定した.
コントロール群において特性不安は変化していないが,状態不安は有意差は認めないものの上昇傾向を示しSTAIテストは術前の不安の判定に有用であるといえる.
トフィソパム
投与群では特性不安は変化しないが,状態不安は有意に低下した.
トフィソパム
は手術予定患者の不安に対して有用であり,副作用も少なく安全な薬剤であるといえる.
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