Azthreonam (AZT) は, グラム陰性菌に強い抗菌力を示す全合成された単環性β-lactam抗生物質である。AZTは,
Escherichia coli, Klebsiella pneumoniaeおよび
Proteus mirabilisをはじめとする腸内細菌群や
Haemopmus influemae, Psmdommas aeruginosaなど, グラム陰性桿菌に強い抗菌力を示し, グラム陽性菌, 嫌気性菌には弱いかほとんど抗菌力を示さなかった。
AZTの臨床分離株に対する106CFU/ml菌液接種時のMIC
50は,
Proteus mirabilis, Proteus morgmii, Proteus vulgaris, Protms rettgeri, Proteus incoknstansでは0.005~0.015μg/ml,
E. coli, K. pneumoniaeではそれぞれ0.04, 0.03μg/mlを示した。また,
Klebsnlla oxytocaには0.07μg/ml,
Citrobacter freundii 0.12μg/ml,
Enterobacter cloacae 0.11μg/ml,
Serratia marcescensに0.31μg/mlを示した。
P.aeruginosaに対しては4.88μg/mlを示しCefsulodinとほぼ同等であった。
H. influenzaeに対してはLatamoxefと同等で, 0.043μg/mlであった。
AZTの抗菌力は培地種類, 培地pH, 血清添加では影響を受けなかったが, 接種菌量を上げると若干低下した。また他剤との併用では相乗効果や抗菌スペク
トラム
的に相補的な作用は認められたが, 拮抗作用は認められなかった。
AZTは各種β-lactamaseに対して極めて安定であったが, II型 (OXA1) penicillinase,
K. oxytocaおよび
Psmdomonas cepaciaの産生するβ-lactamaseによって僅かに加水分解された。
P. aeruginosa腹腔内感染マウスにおけるAZTの防禦効果はCAZより劣ったが, CPZより優れていた。また
K. pneumoniae気道感染マウス,
P. mirabilis尿路感染マウス, およびラットの
P. aeruginosaグラニュ
ローマ
ポーチ内感染においても優れた治療効果を示した。
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